第110話 嗜虐の競艶(3)

シースルーの上着とミニスカートを脱ぎ、ピンクのブラジャーとパンティのみの姿となった里佳子は、柱に縛られていた姉の裸身に近寄る。
「ああ……」
里佳子はため息のような声を上げると姉の頬を両手で挟むようにして、ふっくらした唇に自らの花びらのような唇をそっと押し当てる。
「あ……駄目……」
顔をそらせようとする貴美子の唇に、里佳子はなだめるようにチュッ、チュッと続けざまに接吻を注ぎ込み。
酸っぱい味が舌先を刺激するが、里佳子はためらうことなく舌を姉の口内奥深くに送り込む。里佳子の舌先が貴美子のそれを搦めとり、巧みに弄ぶ。
姉と妹によるレズビアンプレイ――香織から強いられた演技のあまりのおぞましさに、貴美子は激しく抵抗した。しかしながらすでに里佳子が昼休みの間中、英語教師である美樹を姉に見立てた特訓を受け、因果を含まされていることを知った時、貴美子は覚悟を決めたのだった。
「ああ……お姉様……」
「里佳ちゃん……」
甘いメロディに駆り立てられるように、貴美子と里佳子は次第に相手が血を分けた実の姉妹であることも忘れ、倒錯の演技に没頭して行く。唾液の糸を引くような接吻を交わし合った美貌の姉妹はようやく引き離される。
曲調が緩やかなダンスミュージックに変わり、里佳子がそのメロディに合わせてブラとパンティを脱ぎ捨てて行く。姉同様素っ裸になった里佳子が脇坂と赤沢の手で柱に縛り付けられ、両肢を大きく広げた形で青竹に固定される。鼻の穴にティッシュを詰め込んだ飯島がステージに登場し、龍とともに貴美子の両肢を大きく開かせて行く。
飯島はいまいましそうな顔で貴美子を見上げると、柔らかい内腿の肉を思い切りつねり上げる。
「痛っ」
「さっきの空手蹴りはわざとやりやがったな」
「そんな……違います」
「やかましい。明日からの野球部での特訓でたっぷり借りを返してやるぜ」
飯島はそう言うと貴美子の艶やかな繊毛をぐいと引っ張り、再び貴美子に悲鳴を上げさせる。
ようやく美しい姉妹が素っ裸のままステージの中央で並んで人の字に固定されると、脇坂、赤沢、飯島といった男たちは舞台の袖に姿を消し、代わりに裕子が現れる。
裕子は黒革のコルセットにガーター、鋲を打ったブーツ、そして赤いアイマスクを装着し片手に鞭をもった倒錯的な姿である。丸出しの豊かな乳房はコルセットにより押し上げられ、迫力を増している。陰りを失った股間に取り付けられた金色のリングがスポットライトに映えてキラキラと光っている。
妖しいばかりの裕子の美貌にため息のような声が湧き上る。柱に縛り付けられた貴美子と里佳子も、母親の艶やかな変貌ぶりに目を瞠るのだった。
(ああ……見られている)
ステージの前方に立った裕子が香織に命じられた通り扇情的なポーズを取ると、観客のどよめきは一層高まり、拍手さえ巻き起こる。そんな観客の熱っぽい視線に晒されて、裕子の肌は露出の快感に火照り出すのだった。
裕子はくるりと観客に背面を見せ、素っ裸の貴美子と里佳子に向かう。2人の娘の多くの非難と少しばかりの憧憬、そしてほんのわずかの嫉妬がブレンドされた視線を裕子はしばらくの間避けるようにしていたが、やがて覚悟を決めたように鞭を振り上げ、貴美子の脇腹目がけて振り下ろす。
「ああっ!」
本当に打たれると思わなかったのか、鞭打たれた貴美子の喉から悲鳴が迸る。今度は逆方向から反対側の脇腹に鞭が炸裂する。
「ううっ!」
それほど強い力ではないが、脇の柔らかい部分を革鞭で打たれる衝撃はかなりのものである。加えて鞭を振るっているのが外ならぬ母親であるということが貴美子の精神を苛むのだ。
