第104話.最後の獲物(1)

「だいぶ調子が出てきたじゃない……次はこんな風に言うのよ」
香織が裕子の耳元に口を寄せ、何事か囁きかけると裕子は「そんなこと……言えませんわ」となよなよと首を振るが、佐藤に豊かな両乳房を揉み上げられ、脇坂に双臀の狭間に秘めた肛門をくすぐられるうちに、あっけなく屈服する。
「ね、ねえ……健一君。おばさんのお……おマンコがわかる?」
裕子はゆらゆらと腰部を揺らしながら、香織に強いられたおぞましい科白を吐き出す。
「おばさんのおマンコの色や形……健一君のお母様や里佳子と比べてどうかしら……お、美味しそう?」
健一は裕子が、母のしのぶや里佳子を比較させるような言葉を吐いたので愕然とする。
確かに健一は目の前の裕子のものを、先程赤沢たちに責め上げられて華々しい女の崩壊の姿を見せたしのぶの成熟した女陰や、美樹のマンションの中で向かい合わせで責められた里佳子の清楚ささえ感じさせる女陰と無意識のうちに比較していたのである。
「たくさんの殿方のオチンチンをくわえ込んだ……淫乱なおマンコがわかる? 年齢の割りには締まりが良いって……評判なのよ」
裕子はそんな自分の淫らな言葉に煽られたように、逞しいばかりに張り出した腰を大きくグラインドさせていく。
脇坂と佐藤に後ろから支えられた裕子は、まるでリンボーダンスをするような姿勢で健一に向かって露な女の部分を見せつけるように突き出している。裕子の女唇はすっかり口を開き、幾重にも畳まれた花襞まではっきりと健一の眼前にさらけ出している。
健一はすっかり裕子の濃艶な演技に魅せられ、美しい熟女のその中に吸い込まれそうな錯覚さえ湧き起こってくる。若々しい男根は青筋を浮き立たせるほど勃起し、ピンクの亀頭は先走りの液でてらてらと濡れている。
再び香織に何事か囁かれた裕子ははっきり頷くと、両手の指先を女唇に当てぐいと押し開く。
「ね、ねえっ。見てっ。健一君っ。おばさんのクリトリスを見てっ」
裕子の陰唇はまるでゴムのように引き伸ばされ、屹立したクリトリスの全容が露わになる。小指の先程まで勃起した裕子のその部分の根元に、金色のリングがしっかりとはめ込まれているのを健一は確認する。
その途端限界近くまで高まっていた健一の官能はたちまち頂上を極め、素っ裸の美少年は切羽詰まった声を上げる。
「お、おばさまっ。ぼ、僕っ、もう、いきそうっ」
「ま、待って! 健一君。おばさまと一緒に」
裕子はまるでそれが自分の官能のスイッチであるかのように、縊り出されたクリトリスを強くひねり上げる。途端に強い苦痛とともに被虐性の快感が湧き上がり、裕子の官能は健一を追うように頂上を極める。
「みんなと同じように名前と年齢、身分を言ってからいくのよ。出来なければやり直しよ」
香織の残酷な言葉が2人に浴びせられるが、裕子と健一にもはや抵抗の気力はない。2人はがくがくと頷くと同時に美麗な裸身を電流に触れたように震わせ、強制された言葉を張り上げあう。
「ひ、東中3年、加藤健一、じゅ、14歳、イカせていただきますっ」
「お、小椋裕子っ、42歳っ、大学講師っ、気をやりますっ。ああっ!」
健一の肉茎の先端から、どこにこれだけの量が残っていたのかと思うほどの樹液が迸り、地面を濡らす。裕子はそれを視界の隅で見ながらうっすらと意識が遠くなるのを感じていた。

「あ、ああっ……」
裕子と健一が激しい自得行為の果てに裸身を震わせながら気をやるのとほぼ同時に、ギャラリーの片隅で軽く絶頂に達した少女がいた。2人が自らの肉体を責めるのとシンクロするように、史織によって玩弄されていた美少女、山崎留美である。
中学1年とは思えない巧みな技で留美の幼い肉体をすっかり燃え上がらせた史織は、勝ち誇ったような笑みを浮かべ、花びらのような唇をヒクヒクと震わせている留美の耳元に囁きかける。
「わかったわね? 言うことを聞かないと、留美は公園で気をやるエッチな女の子だって噂を学校中に流すわよ」
「や……めて……わ……かり……ました」
留美はブルブルと身体を震わせながら途切れ途切れの声で答える。
「今晩10時に、駅前のコンビニまで香奈を呼び出すのよ、いいわね?」
「は……い……」
「もし失敗したら、留美や留美のママ、留美の姉さんの3人が来週から毎朝トップレスでジョギングすることになるのよ」
嫌々と首を振る留美の心の中には親友である香奈に対する裏切りに伴う申し訳なさより、今しがた目撃した美少年の崩壊の姿による衝撃の方が大きかった。
(ああ……もっと見たい……健一さんのあんな姿を……出来れば私の手で健一さんを……)
留美は自らの幼い身体の中に妖しい情念が確実に芽をふきだしたのにいまだ気づいていなかった。

キャラクターのストラップがいくつも付けられたコーラルピンクの携帯電話をしっかりと握り締めた加藤香奈は夜道を駅に向かって急いでいた。
広い道の両側にびっしりと住宅やマンションが立ち並ぶ新興ニュータウンは決して治安は悪くない。しかしながら午後10時前ともなると駅から家に向かう通勤帰りの人の流れはさすがにやや少なくなる。香奈は心細さを必死でこらえながら足を速めていた。
香奈にとって心細いのは家にいても同じ、いや、むしろそれ以上である。香奈の家庭、加藤家はまさに崩壊寸前の様相を示していたのだ。

(パパとママ……離婚するのかしら……)
月曜の夜、広い家の中で独りぼっちでいる香奈の心の中に不安の黒雲が湧き上がっていた。
香奈の家がおかしくなり始めたのは先月の初め、母のしのぶが急に駅前のスナック「かおり」に勤め出してからである。どちらかといえばおとなしく、控えめだった母がお酒を出す夜の店に勤めたのも驚きだったが、それと同時に父との仲が急にギクシャクしてきたのである。
母のしのぶはすでに1週間以上家を空けている。いつもなら香奈の質問になんでも答えてくれる父親の達彦もしのぶのことについては歯切れが悪い。
父と母は家庭教師とその生徒という関係から恋愛に発展し、結婚して15年が経った今でも娘の香奈から見てもまるで新婚夫婦のように仲が良かった。3年前にこのAニュータウンに新居を構え、香奈がその一員である加藤家は絵に描いたような幸せな家庭だったのである。
しかし、いまやその幸せは香奈の目にも明らかに危機に瀕していた。母だけでなく、兄の健一も土曜日以来3日も家に帰ってこない。いつもはそれほど遅くならない父親の達彦も、今夜はまだ何の連絡もない。
(ひょっとしてママはもうパパと別居していて……お兄ちゃんはママと暮らし始めたのかしら……)
香奈の心にまた新たな不安の種が生まれ芽を吹き始めた時に、携帯にメールの着信音があった。

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