第101話.崩壊への序曲(8)

貴美子にしても、A工野球部の佐藤や瀬尾に目をつけられたきっかけは、裕子がしのぶとともにA駅駅前で扇情的なバニーガール姿でティッシュを配っていたことだという思いがある。
もちろん裕子も好き好んで公園でオナニーをしたり、駅前でバニーガール姿になったのではないということは貴美子も里佳子も理解はしている。
しかし、それだけならともかく、2人の娘にとってどうにも許せないのは、彼女たちの父親である道夫に対する母の裏切りである。
いかに事情があったとはいえ、夫のいる身でありながら50人もの男たちに身を任すなど、2人には信じられないことだった。また、2人は母の裕子に対しては畏怖の交じった尊敬の念を抱いていたが、家族と接する時間が短く、その分接している時間には無条件の愛情を娘たちに注いでいた父親の道夫に対しては、肉親としての深い情愛を持っていたのだ。
その優しい父を母は裏切った。2人の裕子に対する尊敬の念が大きかっただけ、落ちた偶像へのやり切れなさもまた大きいといえる。
「娘たちにも愛想を尽かされちゃったみたいね。どうするの? 淫乱ママさん。ご主人はずっと家に帰っていないみたいだし、もう家庭は完全に崩壊しちゃっていると言ってもいいんじゃない?」
香織にそうからかわれた裕子は屈辱のあまり引き締まった裸身を小刻みに震わせている。
「あ、そうそう。すっかり忘れていたわ。さっきのクイズの回答だけど……」
香織は口元に残酷な笑みを浮かべる。
「ブーッ、不正解。正解は52人よ」
裕子は愕然とした表情を浮かべ、顔を上げる。
「そ、そんな……」
「残念だったな、ママさん」
飯島と美樹が哄笑しながら手に持った鎖を思い切り引っ張る。貴美子と里佳子のけたたましい叫び声が朝の公園に響き渡った。

5人の哀れな奴隷たちは、早朝の凌辱の仕上げに素っ裸のまま公園の中央に並ばされ、激しいオナニーを強制されていた。
向かって左から順に里佳子、貴美子、裕子、しのぶ、そして黒一点の健一が大きく股を開き、片手を勃起した乳首をこね回し、そしてもう一方の手で充血した女陰や屹立した陰茎をさすり上げている。
「ほらほら、愚図愚図していたらどんどんギャラリーが増えていくわよ」
香織は5人の前を行ったり来たりしながら叱咤の声を飛ばしている。香織の言う通りギャラリーは時を追うにつれて増え、公園の中にはすでに100人に近い人だかりが出来ている。ギャラリーは息を呑んでこの異様な光景に釘付けになり、何人かはデジタルカメラやカメラ付携帯を手にして、素っ裸の美男美女の痴態を収めている。
絶頂を極めたらとにかくこの羞恥地獄から解放され、黒田のミニバンの中に収容され全裸の身を隠すことが出来る――5人の奴隷たちは今はとにかくそれだけを願い、羞恥の極限とも言える全裸オナニーに身も心も耽溺させて行くのだ。
異様な熱気を示しているギャラリーの中に2人の少女の姿があった。世良香織の娘で中学1年の史織と、同じ学年で加藤香奈の友人でもある山崎留美である。
「言った通りでしょ、留美。どう思う? あの破廉恥な姿」
留美はあまりの恐ろしさに幼い身体を小刻みに震わせながらも、目の前に展開されている淫らな地獄絵図ともいうべき光景から目を離すことが出来ない。そんな留美の耳元に史織は妖しく囁きかけながら、そっと腰の回りに手を回し、抱くようにするのだ。

早朝から史織に呼び出された留美は戦々恐々としながら待ち合わせ場所の東公園に向かった。母親譲りの冷たい美貌と、酷薄な性格を持つ史織は中学1年ながら上級生さえも従える校内のリーダー的存在であり、史織に目をつけられることは全校生徒の苛めの標的になることを意味する。
香奈の予想に反して一人で待っていた史織は、このまま東公園でしばらく自分と一緒にいるように告げた。
「おもしろいことが起こるわよ」
さも楽しそうに告げる史織に不審の思いを抱きながら、言われるまま公園で待っていた留美はやがて驚くべき光景を目にするのだった。
裸同然のきわどいビキニと黒い革製のマスク姿の3人の女が、男たちに囲まれるようにして公園に走り込んで来たのである。
「あれは……」
留美の頭にすぐ浮かんだのは、駅前でいかがわしいバニーガール姿でティッシュを配っていた2人の熟女の姿である。
3人の中で最も長身で、かつモデルのような引き締まった体型に豊かな乳房と張り出したヒップの目立つ女性――それは、その時に見た熟女バニーガールの一人、東中PTA会長の小椋裕子と言われる女性にそっくりだった。
「誰だかわかったかしら?」
史織の問いに留美は小さく頷く。
「これからもっと驚くことがあるわよ。こっちへ来て」
公園の木の陰に姿を隠した史織は留美を近くに呼び寄せ、再び囁きかける。
その後の展開は史織の言葉どおり、驚くべきものだった。最初はビキニを外して黒革のマスク1枚の素っ裸になった3人の女達のオナニーショー。女達のマスクが外された時、留美は驚愕のあまりあっと声を上げそうになった。3人のうち若い女に見覚えはなかったが、一人は確かに学校の行事で何度か見かけた小椋裕子PTA会長に間違いなかったのである。
留美をさらに驚かせたのは3人の中に親友である加藤香奈の母親、しのぶの姿があったことである。
しのぶが裕子とともに駅前でバニーガールの扮装をしてティッシュを配っていた時は遠目で一瞬見ただけだったことと、しのぶがウィッグをつけ、化粧も濃かったことから何度も香奈の家に行きしのぶと会ったことがある留美もわからなかった。もちろん一緒にいた香奈はすぐに分かり、その場を立ち去ったのだが。
しかし今、化粧がほとんど取れた素顔に漆黒の地毛を露わにした姿のしのぶを、留美は見間違えることはなかった。
男たちの好奇の目に晒されながら男性器の写真を見つめ、ついにはエクスタシーに崩れ落ちるしのぶの姿を信じられない思いで見つめる留美をさらなる衝撃が襲う。東中屈指の美少年、美少女と言われる加藤健一と小椋里佳子がやはり素っ裸で縄を打たれて引き立てられて来たのである。
「お兄さん――」
親友の兄である健一は、留美にとって憧れの男性であった。その健一がガールフレンドという噂のあった里佳子とともに素っ裸で奴隷のように引き回されているのもショックだったが、留美にとっての最大の衝撃は、健一が母親のしのぶと向かい合わせにされ、韓流スターを思わせる美青年に責められながら、しのぶと同時に恥ずかしい絶頂に達し、勃起した陰茎の先端から白い樹液を噴き上げたことである。
「ああっ、け、健一っ!」
「お母さんっ!」
まるで恋人同士のように互いの名を呼び合いながら、ともに快楽を極めたしのぶと健一。しのぶが背後から乳房を揉み上げる赤沢に求められて唇を預けると、健一もそれを真似るように誠一に舌を吸わせる。美青年とうっとりと熱い接吻を交わしながら若々しい陰茎からピュッ、ピュッと断続的に雄汁をしたたらせる健一を、留美は呆然と見つめている。

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