それは短く揃えられた妻の陰毛です。下着越しには気づかなかったのですが、長さは2センチもありません。いつも妻はその部分については自然のままで、クンニリングスのときに口がジャリジャリするほどです。「一度剃ってみたら」などとふざけて言ったこともあるのですが、下着のことと同じで、笑って拒否されていました。
私の興奮は更に高まります。太腿の裏からふくらはぎ、足の指まで丁寧に口吻するといよいよ妻の女の部分を攻めます。始めは最も敏感な箇所は避けて周囲を攻めると、妻はさももどかしげに下肢をくねらせます。指をそっと妻の陰裂に差し入れてみると、そこはもうお湯が湧いたようになっています。
「今日はどうしたの? 随分感じているじゃないか」
「嫌……」
妻は恥ずかしげに顔をそらせます。
「おマンコはもうぐしょぐしょだよ」
私がわざと卑猥な言葉を囁くと、妻は「ああ、エッチなことを言わないで……」と溜息をつくようにいいます。
セックスに関しては淡白だと思っていた妻が、私の技巧で燃え上がっていると思い、ますます興奮は高まってきました。私は妻の股間に顔を埋めると、すっかり屹立を示しているクリトリスを吸い上げます。
「あっ、ああっ……」
妻は悲鳴をあげると両手で私の頭を押さえました。
情けない話ですが、この年まで私は妻をエクスタシーにまで導いたことがありません。
クリトリスを攻めることによってそれらしい状態にさせたことは何度かありますが、妻は本当の絶頂を極める前に「怖い……」といって私の行為を中断させます。かといって膣での行為は「痛い」という先入観があるためか、積極的ではありません。体位も「痛いのは嫌」ということでほとんど正常位だけです。もちろん騎乗位や後輩位も試したことはありますが、結合が深いと痛いらしく、嫌がるのです。
正常位のみのセックスはマンネリと化し、妻との行為は妻の肉体を使った自慰行為同然になっていました。刺激が少ないため、射精にまで持っていくのが大変なのです。私は頭の中で様々な卑猥なことを想像しながら、妻と交わっていました。
しかしその夜は妻の積極的な反応から、いつもとは違う体位を試してみようという気になっていました。そこでソープでよく行っていた騎乗位に再挑戦してみることにしました。
妻がすっかり潤ったのを確認した私は仰向けになり、妻を上に乗せ上げます。妻は「えっ?」と怪訝そうな表情をします。いつもはここで拒否されるのですが、私が妻の大き目のお尻に手をかけて上に導くようにすると、妻はさほど抵抗もせず、私と身体を合わせてきました。
私のモノは興奮のあまりすっかり硬直しています。筒先をあてがうと、妻はまるで自分で深さを確かめるようにゆっくりと呑み込んでいきます。
「あ、ああ……いい……」
妻がいつものような結合の深さによる痛みでなく、明らかに快感を訴えだしました。深々と私を呑み込んだ妻はお尻を円を描くように蠢かせていきます。
「気持ちいいか」
「うん……」
「どこが気持ちいい?」
「クリトリスと……おマンコが気持ちいい」
妻は小さいけれどはっきりした声で答えました。
私は行為の最中に、妻に卑猥なことを言わせるようにしたことが何度もありますが、妻はなかなかいおうとしませんでした。押し問答のようなやり取りを繰り返し、ようやく「……気持ちいい」と言わせるのが関の山で、「クリトリス」とか「オマンコ」といった卑語は滅多に口にしませんでした。
しかし今夜の妻は私の求めにあっさりと、自分からそんな卑語を口にし、そんな自分に煽られたように荒い息を立てています。私の興奮は益々高まりました。
「紀美子のオマンコに何が入っている?」
「ああ……あなたのオチンチン」
「ちゃんと、『紀美子のオマンコに、あなたのオチンチンが入っています』と言ってみろ」
「紀美子の……紀美子のオマンコに、あ、あなたのオチンチンが入っていますわ」
そういった途端妻は驚くほどの緊縮力を発揮し、私のものを締め上げてきました。
私は始めて味わう妻の奥深い感触に衝撃を受け、思わず射精しそうになるのをぐっとこらえました。妻の肉体がこれほどのものだったのか……私は今まで妻の何を知っていたのだろう。
「もっと、ギューッと締めてみろ」
「はい……」
妻は頷くと全身を弓のように反らせ、繰り返しその部分を収縮させます。その度に妻の口から「ぎゅーっ」「ぎゅーっ」という擬音語が洩れます。
「あ、あ……」
「イキそうか」
妻は無言でガクガクと頷きます。
「イクのならイクといってみろ」
「あ……ああ……イっちゃう、イっちゃうよ……」
妻はそう叫ぶと上体を倒して私に抱きつくと、全身を激しく痙攣させました。
なんとか射精をこらえた私は妻の身体が弛緩するのを待っていったん抜き、コンドームをつけて同じ体位で再び挿入しました。エクスタシーの余韻に浸っていた妻も、私が下からゆっくり突き上げるようにすると、たちまち淫らに腰を振り始めます。
「気持ちいいか?」
「はい……」
妻は子供のように素直に頷きます。
「紀美子のオマンコが気持ちいいです、と言ってみろ」
「いや……」
そこで私が激しく突き上げると妻は悲鳴をあげて「紀美子のオマンコが気持ちいいですっ」と答えます。
「あ……ああ……」
一度イったせいで敏感になっているのか、妻はたちまち頂上近くまで追い上げられます。再び強い収縮力を発揮しだした妻に、コンドームをつけてやや落ち着きを取り戻していた私のものも、限界近くまで追い込まれます。
しかし、妻の肉壷の素晴らしさはどういうことでしょう。ソープ嬢に金を払ってセックスをしてきたのが馬鹿馬鹿しくなるほどです。私はこれまでの妻との結婚生活でどうしてこんなことに気づかなかったんでしょうか。
「またイキそうか」
「イキそうッ……」
妻はそういうとまた私にしがみつき、全身をぶるぶる震えさせます。
私も妻の絶頂に合わせて緊張を解きます。私は自分のモノがまるで妻の身体の中に吸い上げられるような錯覚に、「ううっ」と情けない声を洩らしていました。
激しい行為が終了して、私はベッドの中で裸の妻を抱きながら、軽くキスをしていました。そのうちに興奮も収まり、パンティや陰毛のことが気になってきます。
「紀美子も随分お洒落な下着を穿くようになったんだね」
「ああ、あれ?」
紀美子は無邪気に微笑みます。
「あなたも下着にお洒落しなさい、っていっていたでしょう。最近のパンツはどれもローライズ気味で、今までのような下着じゃ駄目なの。だから多少値が張るけれど、少しずつ買うようにしているの」
何だか分かったようなわからないような理由です。
変身(3)

コメント