第169話 蟻地獄の妻たち(7)

「オードブルの女体盛りって訳ね」
「マゾ女の岡部さんにはお似合いだわ」
春美や圭子がそう言ってはしゃぎ出す。
摩耶はじっと目を閉じ、そんなからかいに耐えている。龍が4人の女に皿と箸を渡すと文子が奈美に「何をぼおっとしているの。お客様にオードブルをよそいなさい」と命じる。
「は、はい……」
奈美は頷いて震える手で箸を取り、摩耶の身体の上にびっしり並べられたオードブルをとりわけ始める。隠された摩耶の肌が徐々に明らかになっていき、摩耶の顔は羞恥と屈辱に薄赤く染まり始める。
「私はそこの海藻のサラダが欲しいわ」
圭子が意地悪く、それ自体がまるで豊かな陰毛のように摩耶の股間を隠している海藻を指さす。奈美は言われるままにその緑色の固まりを一つまみ取る。
「もっとたくさん取ってよ。そこが丸出しになるくらいに」
圭子の声に女達がどっと笑い出す。引きつった表情を見せる奈美に摩耶が「いいのよ」と言うように頷きかける。奈美が大胆にその海藻をつまみ上げると、その下から無毛の秘丘が現れる。
摩耶のその部分がすっかり剃毛されていることに気づいた女達はいっせいに驚きの声を上げる。
「あら、岡部さん。お剃られになったのね」
圭子がくすくす笑いながら箸の先で摩耶の恥丘をつつく。
「は、はい……」
「誰に剃られたの?」
「黒田さんと沢木さんに」
「そういえばあの二人、姿が見えないと思っていたらそんなことをしていたのね」
良江が笑いながら口を挟む。
「こんなにされて、ご主人にどうやって言い訳するつもりなの」
圭子に問われて摩耶は口惜しげに唇を噛む。
「……わかりません。まだそこまで考えることが出来ません」
「あら、そうなの」
圭子はわざとらしく目を丸くする。
「後先も考えずに剃らせたって訳ね。さすが調教済みのマゾ女は違うわね」
「マゾ女だなんて……」
「あら、違うというの」
圭子は無毛の陰裂から顔を覗かせている摩耶の肉芽を箸の先で器用につまむ。
「あっ!」
「こんなところにイクラが乗っかっているわ。気持ち悪いでしょう。今、取って上げるわ」
圭子はそう言うと包皮を弾かせてルビー色の亀頭を露わにしている摩耶のクリトリスをくいくいと箸先でなぶる。
「なかなか取れないわね。どうしたのかしら」
「ち、ちがいます……そこは……」
「そこは何なの? はっきり言ってもらわないとわからないわ」
「い、イクラじゃありません……クリトリスですわ」
「あら、そうだったの。それは失礼」
圭子は箸をそのままにしてそう言うと、おろおろしながら成り行きを見守っている奈美に顔を向ける。
「摩耶のオマンコを開いてあげて」
「え、ええっ」
あまりのことに奈美は驚き、問い返す。
「聞こえなかったの? 摩耶のオマンコを開くのよ」
再度命じられ、奈美は震える手で摩耶の陰唇に手を伸ばし、指先でそっと開く。
「あっ……」
摩耶の部分が開かれると、そこからはどろりとした女蜜が流れ出し、奈美は思わず目を見張る。
「思った通りだわ。感じているのね、岡部さん」
「うっ、ううっ……」
摩耶はあまりの羞恥と屈辱、そして込み上げる口惜しさにたまらず嗚咽し始める。
ライターとして寄稿していた雑誌の副編集長、高畑によって開発され、SMの体験取材によって開花した摩耶の被虐的な性感は、高畑との関係が切れてからも摩耶の身体の中で燠火のようにくすぶっていたのである。それが香織や龍、そして黒田、沢木といった女体調教のベテランたちによって見抜かれ、再び表面へと引き出されてきたのである。
「素っ裸で女体盛りにされ、陰毛を剃られ、クリトリスを箸で苛められながらオマンコからだらだらと愛液を垂れ流すなんて、どんな淫乱女なのかしら」
圭子がそう言うと文子、良江、春美と言った自治会役員、PTA役員たちはどっと笑い出す。
女達はシクシクと口惜しげにすすり泣いている摩耶に、さんざんからかいの言葉を浴びせる。
「そろそろオードブルを他のボックスに回さなければ」
圭子はそう言うと、龍に「輪ゴムはないかしら」とたずねる。龍がカウンターの後ろから何本かの輪ゴムを圭子に渡す。
「何をするつもりなの」
春美は好奇心を露にしながら圭子の手元をのぞき込む。圭子は箸をX字型に組み合わせ、輪ゴムで十字に固定する。
圭子が箸の先の方を握ると、X字型に広がった二本の箸はいったん閉じる。圭子は箸の尻の方を摩耶の秘奥にぐいとさし入れると、ゆっくり手を離す。
「ああっ」
輪ゴムの弾力により、摩耶の秘奥は箸によってダイヤ型に押し開かれる。摩耶のワイン色の陰唇だけでなく、ピンク色の膣壁までが露骨なまでに晒される。摩耶の肉洞は後から後から分泌される愛液によってキラキラと濡れ光り、あふれ出た果汁はいわゆる蟻の門渡りを伝って銀色のトレイまで流れ落ちている。凄惨なまでに淫らな摩耶の姿に、女達は思わず息を飲む。
圭子は別の箸を取り上げ、大きく開かれた摩耶の秘奥にゆっくりと差し入れる。
「動くと傷が付くわよ」
圭子は目に妖しい光を湛えながら摩耶にそう声をかける。
「や、やめてっ」
声をあげたのは奈美である。親友とも言うべき摩耶に対する残酷な責めを見ていられなくなったのだ。圭子はそんな奈美を無視して、責め続ける。
「ほら、さぐりあてたわ」
圭子がそう口にしたとたん摩耶の「あ、ああっ!」と悲鳴のような声をあげる。
その時摩耶の尿道口からピュッ、ピュッと透明の液が噴き出したので、春美は「まあっ」と驚きの声をあげる。
「岡部さんたら、オシッコ漏らしちゃったの?」
「違うわよ」
圭子は苦笑する。
「いくらしまりのない屁こき女の摩耶でも、女体盛りにされながらオシッコするなんて、そんな粗相はしないわよ」
「それじゃあ……ひょっとして」
「そう、潮を噴いたのよ」
「へえ……」
文江と良江が身を乗り出す。

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