第107話.最後の獲物(4)

留美が身をかがめると、両肢を大きく開いた健一の股間から、ピンク色の肛門が背後から誠一の剛直によってしっかりと貫かれているのが分かる。留美はそれを見たとたん、妖しいほどのときめきに胸の奥が締め付けられそうになり、大胆にも健一の屹立したペニスに手を伸ばす。
「あっ……」
敏感な箇所を妹の親友の手で触れられた健一は一瞬抗うようなそぶりを見せるが、とたんに背後から誠一に強く押し込まれ、諦めたように留美に身を任せる。
(健一さん……私に摩られてこんなに大きくなっている……)
留美は始めは躊躇っていたが、憧れていた親友の兄、健一を自らの手でいたぶるという倒錯した状況に徐々に酔い痴れ、麻薬を嗅がされたような心地になっていく。留美の変化を見て取った史織は香奈を愛撫する手をいったん止め、留美に近寄ると耳元で囁きかける。
「こんな風に言ってあげると、この子ったら、もっと興奮するのよ」
留美は驚いたような顔を史織に向けるが、史織が催促するように頷きかけると、同意を示すように首を縦に振る。
「お、お兄さんったら……いけない子ね……私の目の前でこんなにおチンチンを大きくしちゃって」
留美は掠れた声で史織に言われたとおりの卑猥ないたぶりの言葉を吐く。留美は自分で自分の言葉に驚いたようにはっと手を止める。
(私ったら……健一さんになんてことを……)
留美はおろおろと健一の顔を見上げる。しかし、そこには留美に対する怒りや屈辱といった色は見えず、健一は少女のように赤く染めた顔をさも恥ずかしげにの視線から逸らしているのみであった。そればかりか留美の手の中で健一の逸物は確実に膨張を示しているのだ。
(健一さん……悦んでいる……)
留美は自分の中に生まれた悪魔的なものに突き動かされ、健一のそれをしっかりと握り締めて行く。
「ねえ……お兄さん。留美の方を見て」
留美は真っすぐ健一に視線を向ける。健一は留美に言われるがまま気弱げな視線を返す。
「お尻の穴に誠一さんに愛されながら、こうやっておチンチンを苛められるのがそんなに気持ちがいいの?」
留美は余裕を得たように健一の肉茎を両手で包み込むようにしながらゆっくりと愛撫する。健一の鈴口から分泌される先走りの涎を留美は掌に取ると、健一の亀頭になすり付けるようにする。
(史織が言ったとおり、マゾなんだわ……)
ここに至って留美は健一の被虐性を確かに感知するのだ。
「知らなかったわ……お兄さん、ホモの変態だったのね……憧れていたのに……幻滅だわ……」
留美は侮蔑的な言葉とは裏腹に、掌の中でますます健一が熱く大きくなって来るのをたまらなくいとおしくおぼえながら、同時に嗜虐的な性感が身体の中に込み上げて来るのを感じている。
「ねえ……お兄さん……もっと大きくして……もっともっと固くして……」
留美は甘えるように健一をじっと見つめ、甘く囁きかける。妹の見ている前でその妹の親友の留美から「お兄さん」と呼びかけられながら、恥ずかしい逸物をなぶり、愛される倒錯的な快感に健一の頭はすっかり混乱し、まるで妹の香奈からいたぶられているような錯覚に陥って行く。
「か……香奈っ……そんな……駄目だよっ」
香奈の名前を思わず口にした健一に留美は不思議そうな表情を向けていたが、すぐに納得したような笑みを浮かべるとわざと香奈の声色としゃべり方を真似る。
「お兄ちゃん……すごい……香奈に手コキをされてこんなにおチンチンをふくらませるなんて、恥ずかしくないの?」
黒田に羽交い締めにされていた香奈が抗議するように「うーっ!」と声をあげる。史織は「おとなしくしなさいっ!」と言うと香奈に往復ビンタを見舞う。
「ねえ、お兄ちゃん……おチンチン気持ち良い? 気持ち良いなら気持ち良いって言って……」
留美は指を立てて健一の鈴口をグリグリとこね回す。鋭い刺激に健一は「ああっ」とうめくと、留美に強いられるまま「き、気持ち良いっ」と声をあげる。
「おチンチン気持ち良いよ、って言って」
「おチンチン気持ち良いよっ」
「お尻の穴も気持ち良い?」
「き、気持ち良い……お尻の穴も気持ち良い」
「ヘンタイなお兄ちゃん」
留美はクスクス笑うと勢いをつけて健一の肉棒を扱き出す。
「おお、健一君のケツマンがびっくりするほど締まり始めたよ」
健一を貫いていた誠一が、感嘆めいた声をあげる。
「ケツマンってなあに? 誠一さん」
史織がニヤニヤしながら尋ねる。
「ホモの呼び方でケツのマンコのことさ。つまり、お尻の穴だね」
「嫌だ……」
史織と留美は顔を見合わせて笑い合う。
「それじゃあケツマン気持ち良い、って言ってみて。お兄ちゃん」
留美が悪戯っぽい笑みを浮かべながら健一の亀頭をこね繰り回す。健一はあっ、あっと切なげな声をあげながら嫌々と顔を左右に振っていたが、誠一が根元まで突き通すような勢いでぐいと突き上げると「け、ケツマン気持ち良いっ」と叫ぶような声をあげる。
「やっぱり健一君はマゾなんだな。言葉責めをされたら途端に締まりが良くなった」
「ホモでマゾだって……香奈のお兄さんって救いようのない変態ね」
史織はケラケラ笑いながら香奈への粘っこい愛撫を再開する。
「うーっ!」
史織は少女の弱点を知悉しているかのように巧みに香奈の身体のあちこちに愛撫を施して行く。香奈は身を堅くして史織の責めに必死で耐えようとするが、目の前で兄が淫らな嬲り物になっているという異常事態に、次第に全身が火照って来るのを抑えることができない。
一方、健一は背後から誠一に責められ、前部を留美に嬲られているうちに、すでにその官能は限界にまで達している。
「あ、あっ、ぼ、僕っ、いっ、イッちゃいますっ!」
もはや射精寸前なのか、健一は叫ぶような声をあげると下半身をブルブル震わせる。
「ちょっと待て。僕はもう少しだ」
「は、早くっ。ああ、が、我慢できないっ」
健一は誠一の射精をせがむように尻を前後に激しく動かし、肛門をリズミカルに収縮させる。厳しいホモ調教によって身につけさせられた手管だったが、男娼のようなそんな仕草に香奈は激しい衝撃を受ける。
(お兄ちゃん……どうして……)
ようやく「よし、いってもいいぞっ」と誠一から声がかかる。健一は「ハ、ハイっ!」と叫ぶように言うと、全身を電流に触れたように激しく震わせ、膨張した肉棒の先から大量の白濁の液を迸らせる。
「きゃっ……」
健一の肉塊を握り締めていた留美は、ピクン、ピクンとそれ自身が生き物のように蠢く生々しさに思わず手を離し、放物線を描いて飛んでいく樹液を惚けたような表情で見つめているのだ。

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