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296.姉妹と姉弟(1)

 美紀夫人、ダミヤ、そして久美子。三人の美女の双臀の狭間から、30センチほどのアナルビーズが垂れ下がっている。全体の半分強を体内に埋め込まれた哀れな女奴隷たちは、三人とも尻尾を生やした奇妙な姿を観客たちの前に晒しているのだ。
「なんて無様な格好なの。美人が台無しだわ」
「三人揃って尻尾を出して、牝狐に変身ってところね」
 千代や順子といった女たちが指を差して笑い出したとき、静子夫人がそれまで三味線を抱えたままじっと控えていた珠江夫人に目で合図を送る。珠江夫人は頷くと、三味線をつま弾き、澄んだ声で歌い始める。

 ♪猫じゃ猫じゃとおっしゃいますが
  猫が 猫が下駄履いて絞りの浴衣で来るものか
  オッチョコチョイノチョイ オッチョコチョイノチョイ

 珠江夫人が唄う『猫じゃ猫じゃ』のテンポの良い端唄に会わせ、美紀夫人、ダミヤ、そして久美子の三人が激しく尻を振りながら踊り始めると、観客のやくざたちはいっせいに歓声を上げる。

 ♪蝶々蜻蛉やきりぎりす
  山で 山でさえずるのは松虫 鈴虫 くつわ虫
  オッチョコチョイノチョイ オッチョコチョイノチョイ

「もっと激しく、淫らに踊りなさい」
 静子夫人が叱咤の声を上げると、三人の美女達は自棄になったように尻をくねらせる。垂れ下がったアナルビーズが左右に振れ、互いにぶつかり、絡み合う。その妖しくも卑猥な芸に、観客のやくざたちは喝采を浴びせるのだ。
 美紀夫人の熟れてむっちりとした尻、ダミヤのまるで泰西の名画から現れ出たような女迫力のある尻、久美子の若々しいピチピチとした尻。三者三様の魅惑的なヒップが目の前で跳ね踊る様に、男たちはすっかり魅せられている。

 ♪下戸じゃ下戸じゃとおっしゃいますが
  下戸が 一升瓶担いで前後も分からず飲むものか
  オッチョコチョイノチョイ オッチョコチョイノチョイ

 珠江夫人が『猫じゃ猫じゃ』を唄い終え三味線を置くと、やくざたちは一斉に拍手を浴びせる。淫らな演技を終えた三人の美女達は、ハア、ハアと荒い息を吐いているのだ。

 三人の新人奴隷達の演技が終わり、美紀夫人、ダミヤ、久美子、そして珠江夫人は舞台を下がり、小夜子が舞台左手、京子が舞台右手に控える。
「次は何かしら」
 プログラムをめくる和枝に葉子が「あなたのお気に入りが登場するわよ」と告げる。
「まあ、文夫ちゃんが出るのね」
 和枝がはしゃいだ声を上げたとき、銀子と朱美が、素っ裸で後ろ手に緊縛された美紀夫人を引き立ててきたので、女たちは歓声を上げる。
「この後、村瀬夫人のお子さん達が大活躍するので、ぜひ自分も観客席で見物したいというのよ」
 銀子はそう言うと、美紀夫人を和枝と葉子の間に無理矢理座らせる。美紀夫人は辛そうに顔をしかめながら、身を縮めるようにして腰を下ろす。
「さっきの尻振り踊り、なかなか見応えがあったわよ」
「ご主人の前でも時々ああやって演じていたのかしら」
 和枝と葉子が手を伸ばし、美紀夫人の乳首を抓りながら尋ねる。夫人は羞恥に赤く頬を染め、「そ、そんな……」と首を振る。
「皆さま、いよいよ森田組秘密ショー午後の部も、佳境を迎えます。次はいよいよ皆さまお待ちかねの白黒ショー、演じますのは森田組が誇る青春コンビ、村瀬文夫と野島美津子でございます」
 静子夫人のアナウンスとともに、舞台左手から義子に縄尻を引かれた文夫、そして舞台右手からはマリに縄尻を引かれた美津子が登場する。
 文夫は詰め襟、美津子はセーラー服を着せられているが、滑稽なことに文夫は部本のチャックを前開にさせられ、引き出された陰茎の根元を堅く締め上げられ、そこから伸びた縄を義子に取られている。義子が面白がって縄をぐいぐい引く度に急所に激痛が走るのか、文夫は顔をしかめ、足をおぼつかなくよろめかせているのだ。
 美津子もまた、セーラー服のスカートを大きくたくし上げられ、白いパンティの上から股間縛りにされ、そこに繋がれた縄をマリに引かれている。マリがケラケラ笑いながら縄を引くたびに秘奥に縄が食い込み、美津子はか細い呻き声を上げるのだ。
「ふ、文夫っ」
「美っちゃんっ」
 文夫と美津子の哀れな姿を目にした小夜子と京子が、思わずそれぞれの弟と妹に駆け寄ろうとしたとき、静子夫人が「駄目よっ」と声を上げる。
「あなたたちの出番はまだよ。二人が挨拶を終えるまでそこで待ちなさい」
 静子夫人に叱咤された小夜子と京子は唇を噛んでその場に正座する。
 文夫と美津子は舞台の中央に引き出され、客席の方を向き、足を大きく開いた姿勢で立たされる。
「さ、二人とも自己紹介しなさい」
 静子夫人に促された文夫と美津子は、ともに長い睫毛をしばたかせながら口を開く。
「皆さま、私、村瀬文夫と申します。青葉学院附属高校の三年生です」
「私、野島美津子と申します。夕霧女子高校の三年生です」
「まあ、二人とも優等生なのね。その優等生がどうしてそんな恥ずかしい格好をしているの」
「それは……」
 美津子が羞恥に頬を染めながら続ける。
「私たち二人は、人前で恥ずかしい目にあわされたり、虐められることが大好きなマ、マゾだからなんです」
 美津子はそう言うとさすがに自らの惨めさに耐えられなくなったのか、顔を伏せてシクシクすすり泣き始める。
「美っちゃん、泣かないで」
 文夫が励ますように声をかけると、美津子は涙に濡れた顔を上げる。
「ご、ごめんなさい」
 悲痛に顔を歪める美津子に、静子夫人は一瞬痛ましげな表情になったが、すぐに平静を取り戻すと、小夜子と京子の方をちらと見る。
「小夜子さん、京子さん、準備をしてあげて」
「ハイ」
 小夜子と京子は立ち上がると、それぞれ、文夫と美津子の寄り添うようにして立つ。
「まあ、文夫さんったら、こんなにきつく縛られて、痛かったでしょう」
 小夜子はそう言いながら、文夫の陰茎を縛った縄を解いていく。
「美っちゃんも……こんなに割れ目に食い込ませて……可哀想に、お姉さんが外してあげるわ」
 京子もまたそう言いながら美津子の股縄を解いていくのだ。
「まあ……縛られていたところがこんなに赤く、腫れているわ」
 小夜子は文夫の陰茎についた縄痕をしげしげと眺めていたが、やがてズボンのベルトを外していく。
「お姉さんがよく見てあげるわ。さ、全部脱ぐのよ」

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