第34話 新たなる生贄(3)

「おふたりともリスク管理がなっていないわ。アドレスやメールにロックもかけていないんだもの」
香織はくっ、くっとおかしそうに笑い出す。
「さすがは一流商社マンだわ、仕事関係だけでも何百とあるわね……あらあら、ご主人、女の子のメールアドレスをいくつも登録しているわ。これ、まさか風俗じゃないでしょうね」
裕子は黒田と沢木によってジョギングウェアを完全に脱がされ、パンティ一枚の裸にされながら、恐怖に満ちた瞳を香織の行為に向けている。
「……さあ、用意はいいわ。送信ボタンを押したらご主人のいきり立ったオチンチンと間抜けなお顔がはっきりと収まった写真が、いっせいに送信されるわよ。いいわね、奥様?」
「やめてっ!」
裕子は甲高い悲鳴をあげる。
「やめて欲しければこの場でみんなに犯されるのよ。手回し良く素っ裸になっていることだし」
「ああ……そんなこと、出来るわけがありません」
「愚図愚図言ってるんじゃないわよ」
再び裕子の頬に平手打ちが飛ぶ。
「奥様の携帯に登録されているアドレスにも送っちゃうわよ。ねえ、PTAの皆様、ご覧になって。これが私の主人のチンチンなの。あんまり大きくはないけれど、裕子の大好きなものよ。ぜひ皆様にもご披露したいと思ってお送りします、ってね」
「あら……ご主人のご両親も携帯電話をお持ちなのね。この際ムスコが元気にしていることを教えてあげましょうよ」
「やめてっ! やめてっ!」
裕子は狂ったように泣きわめき、必死で香織から携帯電話を取り返そうとするが、2人の男にしっかりと押さえ込まれているため果たせない。
「やめて欲しいならいうことを聞くのよ」
「ああ……」
裕子の切れ長の目からボロボロと涙が零れ落ちる。
「どう、言うことを聞くのね」
「……わ、わかりました。だから、写真は送らないで」
裕子は唇を噛んで恥辱をこらえながら、小声で承諾を告げる。
「まあ、やっと承知してくれたのね」
香織が勝ち誇ったような声を上げる。
「みんな、この奥様が順番にセックスさせてくれるんだって。どう、早い者勝ちよ!」
「かおり」のフロアを埋め尽くした客からどよめきの声があがった。
裕子の登場による急展開にやや剣呑なものを感じて引いていた観客たちだったが、先程からしのぶの妖艶なショーで火をつけられた興奮が、裕子に対する香織のサディスティックな振る舞いで再び極限まで煽られていた。
集団で輪姦される――これは一体現実に起きていることだろうか。裕子は恐怖にガタガタ震え出す。
「俺が一番だ!」
香織の呼びかけに答えて脇坂が野太い声を上げると、のっそりと立ち上がる。
「夫婦そろって人前でやるのが好きとはいい趣味をしているじゃないか。お堅いPTA会長がそんな変態女だったとは知らなかったぜ」
脇坂はニヤニヤ笑いながらネクタイを外し、ワイシャツを脱ぐ。あっと言う間に上半身裸になった脇坂は輪姦の予感に小刻みに震える裕子にしがみつく。
「奥さん、俺のことを覚えているかい? 運動会のときは随分世話になったな、ゆっくりお礼をしてやるぜ」
いきなり脇坂に抱きすくめられた裕子は恐怖と嫌悪に激しく身悶えする。
「へへ、奥さん。キスしようじゃないか。こっちを向きな」
「い、嫌……」
裕子は脂ぎった顔が迫ってくるのを懸命に避けようとするが、大柄な脇坂にがっちりと押さえ込まれ、まったく身動き出来ない。
「あ……う……」
脇坂の厚い唇でぴったりと口を塞がれ、裕子は目を白黒させている。香織はケラケラ笑いながら脇坂に声援を送っていたが、意識を取り戻し出した道夫としのぶが軽い呻き声を上げ始めたのを見て、黒田と沢木に顔を向ける。
「目を覚まして暴れられるとやっかいだわ。縛り上げて猿轡をかけてやって」
「よっしゃ」
黒田は頷くと店の奥から麻縄の束を取り出す。
「男を縛るのは趣味じゃないんだけどなあ」
「しゃあない。働かざるもの食うべからずや」
黒田と沢木は軽口を叩き合いながら、まず道夫の身体を身動き一つ出来ないほど器用に縛り上げ、猿轡をかける。
次にしのぶの優美な裸身を同様に縛り上げると、猿轡をかけて道夫の横に並べる。
一方、脇坂にパンティまで剥ぎ取られた裕子は、舞台の上に引きずり上げられている。脇坂が素っ裸の裕子の下半身を攻撃し、脇坂の仲間の2人の男が裕子の上半身に取り付いて豊満な乳房を揉みしだいたり、うなじに舌を這わせたりして、裕子に舌足らずの悲鳴を上げさせているのだ。
「そら、旦那の惨めな格好を見てみろ」
「ああっ、あなたっ」
道夫はようやく気が付いたのか焦点の定まらない目を左右に向けていたが、舞台の上で3人がかりで凌辱されている女が愛する妻、裕子であることに気が付くと驚愕に目を見開き、猿轡の下で声にならない悲鳴を上げる。
ほぼ同時に目を覚ましたしのぶも、店内で繰り広げられている凌辱図に愕然とする。
「う、ううっ……」
「ああ、見ないで、見ないでっ、あなたっ」
裕子は夫の目が3人の男たちの弄虐の餌食になっている自分に向けられているのに気づき、狂乱したように身を揉む。
「ご主人もたっぷり楽しんだでしょう、奥様にも楽しませてあげなくちゃ、不公平というものだわ」
香織がおかしそうにそういいながら道夫に近寄ると、萎えた肉茎をつかみあげる。
「そうはいっても目の前であんなことをされたら気になってしょうがないわね、かわいそうだから気分を紛らわせて上げるわ」
「うっ……う……」
香織は残酷な笑みを浮かべると、手のひらで軽く道夫を掴むようにしてシュッ、シュッとこすり上げる。馬鹿なことはやめろとでもいっているのか、道夫は顔を歪めてモガモガと言葉にならない声を上げながら、緊縛された裸身を必死で悶えさせる。それを見た黒田が道夫を羽交い締めするようにして身悶えを封じるのだ。
「ほら、ほら、ご主人。静かにせんかいな。折角香織ママがええことしてくれるんや」
黒田は馬鹿力を発揮して道夫の身体を抱え込む。抵抗出来ない道夫の懊悩を楽しむように、香織はいたぶりの手を強めて行く。
「あらあら、奥様がゴーカンされるのを見て興奮してきちゃったのね」
自分の意志を裏切るように硬化してきた道夫の逸物を楽しげにしごき上げながら、香織は空いた手を道夫の玉袋に伸ばし、掌の上で転がしたり軽く揉んだりするなどの手管を発揮する。
「折角だから旦那に思い切り見せつけてやろうじゃないか」
「嫌っ、そんなっ」
脇坂とその仲間2人は素っ裸にした裕子を道夫の前にずるずると引っ張ってくると、左右から肉付きの良い太腿に手をかけ思い切り開かせる。甲高い悲鳴とともに裕子の羞恥の箇所が露わになる。

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