小説 10.不安(2) 「とにかく……本当にD旅館に泊まっていて、ピンクコンパニオンを呼んでいるのなら、もうやることはやっちゃっているわよ」「そんな……」私は激しい焦燥に駆られます。「東山さんの奥さんにまで無茶なことはしていないと信じるしかないよね……それより、そ... 2023.01.01 小説役員会
小説 9.不安(1) 「やっかいなことって……どうしてそんなふうに思うんだ?」「東山さん、私と話しをしていてどんな風に感じる?」「どうって……」「生身の私と向かい合って話すことを想像してみて。その場合とどんな風に違う?」「それは……」里美の言っていることが徐々に... 2023.01.01 小説役員会
小説 8.里美(3) 週末は役員会もなかったため、私と妻は2人で映画に出かけ、食事をしました。私は会社、妻は役員会とこのところ忙しかったため、ゆっくり話をするのは久しぶりのような気がします。食事の後でお茶を飲みながら、私は何気なく役員会についてたずねました。「そ... 2022.12.25 小説役員会
小説 7.里美(2) 私はチケットを買い、ヘッドセットをつけて里美の部屋にログインします。ログインに気づいた里美が顔を上げ、ヘッドセットをつけました。目許がはっきりしたその顔立ちの意外な美しさに、私は少し驚きました。「こんにちは」「下田さんから聞いていた人ね」「... 2022.12.25 小説役員会
小説 6.里美(1) 「ライブチャットですよ」「ライブチャットって、女の子がPCの前で話したり脱いだりするやつ?」「東山さんも良く知っていますね。やったことあるんですか?」下田がにやりと笑います。「ないよ。見てるだけで手を出せないんじゃつまんないじゃない」「やっ... 2022.12.25 小説役員会
小説 5.蜘蛛の巣(5) 私は一瞬キスマークのことを聞こうと思いましたが、なぜかためらいました。「ところで……誰が送って来てくれたんですか」「会長の犬山さんだ」「まあ……」妻の表情が心持ちこわばったような気がします。「あとでお礼を言っておかないといけないわ」「絵梨子... 2022.12.25 小説役員会