団鬼六作品挿絵の世界 『肉体の賭け』(3)

さて、ここで掲載している挿絵について少しばかり説明します。

『肉体の賭け』の挿絵担当は前田寿按氏です。同氏は『肉の顔役』などの鬼六作品だけでなく、千草忠夫や杉村春也作品などの挿絵を手かげている、SM小説挿絵の世界では代表的な絵師さんです。

『白虎仮面』などをてがけた漫画家の岡友彦の内弟子、といえば、随分畑違いの世界に転じたのだなという印象を受けますが、実はこの岡友彦氏は、後年「歌川大雅」の名前で成人漫画や絵物語、挿絵を手がけた人物でして、そう言われればなるほどと納得してしまうのです。

白川は個人的には、SM小説の挿絵画家の中で、もっとも構図に秀でた作家がこの前田寿按氏でないかと思います。大胆なアングルと誇張、そして流麗な描線は他の追随を許しません。白川のもっとも好きな挿絵画家は沖渉二さんなんですが、理想としては前田寿按氏の構図で、沖さんが描くことですね。

下の絵は久美子が、愛子と町子のコンビによって粘っこく同性愛の責めを受ける場面です。前田寿按氏の挿絵を、ほぼそのままPOSERを使って描いているのですが、こうして自分で制作してみると、元の絵の構図が非常に良く出来ていることが分かります。

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