第170話 蟻地獄の妻たち(8)

「もう一度やって見せて」
「いいわよ」
圭子は再び手にした箸を摩耶の秘奥の中で器用に操ると、摩耶はピュッ、ピュッと盛大に潮を噴き上げる。
「ああっ、もうっ、さ、させないでっ!」
摩耶は気が遠くなるような屈辱と、身体が痺れるような鋭い快感に翻弄される。
「どうなっているの、いったい」
「簡単よ、岡部さんのGスポットをお箸の先で探り当てたのよ」
春美が興味津々に問いかけると、圭子が笑いながら答える。
「Gスポット? 話に聞いたことはあるけれど、そんなもの、本当にあるのね」
「もちろんよ。女なら誰にでもあるわ。大きさに個人差はあるけれどね」
圭子は箸で摩耶の急所をグリグリえぐるようにしながら答える。摩耶はそのたびに「いやっ」とか「駄目っ」といった悲鳴をあげている。
「岡部さんのは特に大きいから探しやすかったわ」
圭子はそう言うとこれで最後と言うように摩耶の秘奥の内部で箸をひねるようにする。摩耶は「ひいっ」と絶叫すると噴水のように潮を噴き、がくりと首をたれる。
「岡部さん、し、しっかりしてっ」
奈美が摩耶に駆け寄ろうとするが、圭子に肩を押さえられる。
「余計なことをするんじゃないわよ」
圭子はそう言うと奈美の尻をパシッと叩く。
「そのままにしておくのよ。失神させたまま次のテーブルに移動させた方が面白いわ。山崎さんはお皿の上の海藻サラダをかき集めて岡部さんのあそこを隠すのよ」
「そんな……」
「初めっから内臓まで丸出しにさせたままじゃ興趣が殺がれるでしょう? さあ、早くお友達の恥ずかしいところを隠してあげるのよ」
圭子に肩を押された奈美は言われるままに箸を取り、皿の上の緑の海藻をかき集めて、淫らに開かれた摩耶のその部分を覆い隠していく。摩耶のそれはいったん、あたかも緑の陰毛のような海藻で元通りに覆われる。
しかしそれは摩耶の羞恥と屈辱を新たにするだけの役割を果たすに過ぎない。失神した摩耶を乗せたワゴンは龍の手によってゆっくりと次のボックス――脇坂、朽木そして赤沢が半裸の長山美智恵を嬲り抜いている席へと移動される。
見事な女体盛りを目にした脇坂たちは歓声をあげ、摩耶の裸身に箸を延ばす。股間に置かれた海藻のサラダが真っ先に取り除かれ、無毛の摩耶の恥丘と箸で押し開かれた秘奥が露わになる。男たちの哄笑と失神から覚めた摩耶のすすり泣きが一層高まった時、店の奥に設置された即席のステージから声が香織の声が響く。
「お客様、本日はお忙しい中、当スナック『かおり』にようこそいらっしゃいました。長らくお待たせ致しました。それではこれより、本日のスペシャルショーを開催したいと思います」
店内の20人近い客がいっせいに拍手する。沢木の操作するスポットライトが照らす舞台の袖に、小椋裕子と里佳子の母娘が現れる。
里佳子は東中の制服であるセーラー服に赤い首輪を装着した惨めな姿である。母親の裕子は首輪のみを許された素っ裸であり、無毛の股間にキラリと光っているのはクリトリスリングのようである。里佳子の首輪に取り付けられた鎖を裕子がまるで家畜を引き立てるように引いている様子が衝撃的であり、それまで客たちに淫靡な奉仕を強いられていた奴隷たち――貴美子、昌子、美智恵、奈美、そして摩耶の5人の奴隷たちの口から悲痛などよめきが漏れる。
中でも里佳子の姉である貴美子の様子は痛々しい。「ケツバット」で痛め付けられたヒップを浜村や島田といったA工業高校の教師たちによって散々撫で回されていた貴美子は、衆人環視の中で処女を奪われるという妹の悲惨な運命を前にして、「里佳子……ああ……里佳子」と血を吐くような声をあげている。
「おとなしく見物しているのよ、貴美子」
美樹がいまだ腫れのひかない貴美子の尻をパシッと叩く。
