第37話 裕子夫人の転落(2)

「まあ、女上位なんてまさに小椋夫人にぴったりの体位じゃない?」
香織はケラケラ笑いながら指に巻きつけたタコ糸をくいくい引っぱる。
「あっ、ああっ、お願いっ、糸を、糸を引くのはやめてっ」
「何を気取っているのよ。こんなにみっともなく垂れ流して。裕子はこんな風にされるのが好きなんでしょ?」
「ヒイッ!」
「もっと激しくお尻を振るのよっ」
裕子は香織に叱咤され、ヒイヒイと喘ぎながら脇坂の上に乗せ上げた豊満な尻を自棄になったように上下させるのだった。

一方、しのぶは黒田と沢木によって前後の穴を責め立てられて懊悩の極にあった。特にここ数日じっくり調教されて、不思議なまでの性感を知覚するようになったしのぶのアヌスは生き物のように収縮し、沢木が繰り出す細いドリル状の張り型を切なげに喰い締めている。
「どや、もうたまらん気分になって来たんじゃないか、ええ、しのぶ夫人」
「……ハ、ハイッ」
「ケツの穴を犯されたくなって来ただろう」
「……嫌っ、お尻は嫌ですっ」
「そんなことをいってるけど、もうここはヒクヒクと物欲しげに口を動かしているじゃないか」
沢木は笑いながらわざと張り型の動きを早くする。
「ああっ」
しのぶはそこから湧き起こる快感を振り払うように首を左右に振る。長い黒髪が揺れてしのぶの端正な顔に垂れかかる。その様子は凄艶という言葉がふさわしく、少し前のしのぶからは想像もつかないほどだった。
「どう、用意はいい?」
香織の声に黒田と沢木は頷き、しのぶの両肢を抱えるようにして持ち上げると、舞台の前で緊縛された身体を横たえて、香織に責め上げられている道夫の上に運んでくる。
「さっきは前の穴だったけど、今度はお尻の方を味あわせてあげるわ。ついてるわねえ、小椋さんのご主人」
香織は悪魔的な笑みを浮かべて道夫の頬をつっつくと、黒田と沢木に目で合図する。2人の男は抱え上げたしのぶの身体をゆっくりと道夫の上に下ろしていく。
「ああーっ!」
道夫の硬化したもので狭隘な肉蕾をメリメリと貫かれたしのぶの、痛みとも快感ともつかぬ叫びが店内に響き渡る。
「うっ、ううっ……」
しのぶの菊蕾は道夫の硬化した肉茎をしっかりと咥えこむと、無意識のうちに激しく締め上げる。道夫は痛いほどの緊縮感に猿轡の下で思わず呻き声を上げる。
「どう、あなたのサイズならお尻の穴がちょうどいいでしょう?」
香織の侮蔑的な言葉に客達がどっと哄笑する。
「それじゃあ、夫婦仲良く実演スターのデビューといきましょう。お互いにいい声を掛け合うのよ」
香織はそういうと道夫の猿轡を外すが、道夫はしのぶのその部分の、女の秘所とは違う緊密な快感に痺れきり、香織に毒づく気力もないのだ。
「どう、気持ちいいでしょっ、気持ちよかったらいいというのよっ!」
「き……気持ちいいです」
道夫は香織に叱咤されて思わずそんな言葉を口にする。
「あ、あなたっ」
裕子はそんな道夫の姿を目にして悲痛な声を上げるが、途端にその部分を締め上げられたタコ糸の端を香織に思い切り引っ張られる。
「ヒイッ!」
「お前もいわないかっ、気持ちいいんでしょっ」
「ヒ、ヒッ! きっ、気持ちいいですっ」
「どこがそんなにいいのよっ」
「……お、おマンコがっ」
裕子がついにそんな卑猥な言葉を口にしたので、香織は怪鳥のような笑い声を上げる。
「もっといいなさいっ、裕子っ」
「おマンコがっ、おマンコが気持ちいいですっ」
裕子は脇坂に突き上げられながら自棄になったようにそんな言葉を何度も口にする。
「クリトリスを引っ張られるのも気持ちがいいでしょっ!」
「は、はいっ」
もう何がどうなっているのかわからない。裕子は脇坂の上に乗せあげた豊満な尻を激しく上下させ、香織に強制された言葉を繰り返す。
「クリトリスが引っ張られるのも気持ちいいっ!」
脇坂と裕子、しのぶと道夫の淫臭漂う絡み合いに「かおり」の店内は異常な熱気がたちこめる。興奮した客達は目を血走らせ、2組の実演ショーを食い入るように見つめているのだ。
「ゆ、裕子はクリトリスを引き伸ばされながら、おマンコされるのが大好きですっ」
「しのぶは……しのぶはお尻の穴を掘られるのが大好きっ」
裕子としのぶは競い合うようにそんな淫らな嬌声を上げながら、快楽の頂点へと追い立てられていく。そんな2人の痴態を、黒田と沢木がビデオカメラやデジタルカメラを使って記録していく。
「どうなのっ、もっと引っ張って欲しい? いいなさい、裕子っ!」
「きひいッ」
香織が裕子の花芯を引き抜かんばかりに、指に絡ませたタコ糸を思い切り引っ張る。激烈なその感覚はすでに苦痛ではなく、脇坂のカリ太の巨根によって膣襞がかき回される刺激と一体になって、裕子を経験したことのないほどの快楽へと押し流す。
「ああっ、もっと、もっとクリトリスを引っ張ってっ」
裕子は口の端から泡を吹きながら、そんな言葉をわめきたてる。
「あ、ああっ、もうっ」
ざんばらになった黒髪を振りたてながら意味のない言葉を叫ぶ裕子。
「ああっ、あなたっ、い。いくっ」
「裕子っ」
脇坂と繋がっている裕子としのぶと繋がっている道夫はほぼ同時に絶頂に達し、まるで2人同士が絡み合っていたかのように声を掛け合う。脇坂としのぶもほぼ同時に達したのか「おおっ」「ああっ」という声が店内に響くが、被虐の快味にすっかり酔いしれた裕子と道夫の迫力にかき消されそうなほどである。
「あっ、ああっ……」
裕子は脇坂の腹の上で美麗な裸身をのけぞらせ、下半身を痙攣させている。脇坂の巨根をくわえ込んだその部分はキューッと収縮し、そこから噴出する樹液を一滴残らず吸い尽くさんばかりに締め上げている。
「も、もう我慢できんっ!」
「ママっ、次は俺に頼むよっ」
2組を取り囲んだ男たちの興奮は頂点に達し、我先にと舞台へあがろうとする。
「待って、待って、順番よ。落ち着いて」
香織が制止しようとするが、それを振り払うように数人の男が裕子としのぶの裸身に取り付くと、舞台の中央へとに乱暴に引きずっていく。
「あ、ああっ」
「ひいっ」
2人の美夫人はたちまち幾人もの男たちに押し倒されて行く。「かおり」の店内では二人の美夫人の悲鳴が一晩中、止むことがなかった。

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