新花と蛇

新 花と蛇(挿絵更新分)

67.地獄巡り(5)

絹代は口惜しげに眉をしかめながら、久美子に身体を近づけて囁く。 「久美子さん、本当に助けは来るんですの?」 「ええ、間違いありませんわ」 久美子は小さく頷く。 「でも、先程申し上げた通り、早くても明日の午前中だと思います。今夜は何があっても...
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66.地獄巡り(4)

「鬼源さんっていうのは森田組専属の調教師なの。後であなたたちも紹介してあげるわ。女の命を吊り上げられるようなもんだから辛いわよ。久美子なら耐えられるかしら」 そう言って笑いかける銀子を見た久美子の身体に悪寒が走る。 (森田組――それが静子夫...
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65.地獄巡り(3)

「あ、ああ……気持ちいい。た、たまらないわっ」 「エッチなお姉さんね。こんなに濡らしちゃって。美津子、妹として恥ずかしいわ」 「い……意地悪言わないで」 その声を聞いた瞬間、久美子と美紀の顔が同時に恐ろしいほど強ばる。 (こ、この声は――)...
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64.地獄巡り(2)

屈強なニグロの男が静子夫人を背後からぐいと抱き締め、豊かな乳房を揉みながら何か声をかける。すると夫人ははっきりと悦楽の表情を浮かべながら「ああ……」とため息のような声を上げるのだ。 「Oh, I love you, Jonny. Squee...
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63.地獄巡り(1)

「手を後ろに回すんだ」 銀子に命令された久美子は一瞬躊躇う。相手はズベ公四人だが、久美子の柔道の腕前をもってすれば倒すことは可能だろう。 しかしながら久美子の通報騒ぎで屋敷内の警戒は先ほどとは比較にならないほど厳重になっていることが予想され...
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62.新たな生贄(5)

「でも、私……犯人があんな恐ろしい人達だとは……」 絹代は先程、悦子に加えられた恐ろしい私刑を思い出したのか、優美な裸身をぶるっと震わせる。 「美沙江はともかくとして、珠江様は気性が激しい人です。犯人たちに反抗して恐ろしいお仕置きにあってい...
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