第102話.崩壊への序曲(9)

次から次へと繰り広げられる淫虐の狂宴を、留美は現実に起きていることとは思えない。今自分は東公園にいるのではなく、暖かいベッドの中で淫らな夢を見ているのではないのだろうか。
「どう? 留美。面白かった? 感想を聞かせてよ」
史織の声に留美ははっと我に返る。
「どうして……こんなことが……」
留美は震える声で史織にたずねる。史織はクスクス笑いながら、背後からそっと留美を抱くようにする。
「どうしてって? 面白いじゃない。人をいじめるって」
史織は留美の耳元で囁き、Tシャツの布地越しに留美の幼い胸をまさぐるようにする。ショックのあまり力が抜けてしまった留美は抵抗もせず、史織にされるがままに身を任せている。
「それも学校でターゲットを一人決めて、ちまちまいじめをするよりも、こうして家族全員をターゲットにした方がずっと刺激があるでしょう? その哀れな生け贄になったのが香奈の家族と小椋先輩の家族ってこと」
「だけど……どうして……」
「どうして香奈と小椋先輩の家族が選ばれたか、って聞きたいの?」
史織のクスクス笑いがわずかばかり大きくなる。
「決まっているじゃない。香奈と小椋先輩が東中の美少女ナンバーワンなんて言われていい気になっているからよ。それで私が彼女たちをターゲットに選んだの」
史織の言葉に、留美は驚きに目を見開く。
「2人とも、学校の中でターゲットにしていじめる方法もあったけれど、香奈については私と同じ学年だから、それくらいじゃ気が済まなかったの。小椋先輩は上級生で人望もあるし、お母さんがPTA会長だったりするので簡単にターゲットにする訳にはいかないわ」
史織は留美の首筋にチュッと接吻をする。留美はまるで吸血鬼に血を吸われたような恐怖と、幼い官能の震えを同時に知覚し、身体をブルッと震わせる。
「それでママと相談して、まず香奈のロリコン気味のお父さんを、私が罠にかけることにしたの。それから先はわりと簡単だったわ。まずは香奈のお母さん、そして小椋先輩のお母さん、お姉さん、さらには小椋先輩と香奈のお兄さんって具合に芋づる式に罠にかかったのよ」
史織はさも楽しそうにそう言うと、留美の乳房をやわやわと揉み始める。
「柔らかいオッパイをしているのね、留美」
「し、史織……へ、変なことはやめて……」
「留美のお姉さん、確か小椋先輩と同じクラスだったよね?」
史織は留美の言葉を無視していきなり問いかける。
「そ、そうだけど……」
「それも小椋先輩の親友の一人だって聞いたわ。留美もお人形のような顔をしているけど、お姉さんもなかなか可愛い人ね」
「な、何が言いたいの……」
「そんな留美とお姉さんのママも、可愛い感じの人なんでしょうね」
留美は史織の言葉に激しい恐怖を覚え、ガタガタと身体を震わせ出す。
確かに留美の母は少女を思わせるような童顔で、40歳という年齢にはとても見えず、10歳近く若く見られることがしばしばである。
「留美とお姉さん、それから留美のママをあんな風に素っ裸で並べてオナニーさせたらどんな感じかしら」
「やめてっ!」
留美が思わず大きな声を出すと、史織は留美の丸い尻をパシンと叩く。
「静かにするのよ」
史織はそう叱咤すると、再び留美の耳元に口を寄せる。
「私の言うとおりにすれば留美の家族をターゲットにしたりしないわよ」
「は、はい……」
「それじゃあ…………良いわね?」
「わ、わかりました」
留美は蛇に睨まれた蛙のように史織のおぞましい命令を受け入れ、従順に返事をする。

一方、公園の中央で自慰行為に耽っている全裸の5人の男女は、次々にその崩壊の姿を晒して行く。
最初に華々しい敗北の光景を展開したのは小椋貴美子である。
「あ、ああっ! け、慶応大学1年、小椋貴美子、18歳っ、恥をかかせていただきますっ、ああっ、イクっ!」
絶頂に至ったことをはっきりと告げ、空手で鍛えられた裸身をブルブル震わせる貴美子。ヘリウムとともに媚薬を嗅がされたせいか、龍の鍼による調教ですっかり性感を開発されていたせいか。勝ち気な貴美子が真っ先に白旗を上げたことを香織は痛快に思うのだ。
次に一瞬置いて、里佳子としのぶがほぼ同時に絶頂を極める。
「ひ、東中学3年、お、小椋里佳子っ、じゅ、14歳っ。い、イカせていただきますっ。ううっ!」
「か、加藤しのぶっ、せ、専業主婦っ、さ、37歳っ! 気を、気をやりますっ! ああっ!」
美少女と美熟女がほざくようにそう言うと、対照的な裸身をほぼ同時に震わせる。青天井の下、衆人環視の中で激しい崩壊の姿を示し合った里佳子としのぶのすすり泣きの声が、ギャラリーを陶酔に招くハーモニーへと変じて行く。
(ああ……あと一人)
しのぶを救うことができなかったばかりか、自らの軽率さが夫の道夫、そして娘の貴美子と里佳子までも淫虐地獄へと招き入れる結果となった裕子は、深い絶望と悔恨の中、せめて自分が最後までこの羞恥地獄へとどまろうと、自涜のペースを調整させていた。
すでに貴美子、里佳子、そしてしのぶは黒田のミニバンに収容され、公園に残されたのは健一と裕子だけである。健一が崩壊し、ミニバンに収容されるのを待ってから裕子は自らを解き放つつもりだった。
「おいおい、お坊ちゃん、まだ気をやれねえのかい」
「早くしないと車の中でママが待ちくたびれちまうぜぜ」
「ああ……」
健一はベソをかきそうな表情で半勃ちになった若い陰茎をしごき続ける。土曜から日曜にかけてぶっ通しで誠一から調教を受け、何度も精を絞り出されたあげく、今朝からも車の中で一度、公園で母のしのぶと向かい合わせにされて一度射精を強いられているのである。いかに若い健一といえど、そう簡単に回復するものではなかった。
焦れば焦るほど健一の肉棒は力を失い、ギャラリーの数は増えてくる。健一はまた、里佳子の母の裕子が、健一だけに恥を晒させる訳にはいかないとこの場に残ってくれているのを感じていた。その気持ちは有り難いのだが、逆にそれが健一を焦らせる要因にもなっている。
「お尻の穴も同時に触って見たらどうだい、健一君。もうそこがかなり感じるはずだ」
誠一にからかわれ、健一は少女のように頬を染める。健一はしばらくためらっていたが背に腹は変えられないと思ったのか、片手を背後に回し自らの菊蕾をいたぶり始める。美少年のその滑稽な仕草がギャラリーの哄笑を誘う。
「お兄さん……」
留美は憧れの美少年の痴態を惚けたような表情を向けている。ひたすら射精することだけを念じ、片手で陰茎を、もう一方の手でアヌスを必死で愛撫する健一──その中性的な裸身から醸し出される妖しいまでに清冽なエロチシズムから、留美は目をそらすことが出来ないのだ。

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