第141話 吹きすさぶ淫風(8)

しかし、朽木に豊乳を揉み上げられ、圭子に花芯を嬲られるうちにたちまち官能をかき立てられ、ボリュームのある上半身を捩らせながら「あ、ああっ……」と明らかに快感を訴える悲鳴を上げる。
「あ、畜生。抜け駆けしやがって」
脇坂が苦々しげに舌打ちするが、幸い自分が狙った獲物とはだぶっていない。脇坂は良江にクンリニングスを施されて絶頂付近を彷徨っている岡部摩耶に近づくと、奪い取るように抱き締める。
「だ、誰なの……」
摩耶は薬のもたらす幻覚作用に曇った目を脇坂に向ける。脇坂は東中PTAの盗撮魔として摩耶たち執行部の役員には知られたが、摩耶は一瞬それが誰なのか理解出来ない。必死で記憶を呼び起こそうとする摩耶の形のよい尻を唇を脇坂はいきなり奪う。
「うっ、ううっ……」
見かけによらない脇坂の舌技に、摩耶の抵抗心が泡のように溶けていく。摩耶はいつしか無意識のうちに脇坂の背中にしがみつくように両腕を回す。
「もうっ、あと少しでイカせるところだったのに……」
長い接吻をようやく終えた脇坂は、不満そうに鼻を鳴らす良江に「あとは男に任せておきな」と言い放つと、摩耶の十分に濡れそぼった秘奥に、鉄のように硬化した肉棒を突き立てる。
「あ、ああっ!」
その瞬間摩耶は甲高い悲鳴を上げ、脇坂の背中に回した両腕にぐっと力を入れ、ブルブルと下半身を激しく震わせる。
「こいつは結構な締め付けだ」
脇坂は摩耶のその部分がひくひくと痙攣するのを肉棒に感じ、満足げに笑う。一方の摩耶は良江のクンニリングスですっかり燃え上がった肉体を脇坂の巨大な肉塊で貫かれ、たちまち絶頂付近に追い上げられる。
「もういきそうなんじゃないのか、ええ、奥さん」
「う、ううっ、う、うんっ!」
「うんじゃねえ。返事は女らしく『はい』っていうんだ。それといくんならいきますと、はっきりいうんだ。わかったな」
そう言った脇坂が巨大な肉棒で摩耶の子宮口をぐんと突き上げる。
「あ、ああっ……は、はいっ」
摩耶は魚が酸素を求めるように口をパクパクさせていたが、脇坂にさらに激しく腰部を突き上げられ、ついに「い、いくっ!」と大声で告げると均整の取れた身体を弓なりに反らし、がくがくと震わせる。
昌子が朽木とつながって獣のようなうめき声を上げている隣で、沢木はスリムだが乳房や腰回りは熟女らしい女らしさを示している長山美智恵を背後から貫き、甘い悲鳴を絞り出させている。
「なかなかいい味をしているじゃないか、奥さん。尖ったお核がチンポにこすれるのが何ともいえないぜ」
沢木が抽送を行うたびに美智恵の膨張したクリトリスが擦り上げられる。沢木はその存分に感触を楽しみながら、形の良い尻をからかうように叩く。
「あ、ああっ……ああン……」
美智恵は首をなよなよと振り、すすり泣きながらも腰の動きはいつしか快感を貪るかのように沢木の動きに同調させている。
「ご主人とは週何回くらいセックスをしているの?」
「あ、ああン……主人とは……も、もう何カ月も、していませんわ……」
「そうか、そりゃあもったいないことだ。こんないい味をしているのに」
「ああ……あ……あン……あはン……」
美智恵は長い黒髪を振り立てながら尻をもどかしそうに沢木の腰部に押し付ける。それはあたかももっと深い挿入をとねだっているように見えるのだ。
「ふん、お上品そうな顔をしていて、ただの淫乱女じゃない」
「小椋裕子のお仲間も一皮剥けばあんなものよ」
美智恵の痴態を眺めていた福山春美は嘲りの言葉を吐くと、昌子を朽木に任せた圭子も冷笑を浮かべながらうなずく。春美がバッグから煙草を取り出し、一本咥えると圭子が手を出す。
