(岩崎一家などという巨大な組織に立ち向かうなんて、自分も兄も身の程知らずだったんだ。力を過信して、村瀬宝石店や千原流華道の奥様まで地獄に落とした自分たち兄妹は、それなりの制裁を受けるべきなんだわ――)
(それがたとえ、おぞましい秘密映画や実演ショーのスターになることだとしても、死一等を免じられたことを感謝して甘んじて受けるべきなのだ。それが兄と私の運命なんだわ――)
それはすべて悩乱の極致の中でマリと義子によって吹き込まれた、森田組や葉桜団にとって都合のよい理屈だったが、女の誇りを微塵に打ち砕かれ、姫輪責めと山芋責めという極限の拷問の連続に精神の崩壊寸前で喘ぐ久美子は、甘い敗北感の中でまるで洗脳されるようにそんな不条理を受け入れ、自らの意志と錯覚していくのだった。
久美子がこれまでの頑なな反抗心をかなぐり捨て、すっかり素直になったのを確認したマリは、義子と顔を見合わせて頷き合う。
「それじゃあ本番よ。テープを回すから、田代社長と森田親分に向かって服従を誓うのよ、良いわね?」
「は、はい。わかりました」
久美子はマリの言葉にはっきり頷くと潤んだ瞳を田代と森田に向ける。その瞳にこれまでの久美子には見られなかった、ぞっとするほどの妖艶さを感じた田代と森田は同時に会心の笑みを浮かべ合う。
川田がテープのスイッチを押し、手に持ったマイクを久美子の口元に近づける。久美子は口を開くと「た、田代社長様……森田親分様」と甘えるような声音で語りかける。
「やり直しっ!」
義子は久美子を怒鳴りつけるとテープを止める。久美子は脅えたように裸身をびくっと震わせる。
「もっと大きな声を出さんかいっ! それに仕草にお色気がまだまだ足らん」
義子はそう言いながら久美子のヒップをパシッと平手打ちする。
「真面目にやらんとさっきの薬を身体中に塗り付けたるで」
「い、嫌……そ、それだけは……おっしゃる通りに致しますから……」
久美子はすっかり脅えて、涙まで浮かべながら義子に哀願する。空手を使う気の強い久美子をここまで惨めに追い込んだことに胸のすくような痛快さを覚えた義子とマリは顔を見合わせてほほ笑み合う。
「それならちゃんとやるんや。もう一回テープを回すで」
「は、はい……」
久美子は頷くと、再び田代と森田の方を向く。川田が再びテープレコーダーのスイッチを入れる。久美子は口元に微妙な笑みさえ浮かべながら、腰部をゆっくりとくねらせ始める。
「ねえ、田代社長様、森田親分様……見て……久美子の羞かしいところをはっきりとご覧になって……」
久美子がそんな淫らな言葉を口にしたので、田代と森田もさすがに驚いた表情になる。
「社長様、親分様……久美子はこれまで、兄の山崎ともども、お二人に大変なご迷惑、およびご心配をおかけし、誠に申し訳ございませんでした……こ、心よりお詫び致しますわ」
そう言いながら久美子はゆらゆらと腰部を揺らす。久美子のそんな艶っぽい仕草にも、これまではなかった見るものをどぎまぎさせるような色気を感じさせるのだ。
「その償いとして――久美子は、も、森田組所有の……女奴隷として一生懸命働きます。親分様や組の皆様、また、葉桜団の皆様のお言いつけに従い、森田組製作のポルノ映画や実演ショーにも、よ、喜んで出演することを誓いますわ」
「そいつは良い心掛けだ。なあ、親分」
田代が森田に笑いかける。
「まったくでさあ」
森田もまた相好を崩すが、すぐにわざと厳しい顔付になる。
「しかし女奴隷になると一口に言っても、そのための調教は厳しいぜ。お嬢さんが今までやってきた空手の修行とは比べ物にならないくらいな。そのことがわかっているのかい」
「わ、わかっておりますわ。ですからその手初めとしてこうして、ひ、姫輪責めと山芋責めという、つ、辛いお仕置きを受けているんじゃないですか」
久美子はそうため息を吐くように言うと、もう一度くなくなと腰部をくねらせる。
「ね、ねえ……社長様、親分様……もっと近くに寄って、久美子の一番羞かしいところをよくご覧になって」
まるで人が代わったような久美子の仕草に、田代と森田は思わず身を乗り出し、大きく開かれた久美子の秘所を覗き込む。
糸で吊り上げられた久美子の肉片は二人の中年男のギラギラした視線を浴びて、まるで恥じらうように真っ赤に充血し、フルフルといじらしく震えている。
また、太腿の付け根にかけられた縄のため心持ち開いた久美子の秘唇から覗いている美麗なピンク色の花襞は、キラキラと朝露のような滴を光らせており、久美子が明らかに露出の快感を覚えていることを示している。
その下部の、双臀の狭間に秘められた菊花も今やはっきりとその姿を現し。激しい痒みのせいか花芯の震えと合わせるようにピクピクと蠢いている様はまるでそれ自身が生き物のようである。
「ねえ、ねえ……」
女として最も羞かしい姿勢を取らされながら男二人に視線を浴びている久美子はむずがるような声を上げる。
「ご覧になっているだけじゃ嫌ですわ。久美子の羞かしい所に悪戯してくださらない? ねえ……社長様、親分様」
田代と森田はそんな妖しい誘惑に引き込まれるように、同時に久美子の秘奥に手を伸ばす。
「ああっ!」
田代の指先が久美子の花芯を摘み、やわやわと揉み上げる。身体に電流が走るような衝撃を知覚した久美子は激しく双臀を震わせる。
「うっ、ううっ!」
すかさず森田の指先が久美子の双臀に秘められた秘孔をえぐる。久美子は断続的に臀肉をブルブル震わせながら、狭隘な菊蕾で森田の指先を食いしめる。
「なかなか良い反応じゃないか。親分」
「まったくでさ。こりゃあこの先が頼もしいや」
田代と森田がそんなことを言いながら満足げに笑い合う。久美子は二人の男に淫らな悪戯を施されながら、高まるばかりの激烈な痒みにひたすら耐えており、そんな揶揄の声も耳に入らない。
「ああ――は、早くなんとかして」
むずがるように身体を悶えさせる久美子に、マリがさも楽しげに話しかける。
「そんなに痒いの? 久美子」
「か、痒い……痒いわ――こ、このままじゃ気がおかしくなってしまいます」
「それじゃあ今度はこんなふうに言うのよ。うまく言えたら痒みを鎮めてあげるわ」
「わ、わかりました。言いますから早く痒みを――」
久美子はぐっと頭を逸らせると、まるで自らの意志を失った人形のように、マリに強いられた言葉を口にする。
「ね、ねえ……社長様、親分様――久美子の、久美子のおマンコを開いて、奥の奥までよく調べて――」
久美子が羞恥に顔を真っ赤に染めながらそんな言葉を吐くと、花芯と菊蕾をいたぶっている田代と森田はさも楽しげに唇を歪める。
130.無条件降伏(2)

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