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変身(6)

(8回?)
 次から次へと判明する衝撃の事実に、私は心臓が口から飛び出そうになりました。
「一晩で8回もイク淫乱人妻の紀美子は、3回イクくらいじゃ物足りないだろう」
「ハイ、一晩で8回もイク淫乱人妻の紀美子は、3回イクくらいじゃ物足りません」
「じゃあ何回イクんだ?」
「4回……」
「それくらいで許してやりたいところだが、今日はクリスマスイブだから特別に5回イカせてやる」
「そんな……今晩は家に帰らないと」
 妻の顔色が変わります。
(クリスマスイブの夜……何をしていただろうか?)
 確かその日も日帰り出張が入り、帰宅も深夜になっていたはずだ。タクシーで帰って来た私を、まだ起きていた妻は「世間はクリスマスイブなのに大変ね」といたわりながら迎えてくれました。
 しかし、それまで妻は男と会っていたのです。
 男と妻は何度か押し問答を繰り返した末、妻は諦めたように口を開きました。
「淫乱人妻の紀美子は今晩、5回イクことを誓います。ちゃんとイクまで帰さないでね、あなた」
「よし、その言葉を忘れるなよ。1回イク度にちゃんと数を数えるんだぞ」
「わかってますわ……」
 妻は頬を赤らめて答えます。

 私は耐え切れなくなり、メディアプレイヤーを停止させました。
(淫乱人妻……チンポ大好き……5回イク……)
 これが本当にあの清楚な妻の口から出た言葉でしょうか。妻に良く似た別人が出演しているAVを見たのではないでしょうか。
 しかし、今見た画像と音の鮮明さ──15年以上一緒に暮らした妻の顔と声を間違えるはずがありません。私はPCの液晶画面の前で頭を抱えてうずくまりました。
(やはり……最近の急激な妻の変貌は、男のせい……)
 急にお洒落になった妻、今まで見たこともない下着、髪形の変化──すべては男がいたからなのです。
(するとやはり……あのケジラミも……)
 私は震える手でマウスを操作し、「ビデオ」というフォルダの一番古いファイル「20040715」を開きました。
 いきなりベッドの上で大股開きになっている裸の女の姿が視界に飛び込んできました。女の股間にはタオルのようなものが置かれています。
「熱いー熱いわーー」
「我慢しろ」
 悲鳴のような声はやはり妻のものです。続いて男の叱咤するような声が聞こえます。
 パンツ一枚の男が画面に現れ、妻の股間からタオルを外します。男は片手にシェービングクリームの瓶と髭剃りを持っています。妻の陰毛は以前と同様自然のままですが、タオルで蒸らされたせいか、肌に張り付くようになっています。
 私は初めて男の姿を目にしました。黒縁の眼鏡をかけ額の上がったやや腹の出た中年男です。私より少し年上でしょうか。私には見覚えのない顔ですが、妻のパート先の上司だったとしても、PTAの父兄だったとしても、私は面識があるわけではありません。
 男はシェービングクリームの泡を妻の陰毛に吹き付けました。
「いやーーやっぱり。剃らないでーー」
「今さら何を言うんだ。さっき納得しただろう」
 男はそういうと妻の太腿をピシャリと叩きます。
「だってーーあの人に何ていったらーー」
「そんなことは自分で考えろ。かえって旦那も喜ぶかも知れんぞ」
 男は妻の言葉を無視して髭剃りを手に持ち、妻の陰毛をゆっくりと剃り上げていきます。
「ケジラミの治療はここの毛を全部剃るのが一番いいんだ」
「そんなーーあなたがうつしたんでしょう」
「だから俺が治療してやっているんじゃないか。ありがたく思え」
「こんなのいやーー」
 妻はそういってむずかるように尻を悶えさせます。
「馬鹿、動くと危ないじゃないか」
「だってーー」
「さっき誓ったことを忘れたのか? 健一さんの誕生日を祝って紀美子は赤ちゃんのような姿になります。あそこの毛もお尻の穴の周りの毛も全部剃って、健一さんにプレゼントしますと何度も誓っただろう」
「だってーーだってーー恥ずかしいーー」
 妻はいったんは覚悟したようですが、いざ剃られるとなるとよほど抵抗があるのか、必死で拒みます。
「そんなに暴れちゃあ剃れないじゃないか」
 男は焦れたようにそう言うと、いったん画面から姿を消します。
 再び現れた男は、ゼリーのような色をした棒を何本か手にしています。
「紀美子は今日は抱いてもらえないから拗ねているんだろう。今抱いたらお互いケジラミが治らないからな。その代わりにこれで可愛がってやろう」
 男は妻に大小さまざまな棒を見せつけます。
「いやーー」
 妻はさらに激しく抵抗します。
「じっとしていろ。いつものように一度イったら落ち着く」
「そんなこといってるんじゃないーー剃られるのが嫌なのーー」
 男はそう言うと妻の上半身に取り付き、うなじや乳房にチュッ、チュッと音を立てて接吻を注ぎ込みます。執拗な愛撫が続き妻はついに「あーん」と甘い声を上げ始めます。
「どうだ、気持ちいいか」
「き、気持ちいいーー」
 妻ははしたなく声を上げています。大股開きにされた妻の足は荷造り用の紐のようなものでベッドに固定されています。そんなあられもない姿のまま、夫以外の男に愛撫され、喜悦の声を上げているのです。
 男はゼリーのような色の太い棒で妻の股間をくすぐるようにします。
 よく見るとその棒の先端はペニスを模しており、柔軟性のある張り型だということが分かります。
「どうだ、にせチンポが欲しいか?」
「ほ、欲しいです……」
 妻はさも切なげな声を上げます。
「欲しければちゃんといつも教えているように言ってみろ」
「ハイ……」
 素直に返事をする妻。私は今見ている映像が現実のものだとはとても信じられません。
「エッチな人妻の紀美子に、にせチンポを下さいーー」
 散々じらされた妻は悲鳴のような声で張り型をねだります。思考停止のようになっている私は、さっきのビデオのように淫乱人妻といわなかったのはなぜだろうなどと、場違いなことを考えていました。
「今日からはこんな風に言ってみろ」
 男は妻の耳元に口を寄せます。

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