第159話 美少女露出調教(1)

(今夜のショーの主役は裕子や貴美子じゃないからな。それに新人奴隷のお披露目もあるというし、2人の出番は少ないだろう)
飯島は部員達が帰ってガランとなった部室の床に全裸のままうつ伏せになり、荒い息を吐いている母娘を眺めながら煙草を取り出し、火を点ける。
(それにしても今夜のショーは楽しみだぜ)
飯島は「かおり」で予定されている「処女喪失ショー」に思いを馳せ、顔をほころばせる。
貴美子の妹の里佳子と、加藤しのぶの娘でいまだ中学1年の香奈という美少女2人がそろって処女を散らすというのだ。これを見逃す手はない。
(保健の長岡や生物の酒田は当然行くだろうが、他の教師たちも誘ってみるか?)
飯島は縁なしのキザっぽい眼鏡をかけた、事なかれ主義で知られている国語の浜村、何事も滑稽なほどもったいぶっている定年寸前の歴史の島田、ミステリーおたくの小男、数学の森岡などの顔を思い浮かべる。
(果たして店に入り切るかな……)
今日の主役2人は東中の生徒であり、もっぱら里佳子の調教を担当した英語教師の小塚美樹が、学年主任の桑田とともに東中の教師たちを連れて来ることになっている。
(詮索好きの森岡は今は止めておいた方が良い。すると浜村と島田か)
飯島は極限の疲労に部室の床の上で寝息をたて始めた、素っ裸のままの美しい母娘を眺めながら一人うなずくと携帯電話を取り出した。

「ああ……り、里佳子先輩……は、恥かしいわ」
「し、しっかりするのよ。香奈ちゃん」
小椋里佳子と加藤香奈の2人はもう30分も前からA駅の正面階段を何度も何度も上がり降りしていた。ノーブラの上の薄いピンクのお揃いのタンクトップは遠めには裸に見えるほどである。その下は真っ白な超ミニスカート、下着は扇情的なTバックである。
階段の下から見上げると2人の娘の可愛い尻は完全に丸見えである。通行人はしばらく、2人の様子を不審そうに見ていたが、少女達が明らかに見られることを意識しながらその奇妙な行動を続けていることを知った数人の男達は、助平心を全開にしてニヤニヤ笑い合いながら続々と階段の下に集まっていく。
(も、もう嫌っ)
今朝がた母と兄の3人で素っ裸のまま街中をジョギングさせられるという死にたくなるほどの羞恥を経験した香奈も、あまりのことに気が遠くなる。
その日は比較的風が強く、駅前は高いビルも多いため不意に思わぬ方向から突風が吹く。そのたびに2人の娘のスカートはまくりあげられ、裸のヒップが丸出しになる。
そのたびに階段下で里佳子と香奈を見上げている男たちが構えたカメラ内蔵の携帯電話が、いっせいに電子的なシャッター音を立てる。
「ああっ!」
あまりの恥かしさにしゃがみこむ香奈を、里佳子は抱え上げるようにする。
「か、香奈ちゃん……いけないわ。ちゃんと立って……」
2人の美少女を露出狂のマゾ娘に仕込むために課せられた調教時間は30分間である。終了すると里佳子の両乳房の間に仕込まれた携帯電話が鳴ることになっている。嗜虐者たちは階段が見渡せる駅近くの珈琲ショップで2人の様子を見守っているのだが、2人のうちどちらかが少しでもスカートを押さえようとしたり、身体を隠すためにしゃがみこんだりすると、調教時間は10分ずつ延長されるのだ。
(こ、こうなったら開き直って堂々とするしかないわ。恥かしそうにしていたら悪魔達の思う壺だわ)
「ついてきて、香奈ちゃん」
覚悟を決めて胸を張り、背筋を伸ばして階段を上る里佳子。それを見習うように香奈は健気にもありったけの勇気を奮い起こし、里佳子の横に並ぶ。
「すごーい、あの子達」
「まだ中学生じゃないの?」
「いったいどういうつもりなのかしら」
「最近の中学生はすごいわね」
女子高校生らしいグループが階段を上がる2人とすれ違いながら、驚いたような顔つきで話し合っているのが香奈の耳に聞こえる。
(ああ……お願い。早くあっちに行って)
祈るような思いの香奈。男達のいやらしい眼で見られるよりも、自分たちとさほど変わらない年頃の少女たちの嘲笑的な声のほうが香奈にはこたえた。
「香奈、香奈じゃない」
突然香奈の耳に聴きなれた声が聞こえた。
「こんなところで一体何をしているの」
恐る恐る声の方に視線を向けた香奈の前に、同学年の岡部沙耶と前田みどりが立っていた。
沙耶とみどりは小学生の頃の同級生で、いずれも香奈の親友といえる少女たちである。小学生の頃はこれに山崎留美を加えた4人がグループになっていたのだが、東中に入学してから香奈と留美、そして沙耶とみどりの2人ずつにクラスが別れ、以前と比べると幾分疎遠になっている。それでも休日になると時折4人で映画に行ったり、買い物に行ったりする仲間同士であることは間違いない。
沙耶はPTA役員で総務担当の岡部摩耶の、みどりは広報担当の前田さおりの娘である。さおりは今日開かれた臨時役員会は法事のため欠席していたが、そこで摩耶や、留美の母親の山崎奈美たち他の女性役員たちがどのようなおぞましい目にあったのかは、もちろんここにいる少女たちはまだ知らない。
「ずいぶんダイタンな格好ね」
屈託のない性格のみどりがただでさえ大きな目を一層大きくして丸くして香奈に向ける。さらに何か言おうとしたが、隣に立つ里佳子の奇妙な様子に気づいた沙耶が肘で脇腹をつついたため、口を噤む。
外交的な性格の沙耶は4人の少女たちの中でもリーダー格だった。沙耶は母親譲りの涼しげな瞳をしばらく香奈に向けていたが、やがて口を開く。
「香奈、いったいどうしたの?」
「どうって……」
香奈は沙耶の視線を受け止めることができず、下を向く。
「おかしな噂が聞こえているわ。香奈がその――ありえない格好で登校していたとか、教室の中でわざと男子に下着を見せたとか」
沙耶はちらと里佳子の方に視線を向ける。パンティが丸見えになるような格好で登校していたと噂されているのは香奈だけではない。東中きっての美少女と言われる小椋里佳子も一緒だったというのだ。
「まさかとは思ったけれど、今のこの香奈の姿をみると――」
香奈は改めて親友の前でどんなはしたない姿を晒しているのかに気づき、消え入りたくなるような羞恥を覚える。
「ねえ、香奈、香奈が自分から進んでこんなことをするはずがないわ。誰かに無理やりさせられているんじゃないの?」
沙耶の言葉に香奈は弾かれたように顔を上げる。みどりは沙耶の指摘に初めてその可能性に気づいたというように驚きの表情を見せる。

(まずいわ……)
駅近くの珈琲ショップのボックス席で、里佳子と香奈の様子を見守っていた山崎留美は思いがけない展開に焦りの表情を浮かべる。
留美は香奈に対する「調教」が自分が想像もしなかったほど過激さを増してきているのに、戸惑いと罪悪感を覚えている。史織に唆されて――いや、自分自身が史織のターゲットになるのが嫌で香奈を裏切ったのだが、まさかそれがこんな大事になるとは思っても見なかった。

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