38.姉と姉(2)

「み、皆様、いかがですか? お楽しみいただきましたでしょうか――」
京子と小夜子は涙で震える声をそろえてそういうと、深々と頭を下げる。
「私、ただいまショーを演じました野島美津子の姉の京子でございます」
「同じく、村瀬文夫の姉の小夜子でございます。よろしくお引き回しのほど、お願い致します」
ここで朱美の発案により、京子と小夜子は自分たちの妹と弟のショーの感想を語り合うことになる。
「さ、小夜子さん、今の若い二人の実演ショー、凄かったわね。私、身体が熱くなってきて困ったわ」
「そ、そうね、京子さん。素晴らしかったわ。私だって、思わずあそこが濡れてきてしまったわ」
「ま、まあ。エッチな小夜子さんね」
二人の美女は、気が狂いそうな破廉恥な台詞を強制されている。
「小夜子さんの弟さんって裸もきれいだけれど、立派なお、おチンチンをしているのね。大きさも、太さもす、素晴らしいわ。京子、美っちゃんがうらやましくなったわ」
「あ、あら。有り難う。私もあんなに逞しいおチンチンの弟を持って、姉として鼻が高いわ。でも、貴方の妹さんだって素晴らしいおマンコをお持ちじゃない?」
「え、ええ、美津子のおマンコはすごく締まりが良いって評判なのよ。でも、京子のおマンコだって決して妹には負けてないわよ」
「ま、まあ。すごく自信がおありなのね。小夜子だっておマンコ自慢なら負けないわ。あの静子夫人のものにも引けをとらないお道具だといわれているのよ」
「あら、そうなの? じゃ、じゃあ、小夜子さん、京子と勝負するお気持ちはおあり? どっちが良いお道具か、どっちが良い声で泣くか、お客様に決めてもらいましょうよ」
「そ、それは良い考えだわ。文夫や美津子さんには負けていられないものね。姉対姉のおマ○コ勝負といきましょう」
京子と小夜子がそこまで口上を終えると、再び奥座敷の襖が開き、銀子が素っ裸に縄がけをされた美津子を連れて入ってくる。その後から清次、五郎、三郎の三人がぞろぞろと金魚の糞のように連なってくる。
「み、美っちゃん!」
「姉さんっ!」
数日振りの再会を果たした姉妹は、互いに惨めな姿を認めるとわっと泣き出す。銀子は堅く縄がけされた美津子の裸身を京子に近づけ、見せつけるようにする。
「どう? 京子。美津子の裸、めっきり女らしくなったように見えない?」
美津子の肌のあちこちには赤いキスマークが記され、心なしかその裸身は銀子が言う通り処女の堅さが取れ、女らしい丸みを帯びて来ているように思える。京子はあまりの痛ましさにさっと目を逸らす。
「京子が春太郎さんと夏次郎さんに可愛がられてコンビの調教をお休みしている間、美津子はずっと清次さん達に三人がかりで愛されていたのよ」
銀子の言葉に清次達はヘラヘラ笑いながら、京子をからかう。
「じゃじゃ馬の京子姐さんと違って、美津子は素直だからな。今じゃすっかり俺達と仲良しになったぜ」
「俺の身体にしっかりしがみつきながら『ああ、三郎さん、美津子、どうしたらいいの』なんて可愛いことを言うんだから、たまらねえぜ」
「さっきも俺のモノを美味そうにおしゃぶりしながら、すっかり飲み干して来たところさ」
そんな清次達の一言一言に京子は、身体が切り裂かれるよう痛みを覚える。
「あんたの妹はすっかり成長したみたいね。京子も妹に負けないように頑張るのよ」
銀子はそう言いながら京子の耳を引っ張る。
「ちょうどいい。見物人が増えたところで、三々九度の固めの盃といこうじゃないか」
鬼源がそう言うと、朱美が赤ワインのボトルとシェイカー、そしてグラスを二つ取り出して悦子に声をかける。
「悦子、二人のスターのために特製のカクテルを作ってよ」
「えっ?」
魂の抜けたような表情で立っていた悦子は、はっと我に返ったように朱美を見る。
「何をぼおっとしているのよ」
朱美はテーブルの上に、マリが持ち込んだ文夫の白濁が入ったコップと、ワインボトル、そしてグラスを二つ並べて指さす。悦子はうなずくとワインの栓を開け、コップの中に注ぎ込む。
「なんだい、それは」
「文夫の……」
「へえ、そりゃあ傑作だ」
銀子と朱美が小声で言葉をかわし、くすくす笑い合う。
悦子は無言のままその液体をシェイカーの中に入れ、よく混ぜ合わせると二つのワイングラスに注ぎ込む。
「これでいいけど……もっと愛想よくしなさいよ。悦子だってショーに出演する可能性はあるのよ。ちっとは義子を見習いな」
「すみません」
銀子と朱美はそれぞれワイングラスを一つづつ手に取ると、京子と小夜子に近寄る。
「悦子、相変わらず元気がないわね。静子夫人が人工授精を受けてからずっとあんな風だわ」
「よっぽど静子夫人に惚れてたんやな」
マリと義子が小声でそんなことを話し合っている。
「このワインの中には、文夫がさっき出したばかりの精液が入っているのよ」
朱美の言葉に京子と小夜子の顔色がさっと変わる。
「お、弟はどうしているのですか」
「文夫がどうしているか? 本当に知りたい?」
朱美は不気味な笑みを浮かべながら小夜子に尋ねる。小夜子は何かおぞましい気配を感じながらも、文夫に対する心配がそれを上回り、こくりと頷く。
「あんたの夫の津村義雄さんと浮気の真っ最中よ。これは津村さんにお尻を可愛がられながら文夫がしたたらせたものよ」
「な、何ですって」
小夜子の美貌が怖いほどひきつる。
「要するに、小夜子と文夫は姉弟そろって、津村さんに処女を捧げたって訳よ」
朱美の言葉を聞いた美津子も、声にならない悲鳴を上げ、奥座敷の床の上に崩れ落ちる。
「そんなことで驚くのはまだ早いわよ。今夜は津村さんは、春太郎と夏次郎も交えて3人がかりで文夫にホモの悦びを徹底的にたたき込むつもりらしいわ。あんまり張り切り過ぎて、文夫が女を抱けない身体にならいように念を押したのだけど、成り行き次第ではどうなるか分からないわね」
「そ、そんな……」
小夜子は力無く首を振る。
「お願いです。そ、そんな恐ろしいことはやめてください。そんなことをされたら、弟は気が、気が狂ってしまいます」
「あら、弟さんの方はまんざらじゃなかったみたいだわよ。津村さんと熱いキッスを交わしながらびっくりするほどたくさん噴き出したのよ」
「そやな、意外と文夫もホモの気があったんと違うか。あれはどうみても嫌がっているというような雰囲気やなかったで」
マリと義子が口々にからかいの声を浴びせると、竹田と堀川、そして美津子を連れて来た清次、三郎、五郎といった若いチンピラたちがいっせいに笑声をあげる。
「お願いです、朱美さん。弟を――文夫さんをこれ以上惨い目に合わせるのはやめて」

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