整形外科クリニックを経営する道岡がニヤニヤ笑いながらそう言うと、橋本がわざとらしく驚いたような声を上げます。
「道岡副会長、そんなことが出来るんですか」
「PTAの婦人役員ということは出産経験があるということでしょう。それくらいは当然出来ますよ」
「それは面白いですな」
男たちは口々に勝手なことを言い合います。
「なんてこと!」
里美が再び怒りを示します。
「黙っていろ」
私はたしなめますが、正直、男たちの理不尽なまでの要求に妻がどう答えるか、固唾を呑んで見守っていました。
「そういうことです、東山さんの奥さん。今、お宅には野菜は何がありますか?」
「や、野菜ですか……」
妻はローターの刺激に気もそぞろになっており、男たちの話し声が耳に入っていなかったようです。
「一々聞き返さなくても一度でわかるでしょう。本当にぐずな奥さんですね」
「す、すみません」
「あまり我々に手間をかけさせないでくださいよ」
「申し訳ございません」
妻はぐっと歯を食いしばりながら男たちに詫びを入れます。普段は毅然とした妻のそんな惨めな姿に私は引き込まれていました。
もちろん妻を弄んでいる犬山たちを許すことは出来ません。必ず彼らが心の底から後悔するような報いを受けさせてやると堅く心に誓うのですが、今は妻の行き場を失った官能の行方の方が気にかかります。
「や、野菜は……冷蔵庫に茄子とプチトマトがあります」
「茄子とプチトマトか……どうしますか、皆さん」
「十分楽しめそうだ。それでいいでしょう」
「私も異議ありません」
男たちは衆議一決したようです。妻は犬山に強制され、新たな議題を口にします。
「そ、それでは改めまして本日の議題をご報告致します。ま、まず変態人妻、東山絵梨子のオナニーショー、そ、そして野菜を使った異物挿入ショー、さ、最後に絵梨子のセックス体験告白でございます……ああっ、も、もうイカせてっ!」
「行儀の悪い奥さんですね。何度言ったら分かるのですか。イカせて欲しい時はどうやったらいいんですか」
犬山がニヤニヤ笑いながら聞きます。妻はやけになったように叫びます。
「変態人妻東山絵梨子、い、イカせていただきますっ。ああっ……」
妻はそう言うなりさっと立ち上がり、白いスカートをまくり上げて股間をCCDカメラに押し付けるようにしました。パンティに挟まれたローターが妻のクリトリスにしっかりと当たっているのがわかります。妻はガクガクと全身を震わせながら、近所に聞こえるのではないかと心配になるほどの大声で「イキますっ」と叫び、がっくりと椅子の上に崩れ落ちました。
男たちの哄笑がどっと響きます。
「さすがは変態人妻だ」
「相変わらず凄まじいイキっぷりですな」
「まったく、B高PTA役員の恥ですな」
妻は顔を伏せてはあ、はあと荒い息をはいています。
「東山さん、思い切りイキましたか?」
「はい……思い切りイカせていただきました」
「それではいつものように、皆さんに挨拶をしなさい」
「わかりました……」
妻は顔を上げてCCDカメラにはっきりと表情を見せます。
「役員の皆様、変態人妻、絵梨子の破廉恥なマンズリをご覧いただき、ありがとうございました」
「顔だけじゃなくて別のところも見せなさい」
「それは……」
妻は嫌々と小さく首を振り、顔を伏せます。
「何度も言っているようにこのシステムは、映像が後に残ることは決してありません。心配しないで思い切り見せなさい」
「……はい」
犬山の言葉に妻は頷くといきなりパンティを降ろし、両手を陰部に当ててまるでゴム輪のように陰唇を広げます。キラキラと愛液に濡れて光る妻の蜜壷が完全に露わになったのに私は驚愕しました。
「何なのっ、これっ」
再び里美のメッセージが画面に現れます。
「東山さん、こんなことを許していていいの」
「許すもなにも……もちろん許せるはずはないが、だからといってどうしようもないじゃないか」
「私は許せないわっ。東山さんの奥さんにこんな屈辱的なことをさせるなんて」
「俺に落ち着けと言ったのは里美、お前だろ」
「そうだけど……」
里美のメッセージが一瞬途切れます。
「……東山さん、まさか奥様のこんな姿を見て、楽しんでいるんじゃないでしょうね」
「馬鹿を言うな」
私はあわててメッセージを返します。
「今すぐ犬山たちを殺してやりたいくらいだ。しかし今、仮にそれが出来たとしても俺はただの犯罪者になるだけで、かえって妻や子を不幸にしてしまう。俺がじっとこらえているのが分からないのか」
「そうだったわね……ごめんなさい」
里美はようやく落ち着いたようにメッセージを入れます。
「相変わらずいやらしい、いかにも男好きといった感じのオマンコですね」
「まったくだ。まだヒクヒクと生き物のように蠢いているじゃないですか」
「ああ……言わないで」
妻はシクシクとすすり泣きながら、恥ずかしげに身を捩じらせます。私はその妻の仕草を見て、ある疑念が頭に浮かびました。
「泣くなっ、馬鹿ものっ」
犬山の怒声が飛び、妻はびくっと身体を震わせます。
「女は泣けばことがすむと思っている。とんでもない心得違いだ。その性根を徹底的に叩き直してやるからそう思え」
「はい……申し訳ございません」
「わかったら、冷蔵庫から茄子とプチトマトを取ってくるんだ。その前にスカートとパンティは脱いで、下半身素っ裸になれ。いやらしいマン汁で汚れた下着をつけたまま神聖な役員会に臨むなんて、許されないことだ」
「はいっ、わかりました」
妻は素早くスカートとパンティを脱ぎ、下半身裸になるとカメラの前でくるりと後ろを向きます。妻の白い大きな尻が画面に映り、すぐに消えます。やがて戻ってきた妻は両手に茄子の入った籠と、プチトマトの入った透明なプラケースを抱えていました。
「それでは次の議題に入る。何をやれば良いかわかっていますな、奥さん」
「い、いえ……」
妻がおろおろした表情を見せます。
15.変化(4)

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