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50.姉と姉(14)

「ついでにケツの穴も見てもらうんや」
調子に乗った義子が京子の尻たぶを両手でぐいと開く。双臀の溝の奥深くに秘められた菊の花まで露骨に晒け出した京子は「ああっ!」と悲鳴を上げて、顔をのけ反らせる。
「駄目よ、京子さん、顔を逸らせちゃ。文夫さんの方をじっと見るのよ」
桂子はそう言って京子の髪を掴み、首をぐいと引き起こす。京子は涙に濡れた瞳を文夫に向け、自棄になったように口を開く。
「……ふ、文夫さん。京子のお尻の穴もよ、よく見て」
京子がそんな言葉を口にしたので、観客役のやくざやズベ公たちはどっと沸く。
「京子のここ、と、殿方を受け入れることが出来るようになったのよ。文夫さんも試してみる?」
血を吐くような思いで屈辱的な台詞を口にする京子。しかし、そんな京子の悲壮美ともいえる妖しい色気にあてられたのか、やがて文夫の股間の肉棒がムクムクと膨張し、鎌首を持ち上げ始めたので義子とマリはキャッ、キャッと手を叩いてはしゃぎ出す。
「やっぱりここのところは正直ね。このお坊ちゃんったら、澄ました顔をしているけど本音では姉妹丼をじっくり味わいたいみたいだわ」
「親子丼は聞いたことがあるけど、姉妹丼なんてのがあるんかいな」
「そんなことどうでもいいじゃない。とにかく文夫は美津子と京子のどちらが美味しいか、食べ比べをしたいってことよ」
マリと義子はそんなことを言って観客を笑わせる。
そんな風にズベ公たちにからかわれ、屈辱と羞恥に身体を震わせる文夫の姿から、小夜子は痛ましげに顔を逸らせる。
(ああ、文夫さん……)
このままでは文夫はいったいどこまで堕とされるのか――果てしなく続く汚辱の日々に文夫の心はいつしか無残な崩壊を遂げてしまうのではないか。小夜子は腹部を周期的に襲う鈍痛に耐えながらそんなことを考える。
小夜子は最近、自分が女奴隷としてある種の強さを身につけてきたような思いになることがある。それはいつか静子夫人に諭されたように、果てしなく続く日々の淫虐な調教の中で徐々に諦めと同時に開き直りのような気分になってきたせいかもしれない。
しかし文夫にはまだ、自らを奴隷と割り切れない若さと心の弱さがある。いったんとことんまで落ちないとかえって文夫は壊れてしまうのではないかと小夜子は危惧するのだ。
(いっそ、私が文夫さんに抱かれるべきではなかったか――)
小夜子はふとそんな思いに駆られる。姉と弟で畜生道まで落ちてしまえば、それ以上落ちることはないだろう。そこでかえって文夫はある種の強さを身につけることが出来るのではないか。
京子は妹の恋人である文夫をそこまで落としたくないと思い、自ら文夫に抱かれることを申し出たのだろう。しかし、中途半端な情けは文夫にとってむしろ仇になるのではないか――。
そこまで考えた小夜子はいつしか自分が無意識のうちに、文夫の屹立した肉棒をじっと見つめていたことに気づき、はっとして顔を逸らす。
(私はまさか――)
男としての文夫を求め始めてているのではないかと、小夜子は愕然とする。
(そんな、馬鹿な……)
姉と弟でおぞましいポルノショーのコンビの調教を受け、否応なしに弟というよりも、男としての文夫を意識させられるうちに、自分の気持ちがそんなふうに変化し始めたのではないか。
(それなら文夫さんに抱かれたいというのは、文夫さんのためではなく、私のエゴと欲望なのか――)
そんな懊悩と、浣腸によって込み上げる腹部の苦痛に顔を引きつらせる小夜子をよそに、桂子が楽しげに言い放つ。
「それじゃあ、お互いの気持ちが固まったみたいだから、京子と小夜子を解放してあげましょう。浣腸勝負は小夜子の勝ちってことでいいかしら」
小夜子に賭けていたやくざやズベ公たちの歓声と、それよりやや多い、京子に賭けていたものたちの野次が座敷に響く。葉桜団の銀子が「静かにしなっ!」と声を上げる。
「折角だから排泄の世話は、美津子と文夫にやらせましょう」
ようやく苦痛から解放されると安堵していた京子と小夜子の顔が、そんな桂子の言葉を聞いてさっと青ざめる。
「そいつはいいや」
五郎と三郎が美津子に、竹田と堀川が文夫に取り付き、縄を解き始める。猿轡も外され、身体の自由を得た美津子と文夫がそれぞれ、京子と小夜子の前に引き立てられる。
「それぞれの妹と弟に世話をさせた方がおもしろいでしょう」
桂子はそう言うと淫靡な笑みを浮かべる。
「桂子のやつ、すっかりサディスティンの役回りが嵌まっているじゃねえか。あれもあんたのお仕込みかい?」
川田は感心したように鬼源に尋ねるが、鬼源は笑いながら首を振る。
「簡単な科白の流れを教えただけで、後はほとんどアドリブだよ。あれは桂子の地だね」
「それじゃあ、もともとそっちの素質があったって訳か」
「そうだ。桂子はスターとしては静子夫人や小夜子のような華はないが、ああやってサディスティンの役をやらせるとぞくぞくするような色気がある。桂子はこれからはショーでは専ら責め手として使うつもりだ」
「客はとらせないのかい」
「もちろん取らせるさ。ああいったSの女に責められたいって男もまた、結構な数がいるもんだ」
「なるほど。森田組の品揃えも豊富になって来たもんだ」
川田が感心したように頷いた時、座敷の扉が開き、夏次郎がひょいと顔を出す。
「川田さん、折原夫人のお尻、準備完了よ」
「随分早いな」
川田は驚いて目を丸くする。
「私達の手にかかっちゃあっけないもんよ。30分ほど優しくねっとりとマッサージしてあげたら、折原夫人ったらすっかり素直になって、お尻の穴を可愛く収縮させてピンポン玉まで軽々と飲み込みほどになったわ」
夏次郎はそう言うと何かを思い出したようにクスクス笑う。
「吉沢さんがすっかりお待ち兼ねよ。早く来て頂戴」
「わかった。それじゃあ、博士夫人のケツの処女をいただくとするか」
川田は頷くと立ち上がり、気合を入れるように股間をパシンと叩き、やくざたちを笑わせる。
「こっちの成り行きも気になるが、後は鬼源さんと井上に任せるとするぜ」
「役得じゃねえか、早く行きな」
鬼源は笑って手を上げ川田を見送ると、夏次郎に声をかける。
「お前と春太郎はどうする? こっちを手伝うかい?」
「そうしたいんだけど、今日はさすがに疲れたわ」
「わかった。それなら休んでいいぜ」
それでも夏次郎は座敷の中の文夫の様子に興味があるのかしばらくの間覗いていたが、やがて鬼源に「それじゃ、お休みなさい。京子にしっかり頑張るように伝えてね」と言い残して立ち去る。
ようやく鈴縄の猿轡も外された美津子には五郎が、文夫には堀川が介添えをするように、ピンク色の子供用の便器を渡される。二人は便器の底に新聞紙を敷き詰めると京子と小夜子の双臀に押し当てさせられる。

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