「里佳子はこんなたくさんの見物人、そして実の母親と姉が見守る中で処女を捨てることが出来るのよ。どう、幸せだとはおもわない? こんなことが経験出来る女の子はそうはいないわよ」
「ああっ……」
美樹の残酷な言葉に、貴美子のすすり泣きが一層高まる。
続いて反対側の袖に、しのぶ、健一、香奈の加藤家の母子が現れる。
しのぶは裕子とは違い身体に赤を基調とした扇情的なステージ衣装を身に着けている。香奈は里佳子と同様のセーラー服に首輪、一方の健一は上半身には制服のカッターシャツを身に着けているが、下半身は素っ裸という惨めな姿である。
おまけにペニスの根元にはリングが装着され、しのぶはそのリングと、香奈の首輪に取り付けられた鎖を片手にもち、もう一方の手には乗馬用の鞭をもっているのだ。
「それでは、本日出演のスターたちの紹介です」
香織の声と共に裕子と里佳子がスポットライトに照らされる。
「み、皆様……私、当スナック『かおり』専属の牝奴隷、C級奴隷の小椋裕子でございます。本日はお忙しい中、私の娘である里佳子の処女喪失ショーにお運びいただき、誠に有り難うございます」
裕子がそんな屈辱的なあいさつを口にし始めたので、PTA役員で裕子のシンパであった昌子や美智恵は改めて衝撃を受ける。
昌子たちをさらに驚かせたのは、奴隷としては自分たちの先輩格である裕子が摩耶と同じ「C級奴隷」であるということだ。裕子を自分たちよりも下に格付けしている香織の意図はどこにあるのか、昌子も美智恵も計り兼ねているのだった。
「淫乱マゾで露出狂である裕子のま、マンコからヒリ出されただけありまして、里佳子も姉の貴美子同様、どこに出しても恥ずかしくない、い、いえ……どこに出しても恥ずかしい……恥知らずの……」
そこでさすがに裕子はあまりの屈辱に声を詰まらせるが、香織に「ぐずぐずしないで続けなさいっ」と決めつけられて挨拶を再開する。
「恥知らずのマゾ娘に育ちました。本日は15年近く守り抜いた処女膜を破られて嬉し泣きする娘の晴れ姿を、皆様心行くまでお楽しみください」
観客がいっせいに歓声をあげ拍手する中、里佳子が続けて挨拶する。
「みなさま……ただ今ご紹介に預かりました小椋里佳子でございます。り、里佳子はすでにレズビアン、そしてマゾと露出のいけない快感は十分体験しておりますが、ほ、本日はいよいよ皆様の前で一人前の女にしていただけるということ……か、感激と興奮でさきほどから身体の震えが止まりません」
実際に里佳子の裸身は小刻みに震えているが、それはもちろん羞恥と屈辱、そして恐怖のためである。
「り、里佳子をその恥知らずの淫乱マンコから放り出した雌豚奴隷の裕子が申しました通り、処女膜を破られて嬉し泣きする里佳子の姿をゆっくりご堪能くださいませ。また、そのマゾ泣きの様子、および処女マンコの締め具合で、里佳子の奴隷としての等級が決定されることになっております。す、少なくともゆるマンの屑女である雌豚の裕子よりは上のクラスの、B級奴隷にはなりたいと思っておりますので、皆様のご支援並びに声援をよろしくお願い致します」
里佳子は口ごもりながらようやく挨拶を終えると、観客は再び盛大な拍手を浴びせる。挨拶の卑猥さもさることながら、母親である裕子を徹底的に侮辱するその内容が昌子たちを驚かせる。
自治会の前副会長、PTAの現会長、そして大学の国文科の講師である小椋裕子。その知性と美貌、そして女優並みの均整の取れたプロポーションは昌子たちの憧れであった。昌子たちは裕子の娘である貴美子や里佳子とも面識があるが、裕子が自分たちから同様、いや、それ以上の尊敬を娘たちから得ていたことを知っている。

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