裕子は次に鞭を構えたまま里佳子に向かう。里佳子の瞳にはっきりと恐怖と憎悪の感情を認めた裕子は、ぐっと唇を噛んで鞭を振り上げ、里佳子の太腿に振り下ろす。
「ああっ、痛いっ!」
里佳子は悲鳴を上げて悶えるが、すかさず裕子の鞭が内腿を襲い、その激烈な痛みに里佳子は「ひいっ!」と魂切るような声を上げる。
コルセットに締め上げられた優美な背面の曲線と逞しいばかりに張り出したヒップを観客に晒し、はあ、はあと息づいている裕子の前に、脇坂が舞台の脇から洗面器と小さな籠を差し出す。
裕子は籠の中に入っていたシェービングクリームを取り上げると、貴美子の傍らに跪く漆黒の陰毛に真っ白なクリームを吹き付ける。
「ああっ……」
クリームの感覚に貴美子は双臀を軽く悶えさせる。裕子は幼女をお仕置きするように貴美子のヒップをぴしゃりと平手打ちすると、籠の中から剃刀を取り上げ、シェービングクリームに覆われた貴美子の股間に滑らせる。
「嫌……」
貴美子は母親によって茂みを剃り上げられる羞恥と口惜しさに、顔を左右に逸らせながら身悶える。徐々に貴美子の陰りは姿を消し、その部分は童女のような趣を示して行く。
裕子は娘の茂みを丁寧に剃り上げ、剃刀についた繊毛を洗面器の中の湯に浸していく。今日剃り取られる姉妹の繊毛と、以前やはり「かおり」で剃り取られた裕子の陰毛は、きれいに水洗いされた上でセットにされ「かおり」の上客に対する土産に使われることとなっているのだ。
やがて貴美子のその部分はすっかり剃り上げられ、蒸しタオルを当てられた恥丘は剥き卵のような新鮮な趣を見せている。大きめだがしっかりと包皮に覆われたクリトリスが陰裂の上端からほんの少し顔を出しているのが滑稽である。
貴美子は陰毛を剃り上げられたことで、自らがまとっていた反抗心の鎧まで剥ぎ取られたように、儚げにシクシクすすり泣いている。裕子はそんな変わり果てた貴美子の姿を悲しげに眺めてたが、やがて里佳子の方へ向かう。
「ああっ……そんなっ」
裕子が里佳子の足元に跪くと同時に飯島たち3人の男たちがいったん貴美子の縄を解き、今度は観客に尻を向けた格好で柱に固定して行く。貴美子はなよなよと消極的な抵抗を見せるが、飯島にパシリッと尻を平手打ちされるとおとなしくなり、両肢を広げ尻を突き出したポーズで縛り上げられて行くのだ。
裕子は貴美子のすすり泣きを耳から振り払うように里佳子のわずかばかりの繊毛を剃り上げて行く。里佳子は屈辱をこらえながらじっと身体を堅くしているが、その燃えるような瞳は堕落した母親に注がれており、裕子はそれを針のように感じるのだ。
やがて里佳子の淡い繊毛もすべて剃り落とされる。裕子は剃刀を持ったまま、観客に形の良い尻を向けている貴美子の元に戻る。裕子はしばらくの間ためらっていたが、遂に覚悟を決めたように剃刀を置き、娘の尻たぼに両手を当ててぐいと開くのだ。
「い、嫌っ! な、何をするのっ!」
双臀の狭間に秘められた貴美子のアヌスがはっきりと剥き出しになる。裕子の目配せを受けて、飯島が貴美子の尻をぐいと押し開く。フルフルと羞恥に震えるような貴美子の菊蕾に、裕子がシェービングクリームを吹き付ける。そこで貴美子は初めてこれから何をされるのかがわかって「やめてっ!」と絶叫する。事前の打ち合わせで貴美子は秘部の繊毛を剃り落とされることまでは了解していたが、まさか肛門周囲の産毛まで剃り上げられるとは──。

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