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65.地獄巡り(3)

「あ、ああ……気持ちいい。た、たまらないわっ」
「エッチなお姉さんね。こんなに濡らしちゃって。美津子、妹として恥ずかしいわ」
「い……意地悪言わないで」
その声を聞いた瞬間、久美子と美紀の顔が同時に恐ろしいほど強ばる。
(こ、この声は――)
久美子の耳に響く、込み上げる快感を訴えるような艶っぽい声――それは紛れもなく兄の婚約者であり、久美子が実の姉のように慕って来た野島京子のそれだった。
そしてその京子を責め立てる少女の、美紀がはっきり聞き覚えのあるその声は、村瀬文夫の恋人である野島美津子のものである。
「京子は今、美津子にお薬を塗られているところなのよ。といってもただのお薬じゃないわ。女の身体を内側から溶かして、あそこに逞しいものを入れて欲しくてたまらなくなるお薬よ」
マリがさも楽しげに久美子たちに解説する。
マリの言う通り、京子は妹である美津子の手でおぞましい薬液を身体の奥深くに塗り込められていた。美津子の指先はまるでピアニストのように微妙に動き、姉の最も敏感な箇所から湧き出る泉をたえまなく汲み出している。その京子のしたたりおちる愛液は、催淫性と掻痒性の薬液と交じり合い、京子の肉体をとろとろに溶かしていくのだった。
「文夫さんのお姉様と浮気するなんてひどいわ。美津子がたっぷりお仕置きしてあげる」
「ああ、美っちゃん、許して、お、お仕事なのよ――」
「あら、それじゃあ、小夜子お姉様のことは好きじゃあないの? 私の大切な文夫さんのお姉様を弄んだというのかしら?」
「そ、そんな――きょ、京子、いったいどうすればいいの?」
(文夫――小夜子――どういうこと? 何が起こっているの?)
姉妹の睦言のような会話を聞いている美紀の頭は千々に乱れる。美紀は直接会ったことはないが、京子は美津子の実の姉のはずである。両親がいない美津子の親代わりになり、名門の夕霧女子高校に通わせるために大学卒業後、危険だが報酬の良い探偵助手の仕事に就いた姉の京子のことを、美津子はいつも誇らしげに語っていたものだ。
その美津子が、まるで淫魔に魅入られたかのような変貌を見せ、尊敬していた姉を性的に責め立てている――美紀は目の前で繰り広げられている光景が現実のものだとは信じられないのだ。
美紀の心をさらにかき乱すのは、娘の小夜子と息子の文夫が、京子と美津子の姉妹同様の淫獄に引きずり込まれているらしいことだ。たった今聞いた京子と美津子の会話からは、少なくとも小夜子が京子と、なんらかのおぞましい契りを結ばされたことが想像出来るのだ。
レズビアンとかサッフォリズムという言葉があるように、美紀も女同士で愛し合う人間がいることくらいは知っている。しかし、内村という婚約者がいる小夜子も、文夫の恋人である美津子もそんな変質的な性欲をもっていたとは考えられない。
そんな美紀の当惑を見透かしたように、銀子が口を開く。
「美津子もこの屋敷に連れ込まれた時は汚れを知らぬ処女だったんだけど、毎日のように色々な調教を受けているうちに、すっかり変わってしまったのよ」
当初は、空手を使う勝ち気な姉の京子に比べ、妹の美津子はたおやかな美少女という印象があったのだが、姉譲りの芯の強さと若く新鮮な肉体は、マゾヒズムの悦びも感知すると同時に、男を翻弄する妖艶さを身につけるようになったと言うのだ。
また、京子との姉妹レズビアンプレイでは、むしろ京子をリードする奔放さも発揮し、未だに田代屋敷のサディスト達に完全に屈服することが出来ない京子をしばしば戸惑わせるのだと銀子は楽しげに語る。
「そんな――京子さんと美津子さんは実の姉妹のはず」
「そんなことはもちろんわかっているわよ」
あまりの恐ろしさに唇を震わせる美紀に、銀子があっさりと答える。
「ち、血のつながった姉妹にこんなことをさせるなんて」
「あら、血のつながった姉妹にやらせるからおもしろいんじゃない。姉弟だともっと面白いわよ」
冷酷な笑みを浮かべながらそう言う銀子に、美紀は頭を殴られたような衝撃を受ける。
部屋の中でそんなやり取りがなされていることなど夢にも思わない京子と美津子は、姉妹同士の妖しいプレイにすっかり没入している。
美津子はすっかり充血して陰裂の間から可憐な姿を見せている京子の野苺のような突起を指でつまみあげ、微妙にこねくり回す。
「クリトリスもビンビンにさせちゃって、はしたないと思わないの?」
「い、嫌――」
「こんなにお核が大きい姉がいるなんて、恥だわ、恥。美津子、恥ずかしくて世間に顔向けが出来ないわ」
「ああっ、許してっ、美津子」
京子は妹に許しを請うと、白いうなじを見せて首をのけぞらせる。
「ううっ……」
京子の身体を電流のような快感が貫き、たくましく実った太腿をブルブル震わせる。
「いきそうなの? お姉様。いくのはまだ早いわよ。今度はここを苛めてあげるわ」
「ああっ、そ、そんなっ」
美津子は片手を京子の太腿の間にくぐらせると、京子の豊満な双臀の間に秘められた微妙な箇所にまで薬液を塗り込んでいく。
「駄目よ、お姉さん。もっとお尻の穴を柔らかくしなくちゃ」
「嫌っ、美っちゃん。そ、そこは、辛いわっ」
「お姉さんは黒人をお尻で受け入れなきゃいけないんでしょ? ここをちゃんと広げておかないと大変よ」
美津子は2本の指を京子の肛門に深々と突き立て、ぐいと広げる。絹を裂くような京子の悲鳴にもかまわず、美津子はもう一方の指先で薬液を姉の直腸に流し込んでいくのだ。
妹の手で肛門を引き裂かれる苦痛と、注ぎ込まれる薬液のおぞましくも切ない感触に、京子は身体の芯まで痺れ切っていく。
「お姉さん、今度はこれを使うんですって」
美津子は表面に墨で黒々と文字が記された桐の箱を取り出す。
「『野島京子・調教用』ですって、傑作だわ。何が入っているのかしら……、まあ!」
美津子は箱の蓋を開けると、わざとらしく驚いた表情をして、二つの巨大な張り型を取り出す。
「お姉さんの大好きなものよ! 良かったわね。これでたっぷり楽しませてあげるわ」
美津子は、いずれ劣らぬ太さと長さをもつ一対の張り型を両手にもつ。
「だけど、どうして二つともこんなに大きいのかしら。普通は大きいのと小さいのの対になっているはずなのに……。お姉さん、どうしてかご存知?」
「そ、それは……」
京子は恥じらいながら口ごもる。
「いわないと葉桜団のお姉様達にお願いして『洗濯挟みの刑』にしてもらうわよっ」
美津子は姉の肉付きの良い尻をパシンと平手打ちする。
「ああっ、美、美っちゃん。そ、それだけはやめてっ」
「洗濯挟みの刑っていうのは、あたいたち葉桜団の私刑で、女の最も敏感な肉の蕾を洗濯挟みではさんで、一晩中吊り上げっぱなしにしておくというもんや」
義子が喜々とした表情で三人の美女に説明する。
「そういえば京子は鬼源さんから「イタリア式」の調教を受ける時に反抗して、洗濯挟みの刑を受けたことがあったわね」
「あった、あった。あの時はさすがの京子も許して、許してって子供みたいに泣き喚いてたわ」
そう言って銀子と義子は笑い合う。

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