「お母様も静子様に愛されて、可愛い泣き声を上げているわよ。ほら、ご覧なさい、あんなに気持ち良さそうにお尻を振って」
珠江夫人にそう囁かれた美沙江は、絹代夫人に目を向ける。夫人の言葉どおり、絹代夫人は静子夫人の操る張り型で貫かれ、優美な腰部をなよなよと悶えさせながら甘いすすり泣きの声を上げているのだ。
レスボスの快楽に喘いでいる絹代夫人と美沙江の視線が交錯し、母娘ははっと頬を赤らめて顔を逸らせようとする。すると静子夫人と珠江夫人が同時に「駄目よ」と叱咤して、母娘の尻を軽く叩く。
「絹代様、しっかりとご覧にならないと駄目。絹代様の娘が女奴隷としてどれほど成長したかと言うことを」
静子夫人にそう告げられられた絹代夫人は「そ、そんなっ、嫌ですっ」とむずがるように身体をくねらせる。静子夫人は白魚のような指で絹代夫人の双臀の狭間をすっと撫でるようにすると、奥に秘められた菊蕾にぐっと含ませる。
「ああっ」
張り型で秘奥を貫かれながら、同時に隠微な蕾を刺激される妖しいまでの快美感に絹代夫人は思わず悲鳴を上げるが、靜子夫人は容赦なく絹代夫人の二つの快楽の源泉を責め立てる。
「見るのよ、絹代様。お嬢様の姿を」
靜子夫人に責め立てられている絹代夫人は美沙江の姿に目を向ける。
一糸纏わぬ裸を舞台の上に晒し、同じく全裸の珠江夫人に背後から犯されて、快楽のすすり泣きを上げている美沙江――絹代夫人は目の前で展開している光景が現実のものだとは信じられない。
しかしそれは自分も同じであった。実の娘の前で、さらに衆人環視の中で恥ずかしい素っ裸を晒し、靜子夫人によって二つの羞恥の源泉を責め立てられている――これが本当に我が身に起きていることなのか。
「あ、ああっ、お、お母様っ」
美沙江が絹代夫人の目を見ながら悲鳴を上げる。しかしその声の中には明らかに快楽による痺れ、嗜虐者に対する媚び、そして目の前の母親に対する甘えが混在していることに絹代夫人は気づく。
「き、気持ち良いっ。お母様っ。美沙江、とても気持ちが良いのっ」
潤んだ瞳を向けながらはっきりと快楽を訴える美沙江。華道のことしか知らずに育った、純粋無垢な美沙江のそんな変わり果てた姿に、絹代夫人は激しい衝撃を受ける。
「駄目、駄目よ、美沙江っ」
自分を強く持って。悪魔の誘惑に負けないでと声をかけようとした絹代夫人だったが、そんな思いは口に出そうとした瞬間にばらばらと砕け、塵のように消え去ってしまうのだ。
「どこがそんなに気持ち良いの、お嬢様」
珠江夫人は美沙江を背後から激しく突きながら尋ねる。
「言えない、ああっ、言えないわっ」
「はっきり言いなさい、言わないと抜いてしまいますわよ」
「い、嫌っ。おば様っ、抜かないでっ」
すっと腰を引こうとする珠江夫人に、美沙江はむずがるように形の良い尻を珠江夫人に押し付けようとする。
「言いますわ。言いますからやめないでっ」
美沙江は喘ぐようにそう言うと「おマンコ、おマンコですわっ」と切羽詰まった声を上げる。
「まあ、なんて淫らな」
舞台上の美女達の競艶をじっと眺めていた大塚順子がプッと吹き出す。
「千原流華道の家元令嬢があんな言葉を口にするなんて」
「本当だわ。家元令嬢も堕ちるところまで堕ちたものね」
葉子や和枝も口々に、美沙江に対して揶揄の言葉を浴びせる。しかしながら美沙江は、もはやそんな女たちの声も耳に入らないといった風に、珠江夫人とつながりながら「美沙江のおマンコがいいっ」と叫び続けるのだった。
「絹代様、お嬢様があんなに気持ち良さそうにしているわ。絹代様はどうなの」
靜子夫人はそう言いながら手にした張り型で絹代夫人を激しく責め立てる。
「ねえ、おっしゃって。気持ち良いの。どうなの」
「そ、それは……」
絹代夫人は身体の裡から込み上げる激しい快感を歯を食いしばりながら堪えている。美沙江はそんな絹代夫人にはっきりと顔を向けながら、「お、お母様、美沙江、気持ち良いのっ。おマンコ気持ち良いのっ」と甘えるように訴える。
「ねえ、お母様はどうなの。美沙江に教えてっ」
(み、美沙江……)
絹代夫人は、それは美沙江がともに地獄に堕ちようと覚悟を求めているように思えるのだ。
「さ、絹代様、お嬢様に教えてあげて。早くしないとお嬢様一人が恥をかいてしまいますわ」
靜子夫人はそう言うと、絹代夫人を急き立てるように張り型の抽送を速める。倒錯の官能に翻弄されながら、絹代夫人は「き、絹代も気持ち良いわっ」と声を上げるのだ。
「どこが気持ち良いの、絹代様」
靜子夫人がさらにそう問いかけると、絹代夫人ははっきりとした声音で「お、おマンコ、おマンコが気持ち良いっ」と答えるのだ。
「母娘揃って淫らな女ね。千原流の家元夫人とご令嬢が、こんな色好みの女だったとは思わなかったわ」
「ああっ、い、意地悪言わないでっ」
絹代は激しく泣きじゃくりながらも、靜子夫人の責めに呼応するように成熟した中にも可憐ささえ感じさせる双臀を振り立てる。
「こうなれば母娘仲良く気をやりなさい。そうすれば絹代様も、お嬢様も身も心も森田組の女奴隷になれると思いますわ。私と珠江様のように」
「お、女奴隷に……」
「さ、お嬢様としっかり見つめ合って、声をかけながら気をやりなさい。良いわね」
靜子夫人はそう言うと、絹代夫人にとどめを刺すように深々と責め具を突き立てる。同時に珠江夫人も、美沙江を追い上げようと腰の動きを速める。ついに絹代夫人と美沙江は、靜子夫人に命じられるまましっかりと顔を見合わせ、声をかけあう。
「お母様っ、美沙江、気持ち良いっ」
「お、お母様も気持ち良いわっ」
耐えかねたように歓喜の言葉を吐き合う絹代夫人と美沙江。そんな二人の姿に観客たちの哄笑がどっと浴びせられる。
絹代夫人と美沙江は、そんな観客たちの揶揄に立ち向かうように、髪を振り乱しながら優美な裸身をくねらせ合う。靜子夫人と珠江夫人は、そんな二人の絶頂の瞬間を一致させべく、顔を見合わせて頷き合う。
「ああっ、お、お母様っ」
「み、美沙江っ」
絹代夫人と美沙江はまるで恋人の名を呼ぶように互いの名を呼び合いながら、甘美な頂上へと邁進していく。そしてついに同時に快楽の堰を破られた母と娘は、「ううっ」と傷ついた獣のような呻き声を上げる。
「お、お母様っ、い、いくっ」
「わ、私もいくっ」
絶頂に達した母と娘はその瞬間を告げる言葉をはっきりと吐き合う。
「そのままお嬢様に近づいて、キスをするのよ」
靜子夫人はそう言って絹代夫人の尻を叩く。絹代夫人は素直に頷くと、秘奥に張り型を突き立てた四つん這いの姿勢のまま美沙江に近づき、その唇に自らの唇を強く押し付けるのだった。
292.無残千原流(8)

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