125.窮地に立つ久美子(5)

 太腿の根元に縄をかけられているせいか久美子の秘奥は心持ちくつろげられたようになり、美麗な花襞までくっきりと覗かせている。薄い鞘に包まれたやや大きめの花芯はまるでそれが久美子自身の心の裡を表すかのように毅然とした姿を示す一方で、どこか羞恥と恐怖に微かに震えているようにも見える。
「なかなか素晴らしいポーズにされたじゃないの、久美子。処女のおマンコを丸出しにしたぜひ感想を聞かせて欲しいわ」
「可愛いお核まで突き出して、恥ずかしくないんかいな」
マリと義子は久美子の露骨なポーズを指さし、笑い合う。
「昨日の辛子責めのせいか、ちょっと腫れぼったいようだな」
鬼源はそう言いながら久美子の秘奥を覗き込むようにする。
「しかしまあ大したことはねえだろう」
鬼源は久美子の恥丘をポンと叩くと天井に取り付けられた滑車を操作する。久美子の股間のあたりに滑車から縄が垂れ下がって来るが、その先には細いテグス糸のようなものが取り付けられている。
「この糸を何に使うか分かるかい、お嬢さん」
川田がニヤニヤ笑いながら久美子に尋ねる。久美子は不安と恐怖に顔を引きつらせながら左右に首を振る。
「お嬢さんのお豆にこの糸をくくりつけて、思いっきり引っ張り上げようっていうのさ」
そんな川田の残酷な言葉を聞かされた久美子は、まるで死刑の宣告を受けたような愕然とした表情になる。
「葉桜団のズベ公たちの間で行われているもんで、なんでも仲間の男を寝取った女に行う、私刑の中ではもっともきついものらしい」
「あたいたちがいる前でズベ公ってのは随分じゃない? 川田さん」
マリが口を尖らせて抗議する。
「でも、川田さんのいう通りよ。あたいたちはテグス糸じゃなくて洗濯バサミを使うので、洗濯バサミの刑といってるけどね」
「どっちにしても、この刑にかけられたらどんなに気が強い女でもヒイヒイ泣き出して許しを乞うんや」
マリと義子がさも楽しげに、久美子にそんな風に交互に吹き込んで行く。
「どう、お嬢さん。さすがのあたいたちも、いくらなんでも素人のお嬢さんを女の子の急所を糸で縛り上げて吊り上げるなんていう惨い責めにかけたくはないわ」
「今からでもあたいたちに協力して、お兄さんをおびき出してくれへんか? そうしたらすぐにこのベッドから降ろして、檻の中で休ませてあげるで」
「だ、誰がそんなことに協力するもんですかっ」
久美子はマリと義子を代わる代わる睨みつけて、そう吐き捨てるように言う。
「ふん、それならしょうがないわ。予定どおり仕置きにかけるけど、いいわね?」
マリがニヤニヤ笑いながら久美子の臍の下あたりをポン、ポンと叩く。
「し、仕置きでもなんでも、かけたければかければいいでしょう。か、覚悟はできているわっ」
「ふん、勇ましいこっちゃ。その強気がいつまで続くか、楽しみにしてるわ」
義子は憎々しげにそう言うと、川田の方を見る。
「川田さん、さっさと仕置きをはじめまひょ。このお嬢さん、覚悟は出来てるて言うてるのよ」
「まあ、そう慌てるな」
川田が笑いながら田代と森田を振り返る。
「このお嬢さん、随分気が立っているようですから、このまま責めにかけるよりは一度じっくり可愛がって、いい気持ちにさせてやろうと思うんですが」
「面白いな。いい酒の肴になるからやってみろ」
田代はニヤニヤ笑いながら頷く。
「いえ、ここは社長と親分に一肌脱いでいただきたいんで」
「俺と社長にだって?」
森田は怪訝な表情で田代と顔を見合わせる。
「お二人はいつも見物ばかりですから、たまにはどうですかい? こんな風に新鮮な処女をいたぶる機会ってのもなかなかないと思うんですが」
「そう言われればそうだな」
川田の言葉に田代は頷く。
「面白い。親分、久々に恥をかいてみようじゃないか」
「社長がそうおっしゃるなら」
田代が声をかけると、森田も満更ではないといった顔付きで頷く。
「お嬢さんの処女膜は破らないようにしてくださいよ」
「わかってる。商品の価値を自分から下げるもんか」
森田は笑いながらそう言うと、久美子が寝かされているベッドに近づき、青竹に縛られた下肢を掌でそっと撫でる。
一方、田代は久美子の上半身に回ると、柔らかい乳房を両手で包み込むようにする。
兄が追って来た憎き誘拐犯の首領である田代と森田によって、この身を同時にいたぶられる苦しさ――久美子は形の良い眉をしかめ、必死で屈辱に耐えようとするのだ。
森田は久美子の片肢を手繰り寄せるようにすると、その足の裏に口吻を施す。思いもよらぬ場所に中年男の舌の感触を知覚した久美子は、激しい羞恥と嫌悪感に「嫌っ!」と声を上げ、必死で身体を揺さぶる。
そんな久美子の抵抗に森田は声を荒げることもなく、足裏に丹念に舌を這わせ続ける。一方田代は、堅く縛り上げられた久美子の脇の辺りに口吻する。
「ひっ!」
中年男二人のねっとりした愛撫を受ける久美子は、まるで身体中を蛭が這い回るような不快感を覚えている。嫌悪に身を震わせている久美子の様子を、マリと義子はホームバーのテーブルに腰をかけながらさも楽しげに見守っている。
久美子の腋の下をくすぐるように嘗め上げていた田代は、次に久美子の項から胸元にへと攻撃の対象を移す。一方の森田は、久美子の足の指の一本一本をチュッ、チュッと音を立ててしゃぶり上げ始める。
「い、嫌っ! 何をするのっ! もう、いい加減にしてっ!」
久美子はそう叫ぶと、むずがるように身体を揺さぶる。
「まだ感じて来ないのかい、お嬢さん」
「こ、こんなおかしなことをされて感じるはずがないじゃないっ!」
久美子がそんな言葉を口走ったので川田と鬼源、そしてマリと義子は声を上げて笑い出す。
「感じないのかい、おかしいな、お嬢さんは不感症なのかな」
「ば、馬鹿なっ……」
久美子は思わずそう言うと、はっと口を噤む。
「あ、あなたたちが静子夫人や小夜子さんの誘拐の主犯なんでしょうっ! こ、こんなことがいつまで続くと思っているのっ。これ以上罪を重ねる前に潔くじ、自首しなさいっ!」
「なかなか威勢がいいじゃないか」
田代と森田は顔を見合わせ、さもおかしそうに笑う。
「自首するとお嬢さんのお兄さん、名探偵の山崎氏の顔をつぶすことにならないかな。山崎探偵は自分のところに持ち込まれる警察には届けられないような事件、つまりは今回の遠山家の令嬢の不行跡のようなものを解決することによってその名前を高めて来たんだろう?」
そんな田代の言葉に久美子ははっとした表情になる。
「そ、そんな兄の体面よりも、ことよりここにいる女性の方が大事よ」
「そうかな? 本音では村瀬宝石店の社長夫人や千原流の家元夫人まで囮にしながら、我々の居場所を突き止めることが出来なかったお兄さんの失態が気になるだけなんじゃないか」

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