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ニュータウンの奴隷家族 第一部

ニュータウンの奴隷家族 第一部

11.淫らな企み(3)

「そろそろ私の出番ね」 缶ビールを飲み干した香織があられもない姿を晒しているしのぶに近づく。香織が手に持ったチューブを目にした沢木は口元に微笑を浮かべる。「いきなりその薬ですか」「サービスし過ぎかしら」 香織は沢木に微笑を返すと、ご馳走を目...
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10.淫らな企み(2)

「しかし、お誂え向きとはこのことや。ちょうど良い加減につぶれてくれたもんや」「まったく、あんまり無防備なんで拍子抜けしましたよ」香織の運転する車の後部座席に、眠っているしのぶをはさむように黒田と沢木が座っている。しのぶは黒田の膝に頬を埋める...
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9.淫らな企み

「あ……黒田さん」黒田の脂ぎった顔がしのぶの顔に近づいてくる。「舌を吸わせてえな、しのぶちゃん」「だ、駄目よ……私には夫が……」まるで昔の昼メロみたいな台詞だ――しのぶは黒田が近づける唇をなよなよと避けながらそう思った。「そんなこといいなが...
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8.予兆(4)

「え、なんやて。そんな小さな声では聞こえんがな」沢木は黒田の様子をニヤニヤ笑いながら黙って見つめている。「――うん、よく聞いていてくださいね」しのぶは黒目がちの瞳を潤ませながらこころもち声を大きくして繰り返す。「……バスト86、ウェスト62...
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7.予兆(3)

「あ、もう」しのぶはお代わりを作ろうとするが、黒田がキープしていたウィスキーはちょうど空になっていた。「なんや、もうないんかいな」黒田は顔をしかめた。「どうする、今晩はこれくらいにしとこか」「いや、次は僕がいれますよ」沢木は自分のグラスを空...
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6.予兆(2)

週に1、2回の「かおり」通いも禁止されて所在なげにしていた達彦としのぶの間に小さなトラブルが生じたのは、しのぶが「かおり」に勤め出してから1週間がたとうとしていた頃である。「駄目……」しのぶが寝室の電気を消し、おやすみの挨拶をしてからいきな...
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