「私にも一本頂戴」
春美がうなずき、圭子に煙草を差し出す。2人は気持ち良さそうに煙草をくゆらしながら集会室の床に横たわっているしのぶと裕子に近づく。
何度目かの頂上を極めあったしのぶと裕子は気息えんえんといった風情で、互いの肢と肢を絡ませ合っている。圭子は苦しげに目を閉じている裕子に顔を寄せると、ふうっと煙草の煙を吐きかける。
「ぐふっ」と咳き込む裕子に、圭子は冷たい視線を投げかける。
「小椋会長は煙草がお嫌いだったわね。執行部の会議は禁煙で、煙草が好きな私は苦痛でしょうがなかったわ。小椋会長は愛煙家の権利をどう考えているの?」
圭子はそう言うと立ち上がり、裕子の尻をぐいぐいと踏み付ける。
春美もそれに倣い、しのぶに煙草の煙を吹きかけるとその熟した尻をつま先で蹴り上げる。春美は圭子とともに、香織から裕子としのぶが現在香織や黒田たちの奴隷同様の状態になっていることを聞かされ、さらにこれを材料に、裕子と親しいPTA役員たちを奴隷に落とすゲームへの参加を求められ、それに同意したのだ。
圭子が香織の仲間になることを承諾したのは、香織からかなりの金銭面の報酬が約束されたこともあるが、もともと知性、美貌、そして人望に恵まれた裕子をさらに惨めな境遇に落とすことが出来ることに、生来の嗜虐的な性癖がかきたてられたためである。
しかしながら春美が香織に同意したのは、もともとどっちつかずの「強いものには巻かれろ」という性分のせいに過ぎない。
春美は学生のころからクラスにいじめがあれば必ず、いち早くいじめる側に回るタイプであった。それが非難を浴びようものなら「そうしないと自分がいじめられる」という決まり文句の弁明をする。
しかしながら先頭立っていじめる人間の陰に隠れながら、時には彼らよりも陰湿で残酷ないじめを行う春美のような人間は、罪の意識が希薄な分、かえっていわゆるいじめっ子よりもたちが悪いと言える。
春美は今回も、いじめられっ子となる裕子のシンパグループではなく、香織や文子、圭子たちに加担したのもそう言った春美本来の性分が発揮されたからに過ぎない。しかしながら学生時代に春美が本質的にはいじめを楽しんでいたように、煙草の煙を吐きかけられ、尻を踏まれて恥辱と羞恥に歪む裕子としのぶの表情を見ながら、春美は確実に愉悦を感じていたのである。
「あっ、あっ、い、いっちゃうっ……」
振り絞るようなソプラノに春美が振り返ると、美智恵が沢木に背後から貫かれたまま弓なりに身体をそらし、絶頂に達したことをはっきりと告げていた。
「気持ちよかったかい? 奥さん」
沢木の問いに美智恵ははっきりと頷く。
がっくりと首を垂れた美智恵の乱れた黒髪をしばらくの間もてあそんでいた沢木は、空いた手の指先を美智恵の背中から尻の割れ目へと這わせる。
「僕は女性のここのところが好きでね」
沢木はそう言うと、ハア、ハアと荒い息を吐いている美智恵の慎ましく窄まったアヌスを指先でくすぐる。
「い、いやっ! そこは……」
快楽の余韻に浸っていた美智恵はいきなり微妙な箇所を、電流に触れたように裸身をぶるっと震わせる。
「後で浣腸して、じっくり責め上げて上げますよ」
そう言うと沢木は楽しそうに笑う。その笑いを見ながら春美は、早くも浣腸責めに苦悶する美智恵の表情を想像し、身体が熱くなるような興奮を感じるのだ。

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