第108話 嗜虐の競艶(1)

健一がコンビニのバックヤードで若々しい肉茎を留美にいたぶられ、狭隘な菊門を誠一に責められ、ついに妹の香奈の前で破廉恥な崩壊を遂げたころ、同じビルの3階にあるスナック「かおり」では、健一と香奈の母親であるしのぶと、小椋家の3人の女たち、裕子、貴美子、里佳子に対するいたぶりが開始されていた。
週末から今日の早朝におよぶ激しい責めを受けた哀れな奴隷たちだったが、さすがに休養が必要と香織が判断したため、貴美子は大学の講義を欠席し、A工野球部マネジャー兼用務員の仕事も休んでいた。
裕子も同様で、大学で持っているの国文学の講義は休講届けを出さされている。もっとも裕子の休講は今に始まったことではない。香織たちの罠に落ちて以来休みがちだった講義は、先週の吉原のソープでの泊まり込みの講習により完全に途絶えている。
裕子の講義はわかりやすく学生たちに評判が良かったが、これだけ休みが多いと以前の評価が高かったためにかえって落差が目立ってきている。大学側は講義の差し替えを検討しており、このままの状態が続けば裕子は長年の憧れであった大学講師の仕事を失うのは必至であると言える。
同様のことは貴美子にも言えた。先週の水曜の夜に龍に処女を奪われ、その後の鍼を使った酸鼻な調教により調教によるショックで翌日大学を休んだ貴美子は、金曜、土曜はなんとか通学した。しかしながら土曜の夕方から開始されたA工野球部のマネジャーと用務員の仕事、そして昨日丸一日にわたる龍による性調教、そして今朝の半裸のジョギングと公園でのオナニーショーは空手で鍛え上げられたはずの貴美子の気力と体力のすべてを奪ったのである。
香織に指示されるまでもなく、貴美子は大学に行くことなど思いもよらず、日中は龍の監視の元で泥のように眠りこけたのだった。
そんな母と姉に比較しても、里佳子はむしろより苛酷な一日を過ごさせられていた。里佳子は美樹による監視が必要と考えられたため、欠席することは許されなかった。土曜以来、ほぼ不眠不休で調教を受けさせられた里佳子は疲労困憊のあまり不覚にも授業中に何度も居眠りをし、そのたびに教師たちから厳しい指摘を受けた。
里佳子が必要以上にきつく叱咤されたのは、ふだん優等生で通っている里佳子の失態は、通常の生徒のそれよりも目だったこと、そして最近の里佳子が急速に身につけ始めた退廃的な色気が、特に男性教師のサディズムを刺激したためである。
中学に勤務する男性教師はかなりの割合で、少女に対する倒錯的な偏愛の嗜好を有している。東中学きっての美少女である里佳子はその理想的な対象であった。隙のない優等生であった里佳子はそんな教師たちにとって近寄り難い存在だったのだが、里佳子が今日はからずも見せた失態がロリータ趣味の教師たちに、組みし易しという感覚を与えたのだ。
一方しのぶは朝の調教の後、香織のマンションの納戸として作られた窓もない4畳ほどの部屋に軟禁されている小椋道夫の元に返された。しのぶはいまや道夫とほとんど夫婦同然の生活を送らされているが、ここのところ吉原のソープでの泊まりがけの講習があったため、道夫と会うのは久しぶりである。
昨夜香織と史織に責め立てられ、3度の射精を強いられた道夫だったが、しのぶのたどたどしい手つきで再び前立腺を刺激されると、その大きいとはいえない陰茎はたちまち強度を増していった。
そして騎乗位で慌ただしく交わり、妻の友人の体内に絞り出すような射精を行った道夫は、幽鬼のような表情で出社して行くのだった。
勤務先の大手商社での道夫の仕事ぶりは、以前の沈着かつ堅実なそれに比べて著しく悪化しており、周囲の目にもその無気力さは明らかであった。
道夫を見送ったしのぶは香織のマンションの納戸で、夜の「かおり」でのショーの出演に備えてしばしの間休息を与えられるのだった。
里佳子の帰宅とともに奴隷たちの束の間の休息は終わりを告げた。久しぶりの「かおり」での秘密ショー、それも出演者を大幅に増やしての開演に向けて、香織と龍による特訓が行われたのである。
