第71話 官能教室(1)

美樹は自信ありげに頷く。
「ここ数日、里佳子はレズの調教で完全に骨抜きにしてあるわ。私の言うことには反抗出来ないわよ。それに、逆らったら自分だけでなく、母親の恥ずかしい姿も世間に晒される。そんなことに耐えられるはずがないわ」
里佳子と健一は集音マイクでも広いにくいような小声で何事か話し合っていたが、やがて連れだって美樹のマンションに向かって歩き始める。
「ほら、うまくいったでしょ」
「ああ……」
誠一は思わず安堵の声を漏らす。
「最初から誠一がこの部屋にいるのは変だわ。少し時間を潰してきてよ」
「わかった」
誠一は頷いて部屋を出る。ようやく念願がかなう喜びからか、足取りも軽やかである。
(さてと……)
東公園からこちらへ向かう里佳子と健一の表情は、既に望遠レンズを使わないでも美樹の目にはっきりと映じていた。さすがに里佳子は後ろめたさの故か暗く、緊張した顔付きをしているが、健一は無邪気に、里佳子と共にいることを楽しんでいるようである。
この一見微笑ましいカップルを、淫らな地獄に落としてやる。健一の見ている前で里佳子をいたぶり、健一が誠一によっていたぶられる姿を里佳子に見せつける。自分と同い年の異性の前で里佳子はどんな新鮮な反応を見せるだろうか。そんな黒い期待に美樹の胸の鼓動は早くも高まって来るのだった。

「マネージャー候補だって?」
野球部顧問の飯島は、新也と正明の言葉にさもうさん臭げに顔をしかめた。
「どうせお前らの遊び仲間の頭の軽い女を部室に引き込むための口実だろう。そう都合よくはいくか」
「ひでえな、先生」
「ちゃんとしたマネージャーだぜ。なにせ慶応の学生だ」
「慶応だと?」
飯島は鼻先でせせら笑う。
「冗談もほどほどにしろ。A工業の歴史の中でも、卒業生が最後に慶応に合格してから四十年は経っているぜ。六十過ぎの学生がいればの話だけどな」
「うちの卒業生じゃないよ」
新也は口を尖らせる。
「れっきとした慶応の一年、しかもとびきり美人の女子大生だ。先生も一目見たら気に入るよ」
「ふん、お前たちにそんな美人の姉ちゃんがいたか?」
「俺たちの姉妹じゃないって」
「馬鹿いうな。卒業生でもねえ、生徒の父兄でもねえ、それなのにどうしてお前らみたいな連中の吹きだまりの野球部のマネージャーなんかになろうっていうんだ」
「それが、俺たちの言うことならなんでもきいてくれるんだよ」
「どうして慶応の女子大生がお前たちみたいな不良の言うことを聞くんだ。そんないかがわしい話を信用できるもんか」
「嘘だって思うんなら龍って人に話を聞いてくれよ」
「龍?」
新也の言葉に飯島は首を傾げた。
「……どこかで聞いたような名前だな」
「今晩6時に、駅前の『かおり』で先生と直接話をしたいって」
「『かおり』だと?」
飯島はかつて駅前のスナック『かおり』の常連だったが、最近は専ら風俗、それもSMなどの過激なサービスにはまってしまい、給料をそちらにつぎ込んでいるためすっかり御無沙汰している。
龍というのは昔たしかその『かおり』にいた無口なバーテンではなかったか。
「とにかく一度、話だけでもいいから聞いてくれよ、先生」
「ふん……」
飯島は力説する二人の不良少年を鼻で笑うと、探るようにじっと視線を注ぎ込む。
「何か事情が有りそうだが、今は聞かないでおこう」
飯島は口の端を歪ませる。
「わかった。お前達の顔を立てて龍の話を聞きに行ってやろう。どうするか決めるはそれからだ」

「うっ、ううっ」
放課後、里佳子によって美樹のマンションに呼び出された健一は里佳子が陥ったのと同じ手口、つまり痺れ薬入りの紅茶を飲まされ、身体が動かなくなったところを美樹と誠一により素っ裸にされ、後ろ手に縛り上げられた上に猿轡をかまされたのだ。
「健一君……ごめんなさい……ごめんなさい」
里佳子が清楚な白い下着姿で美樹に抱きすくめられたまま、泣きじゃくりながら健一に詫びる。従わないと母親と自分ばかりでなく、健一の母しのぶの恥ずかしい写真をインターネットでばらまくと脅され、切羽詰まったからとはいえ、健一を罠にかけるのに一役買ってしまった。
その罪をどうやって健一に償えばよいのか。里佳子は気が狂いそうな懊悩の中、ひたすら健一に詫びの言葉を吐き続けるのだ。
健一はズボンとパンツを脱がされた下半身素っ裸の姿で背後から誠一に抱きかかえられ、若い肉茎を揉み上げられている。
「ふふっ、どうだ……健一君。もうこんなにチンチンを堅くしてるじゃないか……可愛いやつだ」
「ううっ……」
健一は必死で身を悶えさせて誠一から逃れようとするが、薬が効いているのか思うように力が入らない。
「この日をずっと楽しみにしていたんだ。じっくり楽しませてもらうよ」
誠一は掌にローションを取り、慣れた手つきで健一の肉茎を柔らかく揉み上げる。健一は里佳子の目の前で素っ裸にされ、とんでもないところを嬲られる羞恥とおぞましさに惑乱の極にある。
「ほら、健一君ったら、誠一にモミモミされてだんだんオチンチンを堅くしてきたわ。里佳子と同じで、案外こんなことが嫌いじゃないみたいね」
美樹は下着の上から里佳子の乳房を揉み上げながら、耳元で妖しく囁く。
「ああ……」
健一が同性愛者である誠一に嬲られるのを見せつけられる辛さ、そればかりでなくその健一の目の前で今度は自分自身が、美樹によってレズビアンの責めを受けさせられる。里佳子は気が遠くなるほどの羞恥と屈辱の中、このまま大地震でも起きてすべてが終わってくれないか、などと考えているのだ。
「さあ、里佳子。単語の練習よ。きちんと覚えてきたわね」
震えながら頷く美少女の背後から美樹が両腕を回し、清楚な白い下着をたくしあげ、ブラジャーを押し下げると可愛く膨らんだ乳房を露出させる。
「ああっ」
健一の前で羞ずかしい乳房を露わにさせられる衝撃に、里佳子は思わず小さな悲鳴を上げる。
「最初に、ここはなんていうの?」
「Ti……Tits……おっぱいです」
「ここは?」

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