161.敗北の兄妹(1)

 そんなダミヤの凄絶なまでの悶え振りを見せつけられている山崎の肉棒は、朱美に巧みに責め上げられてこれが限界ともいうべき膨張ぶりを見せている。
山崎がもはや自失を覚悟したところで朱美はさっと愛撫の手を引き、ぐっと上がった睾丸を熱を冷ますように手のひらで転がす。そしてまた屹立が降下を見せる直前で責めを再開する。
そんな絶妙な「寸止め責め」に、山崎はすっかり翻弄されている。
「そろそろ仕上げてやるよ」
朱美はニヤリと笑うと山崎を本格的に追い込むべく責めのピッチを上げる。下半身が電流に触れたように震え、猿轡の下で「ううっ!」とくぐもった声がすると同時に、山崎の肉棒はびくびくと脈打ちながらその先端から驚くほど大量の精を噴き上げるのだった。
「あーあ、敵の女に扱かれて精を吹き出すなんて、名探偵も台なしだね」
山崎の無残な姿を眺めながら朱美があざ笑うようにそう言うと、男たちはどっと笑いこける。
「それにしても盛大に噴き出したもんだね。よっぽど溜っていたんだね」
銀子も床をべっとり濡らした山崎の精を見ながら笑う。
「美紀夫人や絹代夫人や、久美子の居所を探ろうと一生懸命頑張って、自分で抜く時間もなかったようだね。その努力が報いられなくてお気の毒だこと」
「それと、この分じゃ金髪の別嬪さんとも何もなかったみたいだね」
銀子と朱美はそう言って口々に山崎をからかう。
「男を責めるのはあんまり興味が湧かねえが、ずっと森田組に敵対して来た山崎に恥をかかせることが出来たってのはなかなか痛快だぜ」
川田がダミヤに対する責めの手を止め、そう言うと吉沢も同意するように「まったく、これで胸のつかえが下りたぜ」と満足そうにうなずく。
一方、ダミヤはもはや山崎の惨めな姿も目に入らないようで、激しい排泄欲求に苛まれながら「ああ……お願い……おトイレに……おトイレに行かせて」とうわ言のようにつぶやいている。
「そろそろこちらお金髪のご夫人は限界みてえだぜ。出させてやっちゃあどうだい」
森田が川田に声をかけると、川田は「へえ」と頷き、ダミヤの背後に回って栓の空気を抜こうとする。
「お待ちよ」
銀子が川田を制止する。
「どうした、銀子」
森田が問いかけると銀子は「せっかくおもしろい仕掛けをしたんだから、あっさり解放するのはもったいないよ。この機会に新入り奴隷を徹底的に追い込んでやるんだ。森田組と葉桜団に反抗しようなんて気を起こさせないようにね」
銀子は悪魔的な笑みを浮かべると、床に座り込んで震えている久美子に「お兄さんの汚れたものをきれいにしてやるんだ。唇と舌を使ってね」と命令する。
「そ、そんな……」
愕然と顔を上げる久美子に銀子は「早くしないとそこのフランス女はずっと苦しみ続けるんだよ」と声を荒げる。
「でも……」
「久美子はもう覚悟は決めてるんじゃなかったのかい。愚図愚図するんじゃないよっ」
そう決めつけられた久美子はすべてを諦めたような表情で兄の山崎の足元ににじり寄る。
「お、お兄さん、ごめんなさい……」
久美子は兄の視線を避けるように顔を逸らせてそう呟くと、形の良い唇をそっと兄の肉棒の先端に当てる。
独特の青臭い臭気が久美子の鼻孔を刺激する。山崎は「やめろ」と言うかのように必死で首を振り、腰部を捩らせるが、身体をしっかりと固定されているためはかばかしい抵抗は出来ない。
久美子は次に思い切って唇を開き、亀頭のあたりをくわえ込む。途端に兄のそれを汚していた精の残滓が久美子の口の中に広がる。
(ああ……な、なんてことを……)
初めて口唇で受け入れた男のものが、血を分けた兄のそれだなんて――久美子は血も凍るような背徳感に苛まれながらも必死で心を無にして、銀子に強いられた汚辱の行為を続ける。
ようやく、どうにか汚れを拭い去った久美子は兄のそれから口を離し、「これでいいでしょう」というように銀子を見上げるが、銀子は「まだまだ、そのまま続けるのよ」と首を振る。
「どうだい、探偵さん。可愛い妹にしゃぶられる気分は。そんなに悪いもんでもないだろう」
銀子は顔をしかめ、首を振る山崎をさも楽しげに眺めながらそう声をかける。
「あんなに溜っていたんだから、一度出したくらいじゃあ物足りないだろう。そのまま妹の口の中に出すんだよ」
山崎は愕然とした表情を銀子に向ける。
「そんな顔をしたって駄目だよ。探偵さんが素直に妹の口の中に出すまでは、金髪の別嬪さんは排泄させてやらないよ」
銀子の邪悪な企みに激しい衝撃を受けた久美子は思わず山崎の肉棒から口を離し、嫌々をするように首を振る。
「口を離しちゃ駄目だって言っただろう。お兄さんが絞り出すまで続けるんだ」
銀子は厳しい声音で久美子を叱咤する。
「で、でも……そんなっ」
「いまさら何をためらっているんだい。久美子はお兄さんを森田組の奴隷にすることを納得したんだろう。愚図愚図言わずにさっさとやるんだよっ」
銀子はそう決めつけると久美子の頬をいきなり平手打ちする。その徹底したサディスティン振りに、田代と森田も舌を巻く。
「俺も親分も相当なもんだと思うが、銀子には足元にも及ばないな」
「まったくですな、社長。女は怖いや」
田代と森田は苦笑を交わしながら肩を竦めるのだった。
シクシクとすすり泣く久美子の声に、ダミヤの引きつった悲鳴がかぶさる。
「お、お願いっ……おトイレへ……ああっ、も、もう気が狂いそうだわ」
もはや周りで起きていることなど目に入らないかのように切羽詰まっているダミヤは、身体の中から腹を突き刺すような苦痛をうわ言のように訴えている。
「そんなに苦しいのかい、ええ、金髪の別嬪さん」
「折角だから、腹に溜まったものが全部吐き出せるように、マッサージしてやろうじゃねえか」
そんなダミヤに川田と吉沢が取り付き、その滑らかな腹部を揉み上げるようにする。
「やめてっ! お、お腹を揉まないでっ! ああっ、い、いつになったらトイレに行かせてくれるのよっ!」
ダミヤがむずがるように裸身をくねらせ、そんなことを口走ったので田代と森田は顔を見合わせて笑いこける。
「ほらほら、早くお兄様に射精させないと、金髪のご婦人の気がおかしくなっちゃうよ」
朱美がケラケラ笑いながら久美子の頭をポン、ポンと叩く。
「ゆ、許してっ――お兄さん」
追い詰められた久美子は諦めたように口を開き、兄の肉棒を咥える。気が遠くなるような背徳感と懸命に戦いながら、久美子は唇と舌による愛撫を開始する。
「ううっ……」
山崎が顔を苦しげにしかめる。腰をねじって妹の舌先を避けようとするが、自分が再び恥を晒さなければダミヤの苦痛は解消されない――そんなジレンマに山崎は文字どおり身悶えしながら苦しんでいるのだ。

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