第64話 春をひさぐ美人妻(3)

「だいぶ時間を食っちまった。ホテル代もばかにならないぜ」
裕子の詫びを満足そうに聞き終えた脇坂を、赤沢が促す。
「いいか、二人とも年齢の割りには奇麗な身体をしているが、やはり若い娘にはかなわないよ。年齢をカバーするために必要なのはお色気、テクニック、そして感謝の心だ」
ロリコン気味の脇坂の下品な言葉に、裕子の表情が再び歪む。
「ホテル代以外に一人4万も払ってやろうってんだ。ソープに行って同じ金を出せばずっと若い娘が抱けるぜ。それだけの金を出す客に感謝を込めて、自分がもてる限りのテクニックを発揮し、お色気たっぷりのサービスしてやるんだ。わかったな」
そんなことをいわれても、すべては香織と黒田、沢木たちの間で仕組まれ、強制されたことである。
ホテトルはホテルで待つ客の元にマッサージ嬢を派遣するという名目で、ザル法と呼ばれる売春防止法に触れないようになっている。派遣された部屋で仮にマッサージ嬢と客がセックスしようが、それは自由恋愛だという理屈である。
客は香織にマッサージ代の名目で半額の2万円を払い、部屋の中でしのぶと裕子に残り半額の2万円を渡す。そんな金を受け取ると名実ともに娼婦に堕ちるという理由で2人は強く拒んだが、香織は許さなかった。もし受け取らなかったことが後になってから分かれば、佳奈や里佳子に対して即座に手を伸ばすというのである。
抵抗する術を封じられた裕子としのぶは恥辱に震えながら「は、はい……」と了解の返事をする。
「奥さんたちを抱く時、男がどんなところに一番興奮するか教えてやろうか」
脇坂はのっぺりした顔をしのぶと裕子に近づける。
「それは、こんな品のいい人妻を亭主から寝とってやったってことだよ。昔から一盗二碑っていってね、人の持ち物を奪うほど刺激的なことはないんだ。源氏物語にも書かれているくらいだぜ。教養深い奥様方はご存じだろ」
しのぶと裕子は脇坂の口調にたまらない恐怖を感じ、身体の震えが一層激しくなるのだ。
「さ、赤沢さん、再開といきましょうや」
「よしきた」
裕子としのぶは引きずられるように脇坂と赤沢の前にひざまずかされる。2人の美しい人妻の目の前に、高々と屹立した醜悪な2本の肉柱が迫る。
裕子は脇坂に頭を押さえつけられ、無理やりにその怒張を見せつけられる。やや細みだが長さは20センチはあろうか。つい最近までは夫の道夫のものしか目にしたことのない裕子にとってそれは同じ人間のものとは思えなかった。
しのぶも赤沢のそれを目にし、一層おびえが走る。赤沢の肉塊は脇坂のそれよりは長さは短いが、極端といってよいその太さは、しのぶが手で握っても余るほどだろう。これももちろんしのぶにとっても初めて目にする類いのものだった。
それぞれ特徴は違うが、共通していえるのは限界まで高まったその勃起の程度である。2つの魁偉な肉塊を目にした裕子としのぶは互いの恐怖が共鳴しあったのか、同時に脅えきった顔を見合わせる。
「どうだい、奥さん。俺達のモノは」
「風俗に行っても若い娘は尻込みしてなかなか相手をしてくれないんだ。奥さんたちのようなベテランなら大丈夫だろう」
脇坂と赤沢はニヤニヤ笑いながらそれを誇示するかのように、2人の美しい人妻の目の前に突き出す。
「どうだい、ぜひ奥さんたちの感想を聞きたいね」
「亭主の持ち物と比べてどうか、いってもらおうじゃないか」
脇坂はその長大なものを鞭のように使い、裕子の頬をパンパンとたたく。赤沢もしのぶの美しい黒髪をかき乱しながら、自らの巨根を花びらのような唇に突き付けるのだ。
「す……素晴らしいですわ」
裕子は長大な脇坂のものを眼にして恐怖に裸身をブルブルと震わせながらいう。
「亭主の持ち物と比べた感想を言えといっただろう」
脇坂は裕子の髪の毛をつかむと、ぐりぐりと頭をねじらせる。
「お、大きくて……長くて……素敵ですわ」
「亭主の名前もいってもらおうか。何々さんよりも大きくて長くて素敵、こんな風にいうんだ」
「み、道夫さんのより大きくて、長くて、素敵……」
裕子は悔しげに睫毛を震わせながら強制された屈辱的な言葉を吐く。
「亭主のものは短小だからな」
脇坂が嘲るようにいうと裕子は思わず「主人を侮辱しないでっ」と反発する。
「今、奥さん自身が侮辱したじゃないか。亭主の持ち物より大きくて長い、ってな」
「う……」
裕子はぐっと詰まる。しのぶが裕子に逆らわないようにと宥めるような視線を送っているのが視界の隅に入る。
「亭主のは粗チンで、全然物足らなかったというんだ」
「……しゅ、主人のは……」
裕子の頬を一筋涙が零れ落ちる。
(あなた……許して)
そう胸の中で道夫に詫びた裕子は、涙に濡れた顔を脇坂に向ける。
「主人のは……粗チンで、全然物足りませんでした」
「よく言えたじゃないか」
脇坂と赤沢はゲラゲラと笑い出す。知性と教養、そして美貌を備えた人妻、まさに高嶺の花ともいえた小椋裕子を徹底的に貶めてやったという快感に、2人の男の肉の凶器は血管が浮き立つほど勃起しているのだ。
「そっちの奥さんもいうんだ」
赤沢が促すと、しのぶも諦めたように目を閉じ、
「達彦さんのよりも太くて、逞しくて、素敵ですわ……」
とハスキーな声で囁く。脇坂と赤沢は満足げにうなずき合う。
「そろそろ嘗めてもらおうじゃないか」
脇坂は鈴口から先走りの涎まで滴らせている肉棒で、裕子の柔らかい頬をぴしゃぴしゃと叩く。
「奥さんもどうだい、嘗めてみたいだろう」
赤沢は脇坂を真似て、自らの凶器で優美な人妻の頬を叩くようにする。男のむっとする淫臭がしのぶの鼻を刺す。吐き気を催すようなその臭いが次第にしのぶの官能を麻痺させていく。
「は、はい……」
しのぶは催眠術にかかったように頷く。
「嘗めてみたい、っていうんだ」
「な、嘗めてみたいですわ……」
次第にうっとりした表情になり、甘えたような声で囁くしのぶ。猛り立った一物で催促するように唇を突かれ、美夫人はおずおずと口を小さく開き、その先端に口吻を施す。
限界まで怒張し、鉄のように硬化した肉塊の先端に花びらのように柔らかい唇が触れ、赤沢は思わずおおっ、と無様な声を上げる。
「……嘗めながら上着を脱いでいくんだ」
赤沢の指示にしのぶは一瞬眉をしかめたが、すぐに頷き、硬化した肉塊に断続的にチュッ、チュッと口吻を注ぎ込みながら、スーツの上衣のボタンを外して行く。
「ほら、お仲間は早くも気分を出してるぜ。奥さんも急がねえか」
脇坂の声に裕子ははっきりと頷き、おずおずと伸ばした舌先を先走りの涎さえ流し始めている筒先に押し当てるのだった。

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