第96話 崩壊への序曲(4)

「ああっ、お母さんっ」
貴美子が自らの肉体を侵略する淫魔からの救いを求めるような悲痛な声で母親を呼ぶ。
「貴美子っ」
愛する2人の娘が地獄に落ち、淫鬼たちの生贄に捧げられようとしているのに、どうすることも出来ない。裕子は気が狂わんばかりの懊悩の中で、美樹の巧みな同性愛の技で再び無理やりに倒錯の官能を燃え上がらせて行くのだ。

しばらくの後しのぶ、裕子、貴美子、里佳子、そして健一の美しい5人の性奴たちは東公園の中央に引き立てられ、淫鬼たちの手によって責め上げられていた。
ジョギングの時からしのぶたちに着いて来たギャラリーは公園の周囲を取り巻くように立ち、呆然とした表情を淫らな地獄絵図に向けている。眼前で展開されている光景が信じられないものは互いにひそひそと声を交わしている。AVのロケではないかというものもいたり、それならあんな少年・少女は使うはずもないと反論するものもいる。
ここぞとばかり携帯のカメラや、しのぶたち水着のジョギング女を撮影しようと持参して来たデジカメを取り出し、5人の性奴たちに向けているものもいる。いずれもこの夢のような競艶から目を背けることも出来ず、立ち尽くしているのだ。
健一は背後に陣取った誠一の指先で、狭隘な肛門を嬲られながら、前に回したもう一方の手で若茎をしごきあげられている。健一の目の前には残酷なことに母親のしのぶが、37歳の年齢が信じられないほどの新鮮な裸身を赤沢他の男達に責め上げられていた。
「あ、ああっ、健一っ。お、お母さんを見ないでっ」
「母さんっ」
しのぶは血を分けた息子の前で男に責め抜かれるという究極の汚辱に狂い泣くが、その哀切な泣き声が健一を魅了し、自然に視線は母の裸身の上に引き付けられる。
(母さん……)
素っ裸で悶え抜く母親の、なんと蠱惑的なことか。女の羞恥の源泉まで堂々とばかりに息子の眼前に開帳しているしのぶ。ああっ、ああっという切なげなよがり声は否応無しに健一の耳を打つ。とめどなく流すしのぶの愛液はどこか懐かしさまで伴った甘酸っぱい香りを伝えてくる。
視覚、聴覚、嗅覚、触覚――あらゆる感覚から健一の官能は激しく刺激され、身体は熱く痺れたようになり、精を放ったばかりの肉塊は再び雄々しいまでに鎌首を持ち上げているのだ。
「どうだい、お母さんのヌードは。こんなに近くで見るのは初めてだろう」
誠一は両手を使って若い愛人を追い込みながら、言葉による刺激を続けている。
「そんなに楽しいのかい。いつもよりもチンチンを張り切らせているじゃないか」
健一は誠一の言葉が耳に入ってくるのを拒むように嫌々と首を振り、「母さんっ」と絶叫に似た声を上げる。
「け、健一っ」
しのぶもそれに応え、悲痛な声で息子の名を呼ぶ。
「おやおや、互いに名前を呼びながら、随分仲の良いことじゃないか」
しのぶを責めていた赤沢は吐き捨てるようにそう言うと、形の良い乳房をぐいと握り締める。
「あうっ」
乳房を握り潰される痛みに呻くしのぶ。肩先にかかった黒髪がしのぶの苦痛を伝えるようにゆらゆらと揺らめく。
「いっそこのまま母子でつるませてやろうか? ええ」
赤沢の言葉にしのぶは衝撃を受け、狂ったように首を振る。
「駄目よ、赤沢さん。気が殺がれるじゃないの」
朽木とともに貴美子を責め上げている香織が、赤沢をたしなめる。赤沢は頭をかいて頷くと少し熱の冷めたしのぶの肉体を中年の技巧で再び燃え上がらせて行く。
「あっ、ああっ……」
息子の目の前で女の本能を引きずり出されていく悲しみと、倒錯的な快感が次第にしのぶを狂わせる。しのぶは赤沢の愛撫に応えるようにくねくねと身を捩らせ、ぐいと頭をのけ反らせて求められるがままに赤沢と唇を合わせて行くのだ。
そんな母親の狂態に煽られるように健一も、少女のような滑らかな裸身を悶えさせ、半開きになった唇を誠一の唇に重ね、十分に舌を吸わせている。
「ほーら、やっと完成したわ」
貴美子の下腹部の前に座り込んで何やら作業をしていた香織と、同様に里佳子の前に座り込んでいた美樹が同時に顔を上げた。それと共に美しい姉妹の喉から絶望のうめき声が迸り出る。
「母娘3人並んで、そこんところを突き出すのよ」
香織と美樹は、貴美子と里佳子の若い尻をパン、パンと叩きながら飯島や仲間の男達に責め上げられている裕子の隣りに追い立てる。3人の美貌の母娘は2人の魔女に指図されるまま、そろって日本人離れした伸びやかな裸身を堂々とまでに晒すのだ。
「まあ、本当に良く似合うわ」
「大きさといい、形といいそっくりだわ」
「母娘ってこんなところまで似るものかしら」
香織と美樹はそう言うと手を叩いて笑い合う。
小椋家の3人の女達の羞恥の蕾にはそろって金の輪が嵌められ、そこに取り付けられた細い鎖が大きく開いた股間にだらりと垂れ下がっている。女にとって最も恥ずかしい部分を大股開きでこれみよがしに突き出すことを強要されている母娘は、究極の羞恥と汚辱に気が遠くなるのを感じながら、美麗な裸身をブルブルと小刻みに震わせているのだ。
「しかし、母親のそこのところだけがツルツルっていうのもおかしなものね」
裕子のその部分は「かおり」における剃毛ショーで、童女のように剃り上げられていたが、貴美子と里佳子のそれは未だ自然のままの趣を保っている。18歳の貴美子のそれは艶やかな若草に覆われ、すでに大人っぽい風情を見せているが、14歳の里佳子の萌え出したばかりのそれは、陰部がうっすらと透けて見えるほどの淡さである。一見無垢な外見を示している裕子のそれが、熟女らしい色合いの肉襞を覗かせているのが滑稽な印象を与えている。
「今晩にでも『かおり』で貴美子と里佳子の剃毛式を開催するわ」
香織が冷酷な笑みを口元に浮かべて宣告する。
「母親の裕子が2人の娘の陰毛を剃り上げ、お客様に買ってもらうっていうのはどうかしら?」
「それはいいわ。私もぜひ参加させていただくわ」
香織の言葉に美樹は手を叩いてはしゃぎだす。
「そ、そんな……許してください」
2人の女の恐ろしい会話を聞いた裕子は震え上がり、哀れっぽい声を上げる。
「駄目よ、許してあげない」
香織は薄笑いを浮かべると、小椋家の女たちの股間に垂れ下がった3本の細い鎖を手に取るとそのうち2本を握り、ぐいと引っ張る。
「あ、ああっ」
「ひいっ」
貴美子と里佳子の花蕾に取り付けられた鎖がピーンと張り、可憐な唇から同時に悲鳴が迸り出る。
「き、貴美子っ、里佳子っ」
女の急所を引き抜かれるような苦痛に悶える、愛する娘たちの姿に裕子はおろおろと声を上げる。
「面白そうね、私にもやらせて」
美樹は一本の鎖を香織から受け取ると「えいっ」と声を上げて引っ張る。途端に里佳子の下半身が電流に触れたように痙攣する。

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