「さっきたっぷり浣腸をしてあげたから、お尻の中はきれいなもんだ。ほら、兄さんのウンチがついていないだろう」
「嫌だ、そんなの見せないでよ」
史織がケラケラと笑い出す。
「それよりも早くやっちゃってよ、誠一さん」
「そうせかすんじゃない」
誠一と呼ばれた若い男は筒具を置いて立ち上がると身に付けたTシャツとジーンズを床に脱ぎ捨てると、素っ裸になる。端正な顔立ちに似合わず男の身体は筋肉質であり、股間の肉塊は隆々とばかりに天を向いて勃起している。
「嫌……」
恐ろしさに顔を背ける香奈を見て史織はケラケラと笑い出す。
「あんたを犯そうっていうんじゃないから、そんなに怖がらなくっても大丈夫よ、香奈」
史織は楽しげにそう言うと香奈の柔らかい頬を指先でつつく。
「それよりも、よーく見ているのよ。男と男のセックスなんてめったに見られるものじゃないから」
史織の言葉に香奈は表情を引きつらせる。
「な、何ですって」
「聞こえなかったの? 今からあんたのお兄様と、誠一さんがセックスするのよ。男同士のプレイってどんなものか、勉強のためにじっくり見ていることね。どちらも奇麗な男だからなかなかの見物よ」
あまりのことに香奈の身体はぶるぶると震え出す。香奈は怖いほどに引きつった顔を少し離れたところに立って香奈の視線を避けるようにしている留美に向け、叫ぶように言う。
「る、留美っ。どういうことなのっ。私を騙したのっ」
「健一さんが万引きしたのは本当よ……騙してはいないわ……」
「で、でも……これはいったいどういうことっ」
「留美を責めちゃあ駄目よ。留美は私に命令されてあんたを呼び出しただけよ」
史織は革製の枷具を手に取り、香奈に近づく。
「しばらくお兄様の気が散らないように、おとなしくしてもらうわ」
史織は枷具を香奈に見せつけるようにする。それは黒い革製の枷具に赤いボールが取り付けられたボールギャグだった。
「や、やめて……そんなもの……」
禍々しい枷具を目にした香奈は恐怖のあまり嫌々と首を振る。
「動いちゃ駄目よ……留美、手伝って」
留美はこくりと頷くと香奈に近寄り、後ろから頭を押さえ付けるようにする。
「嫌っ」
香奈は必死で首を振りながら逃れようとする。
「動いちゃ駄目、って言ったでしょ」
「あっ!」
史織はいきなり香奈の頬をぴしゃりと平手打ちする。
「黒田さん、しっかり香奈を押さえていてね」
「よっしゃ」
黒田と呼ばれた中年男は香奈を後ろから羽交い締めしている腕の力をぐっと強める。
「い、嫌っ……やめて……む……むむっ……」
必死で抵抗する香奈だが3人がかりの力にはかなうはずもなく、おぞましいボールギャグをあっけなく取り付けられて行く。
「見物人がおとなしくなったところで、始めるとするか」
誠一が健一の尻をぱしんとたたくと、健一はすべてを諦めたように静かに目を閉じ、両足を開いて形のよい尻を誠一に向かって突き出すようにする。
「いくぞ」
誠一が屹立した肉塊を美少年の狭隘な菊門に押し当てる。誠一がぐいと腰を推し進めると健一のそれは微妙な収縮力を発揮し、誠一をしっかりと迎え入れて行くのだ。
「うっ、ううっ……」
男に犯されるところを妹に目撃される羞恥と屈辱――健一の頭の中は麻のように乱れ、正常な思考力は徐々に失われて行く。
「ほーら、誠一さんのオチンチンがお兄様のお尻の穴の中に入ったわよ。どう、香奈。わかるかしら」
兄のとんでもない痴態から必死で顔を逸らそうとする香奈の頭を無理やり押さえ付けるようにしながら、史織は香奈の耳元でさも楽しそうに話しかける。
「うっ、ぐーっ」
香奈はボールギャグの下でうめき声を上げながら身悶えるが、黒田の馬鹿力で羽交い締めにされているためろくろく身動きができない。
「留美、お兄様の猿轡を外して上げてよ。香奈と一緒に良い声が聞きたいわ」
「わかった」
史織の言葉に留美が頷くと、背後から誠一に貫かれて早くも被虐的な官能に妖しく身悶えを始めている健一に近寄る。健一の下半身にちらと目をやった留美は、美少年の若茎がはっきりと熱気を持って膨張を示しているのを見て、何か裏切られたような気分になる。
「猿轡を外すわよ、いいわね、お兄さん」
留美は冷ややかな目で、頬を上気させた健一をちらりと見ると、固く噛まされた猿轡を外して行く。
口の自由を取り戻した健一は、ああ、と少女のようなため息を吐くと、誠一がリズミカルに腰を前後し始めたのに協調するかのようにしなやかな腰部をうねらせ始める。
誠一の硬化したものの先端で前立腺を刺激されるたびに「あっ、あっ」と切なげな声を上げ始めた健一を、香奈は信じられないものを見るという表情を向けている。
「香奈のお兄さんったら、すっかりホモの楽しみ方を覚えたみたいね。随分楽しそうに腰を振っているじゃない?」
史織はそんなことを言いながら、黒田に羽交い締めにされた香奈の身体のあちこちをゆっくりと刺激して行く。
「うーっ」
香奈は目を見開いて拒絶の意志を示すが、兄の無残な姿態を見せつけられ、思うように力が出ない。史織が繊細な指先で香奈のうなじや腋の下、可愛い臍の周りや内腿などを刺激して行くうちに、香奈は麻酔がかけられたように身体から力が抜けて行くのだ。
「留美、お兄さんのオチンチンを苛めてあげてよ」
史織が手持ち無沙汰な風情の留美に声をかける。
「ええっ?」
「ほら、いかにも誰かに摩ってほしい、っていう感じでゆらゆらと揺れているじゃない。手が空いているのは留美しかいないのよ」
「でも……」
留美はちらりと香奈の方を見る。香奈は恨めしげな視線をちらりと留美に向けたが、すぐに口惜しげに目を伏せるのだった。
「口で苛めの言葉を言いながら摩ってあげるといいわ。香奈のお兄様、マゾなのよ」
「マゾ……」
留美は健一の裸身にじっと視線を向けながら、不思議そうに呟く。
「朝の公園で見たでしょう? 健一は明らかにマゾ、それも母親譲りの生まれつきの変態よ。苛めてあげたら喜ぶのよ。特に言葉責めはお気に入りよ」
史織の言葉に催眠術にかけられたように留美はこっくり頷き、素っ裸の健一にふらふらと近寄ると、足元に座り込む。
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