第88話 3匹の牝馬(1)

またその頃、香織の自宅に軟禁されたままの小椋道夫も、現在事実上の夫婦としての生活を送らされている加藤しのぶがここのところずっと「プシキャット」に詰め切りで帰宅できないこともあり、世良香織と史織の母娘によって退屈しのぎを兼ねた責めの餌食となっていた。
「おじさまのものは貧相なんだから、せめて射精の数でカバーしないと……今夜は3回しっかり射精するまで寝かせてあげないわ」
まだ中学一年の史織が、素っ裸を四つん這いの姿勢で固定された道夫の肛門に指を入れ、いわゆる前立腺マッサージを施している。
「あっ、見つけたわ。お母様。ここのコリコリしたところね」
「そうよ、そうしたらそこを力をいれて揉み上げてご覧なさい」
「ここね……あら、本当だわ。それなりに堅くなって来たじゃない」
史織の責めにより道夫の陰茎は力を増し、ぐっと首をもたげて来る。その滑稽ささえ感じさせる動きに、サディスティンの母と娘は顔を見合わせて笑い合う。
抵抗するたびにスタンガンを押し当てられ、完全に香織と史織に屈服した道夫は、猿轡を噛まされた上に身動きが出来ないほどがっちりと縛り上げられている。
「ちょっとママにやらせてご覧なさい。あなたはそのままお尻の方を虐めるのよ」
香織は手のひらに乳液を取ると、道夫の肉棒を微妙な手つきでゆっくりとさすり上げる。
「ううっ……」
猿轡の下で道夫はくぐもったようなうめき声を上げる。
「……どう? 気持ち良いでしょう。そのうちにここんところが病み付きになるわよ。心配しないでもしのぶにもこのやり方はしっかり教え込んでいるから、これからも堪能できるわよ」
2人の女、それも一人は次女の里佳子よりも年下の少女によりいいように嬲られている道夫は、耐えがたいほどの屈辱の中で、いつしか甘い敗北感と被虐的な快感の中に身も心も浸っていくのを感じているのだ。
「それじゃあ小椋さん、一週間お仕事が頑張れるように、煩悩の元をしっかりと出しておきましょうね」
香織と史織は顔を見合わせて微笑すると、調子を合わせて道夫へのいたぶりの手を強めて行くのだ。
日曜の夜それぞれ別々の場所で様々な形で、徹底的なまでに責め上げられた小椋家と加藤家の6人の男女、加藤しのぶと健一の母子と小椋家の全員、道夫、裕子、貴美子、そして里佳子は月曜の朝には新たな調教のステージを迎えることになるのだった。

月曜の朝、黒田の経営する駅前のコンビニ前には一週間ぶりに脇坂、赤沢、そしてその仲間たち数名が集合していた。早朝のジョギングは彼らにとってすっかり習慣となったのだが、先週はしのぶと裕子が「プシキャット」にほぼ詰め切りの状態だったため、お休みとなっていたのだ。
刺激的なマイクロビキニ姿での2人の美熟女の早朝ジョギングはニュータウンの中で静かな噂となって広がっており、脇坂たちに便乗して同じ時間、同じコースを走るものも着実に増えて来ている。それに伴い終着点である東公園の、しのぶと裕子によるオナニーショーのギャラリーも増加しているのだった。
俄かジョギング愛好者、あるいはショーのギャラリーのなかには当然しのぶや裕子を直接、間接的に知っているものもいる。まして駅前でのバニーガールスタイルでのティッシュ配りや、「プシキャット」でのソープ嬢としての勤務を経験させれば、その数は増すばかりである。
今のところジョギング時にはスポーツサングラスを付けさせていたし、オナニーショーも脇坂たちグループ以外にギャラリーが現れてからは同様にしていた。しかしながら2人の髪形、身体つきなどから判断して、早朝の痴女たちがしのぶと裕子であることに気づくものも今後は出てくることだろう。香織の思惑どおり、しのぶと裕子はそれと意識しないまま確実に堕落への道を歩んでいるのだ。それは2人の美夫人が愛する夫や子供たちとともに、Aニュータウン共用の性奴隷へと落ちて行く道だった。
久々に美夫人2人に対する露出調教が楽しめるというので脇坂たちは心が浮き立つ思いでしのぶと裕子の到着を待っていた。やがて黒田の営業車と思われるミニバンがするするとコンビニの前に滑り込んでくると、静かに停止した。
ミニバンの扉が開き、しのぶと裕子が姿を現した。いつものように派手なマイクロビキニとジョギングシューズのみを身につけた半裸の姿だったが、唯一違う点は頭部が黒いラテックス製の全頭マスクで覆われていることだった。
もちろん目の部分はくりぬかれているし、呼吸を確保するために鼻と口に当たる箇所も穴が空いている。しかしマスクで覆われた2人の顔は予想以上に無個性に見える。わずかに特徴を現しているのはしのぶの涼しげな瞳と、裕子の憂いを含んだ瞳だけだった。
しかしながら2人の身体つきを見てみると、熟れ具合の点で裕子夫人が勝っていることが歴然としており、脇坂たちが見間違えることはなかった。
脇坂や赤沢たちはマスクとマイクロビキニ、そしてジョギングシューズのみを身につけたしのぶと裕子の倒錯的な美しさをぼおっと眺めている。
しのぶたちの後からミニバンから降りた香織に、脇坂は声をかける。
「今日は随分変わった趣向だね、かおりママ」
「今朝からもう一人参加者が増えるのよ」
香織はそういうとにっこり微笑んであたりを見回すと、脇坂たちを呼ぶ。
「この2人よりずっと若くてピチピチした女の子よ。同じようにマスクとビキニ姿で走らせるけど、その娘の前では2人の素性については触れないで欲しいの」
香織はしのぶと裕子からは聞こえないようにそう告げる。脇坂たちは心得たようにうなずく。
「そういえば今日は黒田さんは参加しないのか」
「ちょっとお疲れみたいで、新しい参加者を確認したら、少し眠りたいんだって」
「ふん」
珍しいこともあるものだと脇坂は鼻を鳴らす。
黒田と飯島が「プシキャット」でしのぶと裕子から甘美なまでの奉仕を受けたことを聞いたら、脇坂たちの気持ちはとても穏やかとはいかなかっただろう。特に裕子夫人に執心している脇坂は、飯島に対して激しく嫉妬したに違いない。
しばらくして一台の乗用車がコンビニの前に止まり、助手席のドアが開いた。中から押されたのか、たたらを踏むように出て来たのは、やはりラテックス製のマスクとマイクロビキニ、ジョギングシューズ姿の小椋貴美子である。
「ひっ!」
貴美子はコンビニの前に数人の男たちが集合し、いっせいに自分に視線を向けたのに恐怖に似た驚きを覚える。さらに、男たちの近くに自分と同じ格好をした2人の女性が立っているのに驚愕する。
「こ、こんな……一人で走るんじゃないんですか」
貴美子は車内の龍を振り返り尋ねる。
「俺がそんな風に言ったか?」
「い、いえ……」
貴美子は口をつぐむ。
「大勢で走った方が楽しいだろう。さあ、早く行け。大学へ行くまでに少しでも眠りたいんだろう。ぐずぐずしているとその格好のままキャンパスの中に放り出すぞ」
「い、嫌……わ、わかりました」
貴美子は覚悟を決めて出ようとするが、龍は何か思い出したように呼び止める。
「ちょっと待て。大事なことを忘れていた」
龍はそういうと後部座席から小さな酸素ボンベのようなものを取り出し、キャップを外す。

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