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233.奴隷のお披露目(33)

「ふうん、何だか因果な性分ですね」
お桂がため息をつくように言う。
土蔵の中のお小夜と文之助は、互いに裸の上半身を擦りつけ、唾液まですすり合うような熱烈な接吻を交わしていくうちに、徐々にその顔は上気し、艶やかな肌はじっとりと汗ばんでくるのだった。
お春とお夏はそんなお小夜と文之助の様子にすっかり眼を奪われていたが、鬼源の「おい、そろそろお坊ちゃんの下穿きを脱がせてやんな」という声にはっと我に返る。
「わかったわ」
お春とお夏はいそいそと文之助に近寄り、その下穿きに手をかける。
「何をする。やめろ。やめぬかっ」
「静かにおしよ。お坊ちゃん」
「こうなったら武家の男の子らしく、堂々とするのよ」
お春とお夏は狼狽して下半身を捩らせる文之助にからかいの言葉を浴びせながら、その下穿きの結び目を解いていく。
「ああっ」
ついに文之助は素っ裸にされる。文之助の股間の逸物がすでに十分熱を帯び、半屹ちの状態にあることに気づいたお春とお夏は、顔を見合わせてぷっと吹き出す。
「何よ。ちゃっかり立たせているじゃない」
「お姉ちゃんと乳繰り合って、興奮しちゃったのかしら」
お春とお夏はそんなことを言いながら文之助の熱気を帯びた肉棒を交互に握ったり、さすったりする。恥ずかしい欲望の高まりを指摘された文之助は口惜しげに唇を噛み、陰間女郎たちの弄虐に必死に耐えている。
「いい加減にしな。そこんところを嬲るのはお小夜の仕事だぜ」
弟に対する淫虐な責めを見た衝撃に抗議の言葉さえ失っていたお小夜は、鬼源の言葉にはっと我に返る。
「さあ、お小夜。弟の大事なところを可愛がってやるんだ」
髭だらけの顔を近づけて来る鬼源から顔を逸らせながら、お小夜は「そ、そのようなことまでするのですか。これはお芝居であるとおっしゃられたではないですか」と抗いの声を上げる。
「何を勘違いしてやがる」
鬼源はゲラゲラ笑いながらお小夜の尻をピシャリと叩く。
「何も、弟の魔羅を咥え込めと言ってるんじゃねえんだ。お前さんのむっちりした太腿を使って可愛がってやりゃあいいんだ」
鬼源はそう言うと「さ、始めな」とお小夜の尻を再び叩く。
「ここんところを使って、弟の魔羅を優しくくすぐってあげるのよ」
「それくらいのことは出来るでしょう」
お春とお夏はそう言ってクスクス笑いながら、お小夜の太腿を淫靡な手つきで撫でさする。
「ふ、文之助、許して、許して下さい」
しばらくためらっていたお小夜は、やがて悲痛な表情を文之助に向けると、右足の膝を文之助の肢の間に繰り込ませるようにして、片腿を上げていく。
お小夜の真っ白な太腿が露わになり、土蔵の壁の隙間から中を覗いていた津村は「おおっ」と声を上げる。
「静かにして下さいよ、旦那。気づかれるじゃないですか」
お桂が津村をたしなめる。
「すまん。お小夜の太腿があまりに色っぽかったから、つい声を出してしまったのだ」
「あたしの前でそんなことをぬけぬけとよく言いますよ」
お桂が呆れたような声を出した時、文之助が「あっ」と狼狽の声を上げる。
「文之助、許して……ああ……こんなことをする姉を許して下さい」
お小夜はあまりの屈辱にすすり泣きながら、太腿をゆっくりと前後させる。姉の滑らかな腿肉で愛撫されている文之助のその部分は、ますます効果の度合いを増していく。
「ああっ。姉上。お、お許し下さい」
姉の太腿で最も敏感な箇所を愛撫される妖しい感触に、文之助は切羽詰まったような声を上げる。はっきりと昂ぶりを見せている文之助の鈴口からは先走りの露があふれ出し、お小夜の太腿をしとどに濡らしていく。
「二人ともそんな風に苦しそうな顔をしていると見ている方がしらけちまうぜ。お前たちは互いに惚れ合った役を演じているんだから、もっと楽しそうにやらねえか」
鬼源からそんな無理難題を吹っかけられたお小夜と文之助は、どうしたらよいか分からずシクシクと泣き続ける。
「おめえたち、二人にちょっと演技を付けてやんな」
そう鬼源に命じられたお春とお夏は、嬉々として立ち上がるとお小夜と文之助の方に向かう。お春がお小夜の、お夏が文之助の背後に回ると二人の耳元に何ごとか吹き込み始める。
「ああ……そんな……」
お小夜が真っ赤な顔をして首を振る。お春はそんなお小夜に「それくらいのことを言えないでどうするの。二人で女郎と陰間になって店に出たいっていうの」と言い、腰巻きの上からぴしゃりと尻を叩く。
文之助もまたお夏から吹き込まれた言葉を振り払うかのように苦しげに首を振る。お夏は「あんたも武士の子でしょう。こうなったら度胸を決めて堂々と演じるのよ」と言って文之助の尻をパシッと叩く。
「さ、始めるのよ」
お春に催促されたお小夜は太腿でゆっくりと文之助を愛撫しつつも、恥ずかしさのあまり顔を逸らしながら「ふ、文之助」と呼びかける。
「相手の名前を呼ぶのに、どうして顔を逸らすのよ。やり直し」
お春に再びピシャリと尻を叩かれたお小夜は、文之助に顔を向ける。
「文之助、お、お小夜の身体でこのように堅くしてくれたのですね。ああ……お小夜は嬉しいです」
黒目がちの瞳を潤ませながらそんな風に弟に呼びかけるお小夜。文之助もまたお小夜の顔をしっかり見つめながら、「姉上、文之助もお慕い申し上げる姉上とこうやって愛し合えること、し、幸せに思います」と答える。
「ああ、文之助」
「姉上」
互いの名を呼び合ったお小夜と文之助はどちらともなく顔を寄せ合い、唇と唇をしっかりと重ね合う。その時、お小夜の太腿で愛撫されている文之助の肉棒がぐっと弓なりに反り返り、観客席からおおっと声が上がる。
「なによ。あんなに嫌がっていたのに、そっちの方がお芝居だったのね」
「こんなに元気にさせるなんて。お姉ちゃまに可愛がられるのがそんなに気持ちが良いの」
お春とお夏は文之助にそんな野卑なからかいの言葉を浴びせ、屹立した肉棒に手を伸ばそうとする。
「せっかく興が乗ってきたんだ。邪魔するんじゃねえ。お前たちは続けて、二人に演技を付けてやりゃいいんだ」
鬼源がそう言ってお春とお夏を制止する。
「わかったわよ」
お春は頷き、再びお小夜の背後に立ってその耳元に何事か囁きかける。
「ああ……そんなことまで……」
お小夜は上気した顔を嫌々と振るが、心なしかその様子には先ほどまで見られた強い拒絶の色は窺えず、淫らな責めを消極的に受容する様子さえ窺えるのだ。
「いいわね、それじゃあいくわよ、お小夜」
お春がそう言うとお小夜はさも恥ずかしげにコクリと頷くのだった。

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