251.奴隷のお披露目(51)

「知らなかったのなら教えてあげるわ。お嬢さんは夜の部で、黒人のボブと白黒ショーを演じるのよ」
美紀夫人はいきなり頭を殴られたような顔になる。
「同時に京子がこっちのペニスの持ち主、ジョニーと組むことになっているの。京子と小夜子の大和撫子コンビが勝つか。はたまた野獣のような黒人コンビが勝つか。セックスの日米対決って訳よ」
春太郎はそう言うと声を上げて笑う。
「無駄話ばかりしているとお客様が退屈するわ。さっさと始めましょう」
春太郎はそう言って夏次郎と目配せを交わし合うと、絹代夫人に覆い被さっている美紀夫人に近づき、その身体を両側から持ち上げようとする。
「な、何をなさるの」
「ガタガタ言うんじゃないわよ」
春太郎は美紀夫人の逞しいばかりに実った尻をパシッと叩く。
「吉沢さんたちは家元夫人をお願いするわ。股ぐらが観客席の方を向くようにするのよ」
「よしきた」
吉沢と井上はニヤリと笑って頷くと、春太郎たちの真似をするように絹代夫人に近寄り、その身体をぐっと持ち上げる。
「あ、ああ、い、嫌ですっ」
狼狽の声を上げる絹代夫人の太腿を、吉沢と井上は両側から叩く。
「さっきまで人間花器なんてものにさせられてたんだ。人前に股ぐらを晒すのはもう慣れっこになっただろう」
吉沢はそう言いと井上と声を揃えて笑う。
やがて美紀夫人と絹代夫人は、大きく肢を開かされた人の字の姿を重ね合った体位を取らされる。二人の美夫人の股間は四人の嗜虐者たちの手によって堂々とばかりに拡げられ、秘められた羞恥の部分を観客席に向かって堂々とばかりに晒している。
美紀夫人と絹代夫人は激しい羞恥に思わず肢を閉じようとするが、その度に春太郎や吉沢から尻を叩かれ、歯を食いしばりながら汚辱の時間を耐えているのだ。
田代屋敷の二階の奥座敷を埋めた観客たちは岩崎や時造他数人を除いて舞台近くに集まり、一流宝石店社長夫人と本を代表する華道の家元夫人が展開している淫らな姿にギラギラした視線を注いでいる。その最前列に千代が「まるで重ね餅ね」と甲高い声を上げると、観客たちはどっと笑い声を上げる。
「女のあそこをこんな風に比べて見ることなんてなかなかないわねえ」
和枝がそう言うと葉子が「当たり前じゃない」と言って笑う。
「普通に生きていれば、こんな恥ずかしい格好をさせられることなんかないわよ」
「あら、この奥様たちは普通じゃないって言うの?」
「少なくとも私なら、こんな破廉恥な格好させられるくらいなら舌かんで死んじゃうわ。それが日本の女ってものよ」
「あんたから日本の女のあり方を聞かされるなんて思ってもいなかったわ」
和枝と葉子は声を揃えて笑う。
「それじゃあお道具を取り付けてあげるから、しっかりと飲み込むのよ。良いわね」
春太郎はそう言って美紀夫人の逞しいばかりに張り出したヒップをパシッと平手打ちし、その奇妙な両首の責め具の一方を夫人の秘奥に押し当てる。
「それじゃ、反対側はこっちの奥様に」
夏次郎は口元に淫靡な笑みを浮かべると、ジョーのものを型取ったその部分を絹代夫人の花園に装填しようとする。
「あ、ああっ、い、痛いっ」
たちまち夫人がか細い悲鳴を上げ、苦痛に優美な裸身を捩らせる。
「お淑やかな奥様にはちょっと大き過ぎたかしら」
夏次郎が首を捻る。
「大丈夫よ。子供を産んだことがあるんだもの。これくらい飲み込んでくれるわよ」
そう言って笑った春太郎は、美紀夫人にボブのペニスを型取った先端を呑み込ませようとしていたが、思ったほど円滑に行かず「おかしいわね」と首を傾げる。
「娘のことを言ったせいで熱が冷めちゃったのかしら
春太郎はそう言うと何かを思いついたように「そうだ」と手を叩く。
「ね、お夏、あんたは奥様の上半身に回ってよ」
「いいけど、こっちはどうするの。お春が二人分を受け持つの」
「まさか」
春太郎は笑うと、ステージ下の大塚順子に声をかける。
「ねえ、大塚先生、家元夫人は先生にお願いしても良いかしら」
「私が?」
突然指名された順子は驚いて聞き返す。
「家元夫人はもう、先生の人間花器の調教を素直に受けるようになったのでしょう。それならここは先生にお任せするしかないわ。ねえ、いいでしょう」
「えーっ」
順子は大袈裟に顔をしかめたが、満更でもないといった風に「しょうがないわねえ」と苦笑しながら舞台に上がる。
今度は絹代夫人の顔が恐怖で引きつっている。
確かに夫人は順子から人間花器という魂が引き裂かれるような責めを受けたが、それは美沙江に加えられる責めを自らの身体で受け止めることによって、娘の美沙江の苦しみを少しでも軽減させようという悲愴な決心からのことであった。
それは珠江夫人も同様であり、二人の人妻は順子の魔手から美沙江を守るための盾となろうとしたのである。
しかしながら順子はそんな二人の自己犠牲の精神を逆用し、三人の官能を同調させて三つの花器に仕立て上げることに成功したのである。
「それじゃあ二人とも、先生が家元夫人を可愛がりやすいようにいったん離れるのよ」
春太郎はそう言って夏次郎とともに、絹代夫人に覆い被さった美紀夫人の身体を引きはがす。吉沢と井上も加わって、二人の美夫人は観客席に向かって扇のように両肢を拡げた格好を取らされ、それぞれ両足首を青竹に固定される。
二人の美夫人を徹底的に責め上げるための羽根箒やねじり棒、穂先を崩した筆に催淫クリームといった妖しげな小道具が床に敷かれた風呂敷の上に並べられ、観客たちの期待は高められる。
「それじゃあいくわよ。覚悟は良いわね、絹代奥様」
大塚順子はそう言うと身につけたスーツの上下を脱ぎ捨て、玄人っぽいシルクのスリップ姿になる。順子の大胆な振る舞いに観客席から拍手が湧き起こる。
「さて、奥様の方だけれど」
春太郎は改めて美紀夫人を見下ろすと、夏次郎に向かって「お夏、例のものを取ってきて」と言う。
「例のものって?」
「ほら、静子夫人がこの奥様方のおしゃぶりの調教に使っている、あれよ」
「ああ、あれね」
夏次郎はニヤリと笑って頷くといったん舞台脇に引っ込み、やがて木の箱を持って戻ってくる。
春太郎はその木の箱を受け取り、蓋を開けると中から二本の黒光りする張り型を取り出す。
「いきなりボブのものは大きすぎるみたいだから、使い慣れたこれで予行演習させてあげるわ」
春太郎はそう言って、手に持った張り型を美紀夫人の頬に押し付けるようにする。
「そ、それは……」
恐怖と不安に唇を震わせる美紀夫人に春太郎は「あら、もうすっかりお馴染みでしょう。愛する息子さんのペニスから型どりした張り型よ」と言って笑う。

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