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301.姉妹と姉弟(6)

 見事に絶頂の時を一致させた文夫と美津子は、激しい情事の後戯として、裸身を観客から斜めに向けたまま、互いに舌を吸い合っている。
「ねえ、ねえ、文夫さん」
 美津子は文夫の唇にチュッ、チュッと口づけをしながら、甘い声音で呼びかける。
「なんだい、美津子」
「美津子の……美津子のおマンコの具合はいかがでしたか」
 美津子が真っ赤に頬を染めながら、そんな卑猥な言葉を口にしたので観客席からどっと笑い声が上がる。
 美津子はそんな声を振り払うように、文夫の胸に顔を押しつけながら、
「ねえ、ねえ、教えて、文夫さん」
 とねだるような声を出す。
「す、素晴らしかったよ」
 文夫は美津子の顔を見詰めながら答える。
「本当? 文夫さん」
「本当さ」
「姉さんや、桂子さんよりも良かった?」
 美津子が悪戯っぽい目で文夫を見詰めながらそう尋ねたので、文夫は「えっ」と言葉を詰まらせる。
「まあ、あんなことを聞くなんて、あの美津子って娘もなかなかやるわね」
 和枝と葉子がそんな事を言い合いながらクスクス笑い出す。
「ねえ、教えて、文夫さん」
「それは……」
「どうなの、誰のおマンコが一番気持ち良かったの。ねえ、ねえ、教えて」
 美津子の問いかけに根負けしたように、文夫は「美っちゃんだよ」と答える。
「何て言ったの。聞こえなかったわ。もっと大きな声で言って」
「美っちゃんのおマンコが一番、締まりが良くて気持ち良かったよ」
 文夫がはっきりした声でそう答えたので、再び観客席から笑い声が起こる。
「まあ、いやだ。良家のお坊ちゃんがおマンコの締まりが良いだなんて」
 葉子はわざとらしくプッと吹き出すと、美紀夫人に向かって「奥様、いったいどんな教育をなさってきたの」と嘲笑を浴びせる。
「そう、嬉しいわ。姉さんのおマンコよりも、美津子のおマンコの方が気持ちが良かったのね」
 美津子はそう言うと、足下にしゃがみ込んでいる京子を見下ろす。
「お姉さん、聞いた? 文夫さんの今の言葉」
「き、聞いたわ。良かったわね、美っちゃん」
 京子が美津子から顔を背けながらそう答える。
「お姉さんったら無理しちゃって、本当は口惜しいんでしょう」
 美津子はクスリと笑う。
「残念ね、お姉さん。でも、しょうがないわ。文夫さんは私にとって初めての男性ですもの。それに私とお姉さんとでは若さが違うわ」
「そうね、その通りだわ」
 京子はそう言って頷くと「でもね、美っちゃん」と美津子の顔を見る。
「いくらあなたのものが良くても、上には上があるのよ」
「えっ」
「それは、そこにいらっしゃる静子奥様よ。静子奥様のものは何百人に一人という名器なの。美っちゃん、それを知っていた?」
「そ、そうなの」
 美津子は突然不安そうな顔つきになる。
「ねえ、奥様、そうでしょう」
 そんなことを京子に指摘された静子夫人は、動揺も見せず、
「京子さんったら嫌だわ。そんなことを若い美津子さんに教えるだなんて」
 と、艶然と微笑む。
「でも、京子さんの言うとおりよ。私、殿方が喜ぶ蛸とか、巾着とか呼ばれるいう名器らしいの」
「そ、そうなの。でも、静子様は妊娠なさっているから、文夫さんとセックスすることは出来ないわ」
「そうね、残念だけど」
 静子夫人は微妙な笑みを浮かべながら、文夫を見詰める。
「文夫さんの若々しいおチンポ、静子の名器で思い切り締め付けてあげられないのが残念だわ」
 静子夫人がそう言いながら裸身をくねらせると、観客のやくざ達は再び笑い声を上げる。
「さ、そろそろ良いでしょう。後始末をしてあげるから、前を向きなさい」
 静子夫人はそう言うと文夫と美津子の身体を引き離し、正面を向けさせて激しい情事の痕跡を観客たちによって見聞させる。
「小夜子さん、文夫さんのおチンポを綺麗にしてあげて」
「えっ」
「早くするのよ」
 静子夫人の命令に小夜子は頷くと、文夫の前に跪く。
「京子さんは美津子さんの汚れたところの後始末をしてあげて。姉妹なんだから出来るでしょう、さあ」
「分かりました」
 京子は素直に頷くと、小夜子同様、美津子の前に跪く。
「姉さんが綺麗にしてあげるわ、文夫さん」
 小夜子は、自らが放出したものと美津子の愛液で濡れた文夫の陰茎を口に含み、丁寧にしゃぶる。精を放って萎えかけていた弟のそれは、小夜子の舌の上でゆっくりと硬さを取り戻していく。
(感じているんだわ)
 小夜子は、自分の口の中で熱気を帯び始める弟のそれを愛しく思い始めている。男の精の生臭さ、えぐみを帯びた味ももはやさほど気にならない。小夜子が文夫の尿道に残った精の残滓をすすると、文夫は「うっ」と小さい声を上げて、腰部をブルブル震わせる。
(可愛い、文夫さん)
 悪戯っ気を起こした小夜子は、文夫の裏筋の辺りを舌先でくすぐる。文夫のそれは小夜子の刺激に反応するかのように、ヒクヒクと震えるのだ。
(このまま文夫さんを射精させたら、みんな、どんな反応をするだろうか)
 田代屋敷の悪鬼どもでさえも、深窓の令嬢として育った小夜子が、まさか自ら進んでそのような淫奔な振る舞いをするとは想像もしていないだろう。
(もちろん、お母様も)
 小夜子はチラと客席に目を向ける。そこでは二人の母親の美紀夫人が、素っ裸のまま数人の女たちに囲まれ、悲痛な表情を向けている。母親の視線に小夜子は一瞬怯みを覚えるが、かまわず舌先での愛撫を続ける。
 いつ、自分は弟に抱かれるように命じられるのだろうか。小夜子は不安とともに、妖しい期待を感じている。
 いつか、京子とともに文夫の精液の入った赤ワインを飲まされたとき、小夜子は弟の血が自分の中に混じり合っていくのを感じた。今も美津子に注ぎ込んだ精液の残滓が、小夜子の身体の中に入ってきている。
(もう、自分の身体の幾分かは、弟のもので出来ているのだ)
 小夜子はそう考えていると、静子夫人が「ねえ、文夫さん、さっきの名器のことだけど」と文夫に話しかける。
「今すぐ味わうことも出来るのよ」

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