第26話 調教されるしのぶ(4)

「うっ、ううっ……」
黒田に前門を、沢木に後門を嬲られ、そして香織にぴったりと唇を塞がれたしのぶはなよなよと力なく悶えている。3人の男女に対する抵抗心は春の淡雪のようにはかなく溶けていき、しのぶはピンクの雲に乗せられたような気分になっている。
長い接吻を終えた香織は、恍惚とした境地に浸っているしのぶのとろんととろけた瞳に冷酷な視線を注いでいる。
2人の男はしのぶの下半身に取り付き、黒田が充血したクリトリスを指先で小刻みに押し、それに反応したしのぶの花壷からしとどに流れ出した蜜を、沢木は蟻の門渡りに伝わせるようにして、アヌスをゆっくりと揉み上げている。
「ああっ、もうっ」
「もう我慢できないでしょう、しのぶ」
「は……い……」
しのぶは焦点の合わない瞳を香織に向け、こっくりと頷く。
「こんなに出来上がっているんじゃあ、店に出る前に黒田さん達に一度抱いてもらわないとおさまりがつかないわね?」
しのぶは頬を真っ赤に染めて再び頷く。
「お……お願いしますわ」
「もっとはっきり頼みなさい、そうね、こんな風にお願いするのよ」
「ああン……そ、そんな……」
香織に耳元で何事か囁かれたしのぶは、裸身をがくがく震わせる。
「どう、ちゃんと言えるわね?」
「ハ、ハイっ」
2つの急所を同時に責め立てられる快感に、優美な下半身を小刻みに震わせながら、しのぶは自棄になったように口を開く。
「い、淫乱な人妻、加藤しのぶを黒田さんと沢木さんのおチンポで、思いっきりイカせて下さいっ」
「まあ、なんて淫らなの。もともと素質があったのかしら」
香織は楽しげにケラケラと笑うと、戸棚の中から大ぶりのバイブレーターを取り出した。スイッチを入れるとそれは低い音を立てながら、小刻みに首を振り始める。
「こんなものを使った経験はある?」
異様な器具を目にしたしのぶは、ぶるぶるとおびえたように顔を横に振る。香織はしのぶの口元に器具を突き出して言い放つ。
「これを黒田さんや沢木さんのアレだと思って、嘗めなさい」
「ああ……」
しのぶはしばらくためらっていたが、執拗に香織に迫られ、根負けしたように唇を割る。
「チュッ、チュッ、と音を立てて接吻をして……今度は大きく口を開いて咥えて……そうそう、上手いわ。さすがは淫乱な人妻ね」
しのぶは次第にそんな香織のからかいも気にならないと言ったふうに、夢中になってその異様な器具に愛撫を注ぐ。
「殿方のお情けをいただく前に、これで一度、自分で上り詰めなさい」
「……わ、わかりましたっ」
「いいお返事だこと」
香織は男達と顔を見あわせ、ぷっと吹き出す。
自らの唾液で濡れたバイブを香織から受け取ったしのぶは、もどかしげにそれを股間にあてる。
「う、うんっ……」
しのぶの花襞はたちまち開花し、巨大なその責め具を抵抗なく呑み込んで行く。しのぶは少し腰を落とすと、責め具の抽送を始める。舌足らずな悲鳴を上げながら次第に夢中になって腰を振り立てるしのぶ。そのあまりの淫らな光景に、黒田や沢木も目を丸くする。
「あ、あっ、ああっ……」
「このままだとあっという間にのぼり詰めちゃいそうね。折角だから、これもビデオに記録しちゃいましょうよ」
「よし来た」
黒田はあらかじめ用意していたデジタルビデオを取り出すと、しのぶの裸身に向けるが、もはやしのぶはそんなことも目に入らないといった風で、秘所に沈めたバイブレイターを激しく抽送している。沢木が背後から手を回し、しのぶの豊かな乳房をやわやわと揉み上げる。
「あ、ああっ……きっ、気持ちいいっ」
すでに絶頂が近いのか、しのぶは切羽詰ったような声をあげる。
「一人でよがっていないのよ。自分の淫らさをビデオに向かってご主人に謝りなさい」
「あ、ああっ、た、達彦さんっ、ゆ、許してっ。し、しのぶ、こんなに淫らなんですっ」
しのぶはそうほざくようにいうと、全身を痙攣させながら手にもったバイブレーターを力いっぱい喰い締める。
「ああっ、達彦さんっ、素敵よっ」
「ご主人に抱かれているような気分になっているのかしら」
香織は皮肉な笑みを浮かべながら、黒田に話し掛ける。
「も、もうっ──駄目だわっ」
「いくときはいくと、ちゃんというのよっ」
「い、いくっ。イキますっ」
香織に強制され、はっきりした声音で絶頂を告げたしのぶは、沢木の胸に崩れるように倒れこむ。沢木は軽く痙攣するしのぶの裸身をしっかりと受け止めると、やわらかい唇に接吻する。
「いったの?」
「ハイ……」
「それならビデオに向かって、こんな風に言うのよ」
再び香織がしのぶの耳元に口を寄せる。しのぶは瞳をとろんとさせて頷くと、素っ裸のままカウンターの椅子に座り、大きく股を開くと黒田が構えるビデオカメラに目線を向ける。
「淫らな人妻、加藤しのぶをイカせていただき、有難うございました……」
沢木も面白がって、まるで操り人形のようにいうがままになっているしのぶの耳に囁きかける。
「ああ、達彦さん……しのぶがイッたところ、ご覧になってくださった?」
「これから黒田さんと沢木さんに思い切り犯していただくの。今日はしのぶのお尻の処女も沢木さんに捧げるつもりなのよ……達彦さん、ごめんなさいね」
「だいぶ素直になってきたわね」
香織は満足げにうなずく。
「黒田さん、沢木さん、お願い」
「わかった」
黒田と沢木はニヤリと口元を歪め、糸の切れた操り人形のように力の抜けたしのぶを抱き抱える。
「アナルセックスの前には浣腸をするのが基本だよ、しのぶ夫人」
「ああ……またお浣腸なの……辛いわ」
「そんなこといって、楽しみになってきたんじゃないんかい」
「そんな……ひどいわ、沢木さんったら」
黒田と沢木はそんなことを話しかけながら、素っ裸のしのぶを洗面所に連れ込んでいく。3人の間にどことなく馴れ合った感じがあり、しのぶも黒田や沢木に対して甘えたような言い方をしているのが香織にはなんともおかしかった。
(まだまだ始まったばかり。これからが本番よ、しのぶ)
香織はそう胸の中で呟くとカウンターの中に入り、開店の準備を始めた。

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました