第158話 母娘舌奴隷(6)

「それぞれ10発ずつ、一人が1発ずつ食らわせるということか。さて、順番はどうするかな」
新也がバットを置いて腕を組む。すると荒木満が「さっきと同じで、打順どおりでいいんじゃないか」と声を上げる。
「満が一番になるからな。まあ、それが分かりやすくていいか。そうだな、まずはそれぞれがさっきしゃぶらせた方を叩いて、その後交換といこうか」
白軍で戦ったレギュラーの部員たちはわっと喚声をあげる。負けた紅軍も当然残っており、思い掛けぬご褒美に預かった白軍のメンバーを羨ましそうに眺めている。
おそらくA工業高校の野球部員達は、目の前にぶら下げられたニンジンに釣られて、これからは人が変わったように練習に打ち込むに違いない。
まずは1番の荒木満と、2番の坂田大樹が進み出ると新也からバットを受け取る。満はふざけて、ウェイティングサークルで打順を待つバッターのようにバットをブンブン振り回す。
「さっきのお礼に思い切りケツを引っぱたいてやるぜ」
満はニヤニヤ笑いながら、双臀を思い切り突き出している裕子の前に立つ。
「土曜日に叩かれたばかりでまだヒリヒリしてるんじゃないのかい。せいぜいケツの皮が厚くなるように叩いてやるから感謝しな」
大樹はそういうとバットの先端でからかうように貴美子の尻をポン、ポンと叩く。
「た、叩くなら早く叩きなさいよ。か、覚悟は出来ているわ」
「ケツバット」のまさに目から星が飛ぶような激烈な痛みを既に経験している貴美子は、必死で気丈さを保ちながら大樹に向かってそう言い放つ。
「ふん、いい度胸じゃないか。それなら遠慮なく思いっきりぶっ叩いてやるぜ」
大樹がバットを振り上げた時、飯島が「待て」と声をかける。
「なんだい、先生」
「挨拶がまだだ。ちゃんと自分から『お願いします』と言わせてから始めるんだ。叩いた後もお礼を言わせることを忘れるな」
「わかったぜ。スポーツは礼に始まり、礼に終わるって訳だな」
大樹は分かったふうな口を利くと、貴美子の尻を金属バットの先で再び軽く叩く。
「よ、聞こえただろう、貴美子。ちゃんと挨拶をしな」
貴美子はあまりの屈辱に裸身を小刻みに震わせていたが、やがて諦めたように口を開く。
「お、小椋貴美子、ケツバット、お願いします……」
挨拶が終わるや否や大樹のバットが一閃し、貴美子の引き締まった臀肉に炸裂する。焼けた鉄棒をいきなり尻に押し当てられたような激烈な痛みに貴美子は「ひいっ!」悲鳴を上げるが、すぐに「け、ケツバット、有り難うございましたっ!」と叫ぶように御礼の言葉を吐く。
「ケツバット」というおぞましい言葉から想像される行為に戦いていた裕子だったが、まさか体力の有り余った男子野球部員が、女の尻に思い切りバットを奮うとは考えてもいなかった。
従って今し方貴美子に対して施された折檻は裕子の想像をはるかに超えるものである。裕子はニヤニヤ笑いながらバットを振り上げた満を見て、滑稽なほど身体を震わせる。
「や、やめて……許して……」
「今さら命乞いとはみっともないじゃねえか、ママさんよ」
裕子は哀れっぽい目で満を見上げるが、満は自分の母親とほぼ同じ齢の美女を思い切り折檻出来ることによる暗い喜びを隠すことが出来ない。
(40を越えているのにこんな美人だなんて、反則じぇねえか)
しかも満は初めて素っ裸の裕子を目にして以来、すっかりこの美しい熟女に魅了されていた。そんな年増女に対する趣味が自分の中にあったことに、満は当惑を覚えずにはいられない。
「娘に対して恥ずかしいとは思わないのかい、ちゃんと挨拶するんだ」
満はそんな内心の思いを押し隠し、催促するように裕子の尻をバットの先で突く。裕子はようやく「お、小椋裕子、ケツバット、お願いします」と口にする。
「くらえっ!」
満のスイングが裕子の逞しいばかりに張り出した尻肉に炸裂する。バチーン! という肉が弾ける滑稽なほどの大きな音がグラウンドに響き渡り、同時に裕子の口から「ぎゃあっ!」という絶叫が迸る。
「け、ケツバット、有り難うございましたっ!」
裕子は涙声になりながらなんとか礼の言葉を口にする。
「一回目でそんな泣き声を上げていてどうするんだ。貴美子は先週の土曜日に、歓迎の儀式としてケツバットを20回は受けているんだぞ」
飯島の声に裕子は悲痛な目を貴美子に向ける。貴美子は辛そうにしかめた顔を裕子から逸らす。このようなおぞましい折檻を浮けていたということよりも、それに対してなんら抵抗が出来なかったという事実を母に知られることが耐え難かったのだ。
「今朝だって俺から10回は叩かれているんだ。母親のお前が1回くらいで泣きをいれるなんて、恥ずかしいとは思わないのか」
(そんなに……)
裕子は改めて貴美子が陥った地獄に思いを馳せ、愕然とする。すべては母親である自分の軽率さが原因なのだ。何も出来ないが、せめて貴美子と同じ苦痛を味わいたい。そう心に決めた裕子は「申し訳ありません……も、もう、泣き言は申し上げませんわ」と口にする。
「いい覚悟だ」
飯島はうなずくと、3番の政和と4番の勇一に合図をする。クリーンアップを打つだけあって2人は他の選手と比べて力がある。特に4番の勇一は、A工業高校野球部では数年ぶりのパワーヒッターと言われていた。
その勇一がバットを手にして裕子の背後に立つ。勇一は大樹や満のように軽口は叩かないが、じっとボールを見定めるように裕子の尻を見つめている様子がなんとも不気味である。
「勇一、派手なホームランを頼むぜ」
声をかけた正明に勇一はちらと視線を飛ばし、バットを振り上げる。政和が勇一と呼吸を合わせるようにバットを構える。
「そりゃっ!」
二本のバットが同時に回転し、二つの尻がこれまでにないほど大きな音を立てる。裕子と貴美子は口から火の塊が飛び出しそうになりそうな激痛を必死でこらえ、「ケツバット、ありがとうございましたっ!」と涙交りの悲鳴を同時に喉から迸らせる。

その後、美しい母娘の尻はきっちり8回ずつ打撃音を立て、切れ切れの悲鳴がグラウンドに響き渡った。「ケツバット」の洗礼が終わった時、裕子と貴美子の尻は赤紫色に腫れ上がり、まともに歩けないほどであった。
飯島は名残惜しそうな野球部員達に解散を命じた後、消炎スプレーや冷感湿布などで裕子や貴美子に応急処置を行う。猿のように尻を腫らした美しい母娘は、日頃の気丈さもかなぐり捨てて、激しい尻の痛みにすすり泣きを交わしている。
(ちょっとやりすぎたか……)
腕時計を見た飯島は、「かおり」の開店の7時までまで1時間しかないことに気づく。そろそろ龍が車で迎えに来るだろう。
(これで店に出れるかな)
昨夜はろくろく睡眠もとっておらず、今日の昼間は裕子は自治会の佐藤文子や瀬尾良江たちに散々嬲られ、貴美子は奴隷マネジャー兼用務員としての仕事に追い立てられた。そして最後に止めのようなフェラチオ奉仕とケツバットの折檻である。飯島はまさに気息えんえんといった最悪の状況に陥っている裕子と貴美子を見て一瞬懸念を抱くが、すぐに「まあ、なんとかなるだろう」と思い直す。

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