夜8時きっかりに「かおり」での淫靡な饗宴の幕が切って落とされた。先週はしのぶと裕子が吉原でソープ嬢としての務めを強いられていたため、「かおり」でショーが行われるのは先々週の金曜以来10日振りのことである。常連客に加えて、今朝方の3人の美女による半裸ジョギング、そして里佳子、健一の美少女、美少年コンビを加えた5人の奴隷たちによるオナニーショーにすっかり魅せられた新たな客が、今夜のショーのうわさを聞き付けて押しかけたのである。
新顔の客の中心は佐藤、瀬尾といった自治会関係者である。不労所得で悠々と暮らしている佐藤やその仲間は、普段から金に飽かせた様々な遊びに退屈し、新しい刺激に飢えている。そんな彼らにとって、同じマンションの住民を性的にいたぶるというのは極めて新鮮な刺激だったのだ。
以前のしのぶと裕子の2人の美熟女によるショーも大変な反響を呼んだのだが、今回はそれにピチピチした若鮎のような新人数名を加えてのものという触れ込みに、10日間も我慢させられた観客たちの興奮はいやがうえにも高まっている。
「お待たせしました、それではスナック『かおり』名物のショーの開演です」
龍の艶のあるバリトンのアナウンスとマドンナの「ライク・ア・バージン」のメロディに乗って、妖しいスポットに照らされながら登場したのは小椋裕子である。42歳の美貌の大学講師は香織による徹底した特訓をうけて淫靡なストリップダンスをほぼ完璧に身につけていた。
濃い化粧と金髪のウィッグ、そしてボンデージ風の衣装を身にまとい、大胆に股を広げ、ヒップを突き出し、乳房を強調させるように両手で絞り出しながら踊る裕子。一枚、一枚と衣装を脱ぐたびに露わになる、スポーツで鍛えられた裕子の贅肉の少ない身体はとても40歳を越えているとは思えない。観客は裕子のエロチックなダンスにすっかり魅せられている。
(ああ……みんなが見ている……私のはしたない姿を……)
男たちの情欲に潤んだ視線が肌に突き刺さるのを感じた裕子は、自然と身体が熱く火照ってくるのを止めようがない。
かっちりとしたスーツに身を固め、大学の教壇で裕子の専門である江戸期の日本文学について講義を行う時とは全く異質の、かつ比べものにならないほどの
高揚感が裕子の身体を包み込む。男たちの前に晒す肌の面積と比例して裕子の性感は果てしなく高まって行く。
(ああ……私、もう、どうなってもいいわ)
夫の目の前での輪姦、駅前でのバニーガール姿でのティッシュ配り、ビキニ姿でのジョギングと公園でのオナニーショー、「かおり」での破廉恥なSMショー、そしてソープ嬢として何十人もの男たちと交わらされた日々――。
想像を越える弄虐の果てに、裕子はもはや決して以前の自分には戻れない身体に作り替えられたのだと自覚させられたのだ。
裕子の裸身はほんの2週間足らず前にジョギングウェアで『かおり』に乗り込み、居合わせた客に輪姦された時に比べても大きな変貌を遂げている。それまでの道夫とのセックスレスの期間を一気に解消するほどの連日の激しい性調教と、1週間にわたってのソープ嬢修行で大量の男性ホルモンを注ぎ込まれた裕子の、身体の中に眠っていた女性が一気に開花したのである。
肉がしまっていたが反面堅さの目立っていた身体は優雅な曲線を描くようになり、女らしさの象徴である乳房とヒップは心なしか大きさを増したようだ。毎朝の露出ジョギングにより多くの視線に晒されてきた裸身は常に緊張感を保ち、肌の張り具合までが見違えるほどである。
最後の一枚、Tバックのラバーショーツを脱ぎ去った裕子のすっかり陰りを失った恥丘が露になる。縦長の陰裂からはみ出したワイン色のラビアと、その上端にはっきりと屹立を見せている金色のリングを装着されたクリトリスが観客の目の前にさらけ出される。その瞬間裕子は軽いエクスタシーを知覚し、突き出した双臀をブルブルと震わせるのだった。

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