団鬼六作品挿絵の世界 『肉体の賭け』(2)

『肉体の賭け』は白川も大好きな作品でして、特に立花久美子は、鬼六さんの全作品の中でもっとも好きな登場人物です。

『肉体の賭け』のヒロインは久美子の姉で、料亭『松風』の女将の立花絹代です。絹代ももちろん悪くないんですが、鬼六作品に登場するいわゆる鉄火娘(代表的なのは『花と蛇』の野島京子や『新妻地獄』の大月雅子)が大好きな白川は、どうしても久美子の方に惹かれてしまいます。

『肉体の賭け』は最初桃園書房から単行本化された時、なぜか連載の最終4話(13~16話)分がカットされた形で収録されていました。したがって単行本のラストは、いよいよこれから久美子が本格的な責めに遭うとことを暗示させる場面で終わっており、非常に欲求不満が昂じるものでした。白川もてっきり『肉体の賭け』はそれで終了と思っていたのですが、ある時古本屋で手にとった『SMファン』に単行本未収録箇所があるのを知った時は、驚いたというか狂喜したものです。

『肉体の賭け』で久美子が悪漢たちによってよってたかっていたぶられ、最後には「豆吊り」という淫虐な責めにかけられるシーンは、今読んでも官能が掻き立てられます。

『被虐の鉄火花』の、葉子に対する責めのシーンは、この『肉体の賭け』の久美子に対する責め場面に強い影響を受けていると思います。下の絵はいよいよ素っ裸にされた久美子が、ソープ嬢あがりの愛子と町子が待つ責め場へと引き立てられる場面です。

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