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277.被虐の兄妹(4)

 ゆっくりとスーツのボタンを外していく久美子に、男たちの野次が飛ぶ。
「何をもったいぶっていやがる」
「とっとと脱がないか」
 そんな男たちを久美子はきっと睨みつけ、怒りのあまりブルブルと肩を震わせる。
「まあまあ、そんなに慌てるもんじゃないわよ」
 銀子が余裕の表情で男たちを制する。
「どうせ最後には素っ裸にならなきゃならないのよ。それまでこのお嬢さんはゆっくりと楽しませてくれるつもりに違いないわ」
 銀子はそう言うと朱美に目配せする。上半身はTシャツ、下半身はパンティ一枚という姿の朱美はニヤリと笑って山崎の足元にしゃがみ込むと、だらりと垂れた肉棒を片手で軽く掴む。
「それじゃあお兄様もたっぷり楽しみましょうね、可愛い妹のヌードショーを」
 そう言うと朱美は、山崎の肉棒をゆっくりと扱き出す。途端に久美子はさっと顔色を変える。
「や、やめてっ。兄に、兄には手を出さない約束よっ」
「何も痛めつけようっていうんじゃないんだ。それとは逆に、気持ちよくさせてやろうっていうんだよ。有り難く思いな」
 朱美はそう言ってせせら笑うと、山崎の肉棒を微妙な手つきで愛撫し続ける。
「ほうら、そんなことを言っている間に段々大きくなってきたよ」
「どれどれ」
 銀子もまた山崎の足元にしゃがみ、股間を覗き込むようにする。
「本当だ。しっかり立ってきたじゃないか」
 銀子と朱美はゲラゲラ声を上げて笑い出す。銀子は憤辱に歪めた顔を懸命に逸らしている山崎の顔を面白そうに見上げると、「ほらほら、そんな風に顔を逸らしていないで妹の方を見るんだよ」とからかう。
「聞こえないのかい。しっかり見るんだ」
 朱美もまた催促するように山崎の太腿を叩くが、山崎はかたくなに顔を逸らしている。
「見ないとこれですっぱり切り落としちゃうよ」
 朱美が再びナイフを山崎の股間に当てると、久美子が「や、やめてっ」と金切り声を上げる。
「やめて欲しけりゃお兄さんをその気にさせるんだよ。お嬢さんのストリップが面白くないからこんな風に顔を逸らしているんだろう」
 銀子がそう決めつけると朱美が「そうだよ。さっき教えたことが全然出来ていないじゃないか。身体を色っぽくくねらせて、ねえ、ねえって男を誘うように服を脱ぐんだ」と畳みかける。
「そ、そんな」
 久美子は顔を引きつらせる。
 銀子がニヤリと淫靡な笑みを浮かべる。
「何がそんな、だ。このへっぽこ探偵を誘惑するつもりで脱ぐんだよ。わかったかい」
「じ、実の兄を誘惑するなんて出来ません」
「何を甘ったれたことを言ってるんだ。自分の立場を分かっているのかい」
 銀子が目を吊り上げて凄むと、朱美もまた脅すようにナイフの背で山崎の肉棒をピタ、ピタと叩く。
「今さら照れることはないさ。兄妹だから遠慮なくできるだろう。子供の頃は風呂にも一緒に入って裸も見せ合った仲なんじゃないのかい」
 朱美がそうからかうと、男たちからどっと笑い声が上がる。
「言うことを聞かないのなら本当に切り落としちまうよ。あたしゃ気が短いんだ」
 そう言った朱美がナイフをさっと振り上げたとき、久美子が「やめてっ」と叫び声を上げる。
「どうなんだい、やるのかい、やらないのかい」
「や、やります……やりますから兄を傷つけないで……」
 久美子はそう言ってがくりと首を垂れさせると、男たちから喝采の声が湧き起こる。
「ここはあたしに任せて、お嬢さんの演技指導を頼むよ」
 銀子は朱美からナイフを受け取ると、それを左手に握ったまま、再び山崎の肉棒を扱き始める。
「了解」
 朱美は頷くと久美子の傍らに近づく。
「最初はあたしの真似をするんだ、こんな風にね——ねえ、ねえ、お兄さん、久美子の方を見て」
 朱美が頓狂な声を出して身体をくねらせ始めると男たちからどっと笑い声が起こる。久美子が屈辱に顔を引きつらせたまま立ち竦んでいると、朱美が
「さっさとやるんだよ。あたし一人じゃ馬鹿みたいじゃないか」
 と言って久美子の尻をパシッと平手打ちする。
 久美子は覚悟を決めたようにゆっくりと身体をくねらせ始める。
「ねえ、ねえ、お兄さん、久美子の方を見て」
 久美子はそう山崎に語りかけながら、スーツのボタンを外すと肩先から脱いでいく。そしてジャケットを肩から外すと、次にベージュのシャツブラウスに手をかける。
「スカートが先だよ。お兄さんに尻を向けて色っぽくくねらせながら脱いでいくんだ」
 久美子は朱美の命令に一々逡巡することがかえって悪党たち喜ばせることになると思ったのか、くるりと後ろを向くと兄に向かって尻を突き出すようにする。
「見て、ねえ、見て、お兄さん」
 久美子はゆっくりとスカートを下ろしていく。純白のパンティに包まれた久美子の尻が徐々に姿を現していくと、男たちはいつしか野次を飛ばすのをやめ、久美子のぎこちないが妖艶な踊りに目を奪われていく。
 スカートを脱ぎ終えた久美子は再び山崎の方を向き、シャツブラウスを脱いでいく。
 シャツブラウスを肩から外した久美子の小麦色の肌を包むのは輝くように白いブラジャーとパンティのみとなる。羞恥のあまりさすがに久美子が俯き身体の動きを止めると、隣に立つ朱美は催促するように久美子の尻を叩く。
「ほらほら、次はブラジャーだ。踊りをやめちゃ駄目だよ」
 久美子は再び目を上げたその時、久美子の視線と山崎の視線が交錯する。はっとして視線を逸らす久美子に朱美の叱咤が飛ぶ。
「顔を逸らしちゃ駄目だよ、しっかりお兄さんと目と目を合わせながら脱いでいくんだ」
 久美子は自棄になったような思いで山崎をじっと見詰めながら手を後ろに回し、ブラジャーのホックを外す。朱美が久美子の耳元に何事か囁きかけると久美子は小さく頷き、再び山崎に語りかける。
「ねえ、お兄さん。見て、久美子のお、オッパイよ」
 そう言って久美子がブラジャーを外す。支えを失った久美子の豊かな乳房がブルンと顔を出す。露わになった久美子の乳房を目にした男たちは「おおっ」と声を上げる。
「目を逸らすんじゃないよ。妹のオッパイをしっかり見るんだ」
 銀子は右手に持ったナイフで山崎の太腿をピタピタと叩きながら、左手で器用に山崎の肉棒を扱き上げていく。
「だいぶ堅くなってきたよ」
 銀子はニヤリと笑い、山崎の肉棒を指で弾く。銀子の言うとおり、久美子の新鮮な乳房に視線を注いでいる山崎の肉塊は今やはっきりと熱を帯び、猛々しささえ見せ始めている。
 そんな山崎に虚ろな視線を注ぎながら久美子は両手で乳房を持ち上げるようにして、「見て、ねえ、兄さん、よく見て」とうわ事のような台詞を繰り返しているのだった。

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