『被虐の鉄火花』と強い女

連載中の『被虐の鉄火花 完結編』ですが、当初は一〇〇話くらいで完結と見込んでいたんですが、もう少し長くなりそうです。今しばらくお付き合いの程、お願いします。

私の作品はだいたい鬼六先生のものを意識したものと、基本オリジナルなものに分類されますが、『被虐の鉄火花』は明らかに前者です。そもそも『被虐の鉄火花』というタイトルも、何気なく付けたつもりなんですが、鬼六先生の小説のタイトルと被ってしまいました(と言っても正式なタイトルではなく、SM小説によくある、既存作品を雑誌に再掲する場合に別タイトルを付けるというものです。『被虐の鉄火花』の元のタイトルは『暗闇博徒(単行本時は『縄と肌』』だったと思います)。

『被虐の鉄火花』は正編は鬼六先生の『緋縮緬博徒』や『お柳情炎』、『縄と肌』といった女侠客ものをレスペクトとしています。一方、続編の方は『肉体の賭け』や『新妻地獄』などの姉妹ものとでもいえる作品、かつ舞台が老舗旅館や料亭のものをレスペクトしています。

どちらも私の好きな設定ですが、共通して言えるのはヒロインにいわゆる「強い女」が登場することです。何度か書いたことがありますが、私は鬼六先生の代表作である『花と蛇』では静子夫人より京子が好き、何度も映画化された『肉体の賭け』では姉の絹代よりは妹の久美子が好きです。

鬼六先生としては『花と蛇』における京子の人気は意外だったようです(先生は静子夫人の次は、令嬢タイプの小夜子に人気が集まるだろうと考えていたそうです)。ただ、需要に応じて書くのが先生ですから、その後京子タイプが主人公の『女侠客もの』や『仇討ちもの』を何作も書かれました。特に女侠客ものは映画と相性が良かったのか、日活ロマンポルノで何度も映画化され、被虐に喘ぐ女ヤクザは谷ナオミの当たり役と言われました。

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コメント

  1. masa より:

     強い女性 男性社会で対抗してゆくのに伍してゆくだけの
    気持ちが必要なんでしょう。
    それが折れて自分がメスでしかないと分からせられたとき
    浅ましくもトコトン堕ちて行く姿
    我々はそれを見て気持ちよくなるんですよね。
    女性ヒーローもそうですね スーパーガールがヴィランの手に堕ちて
    分からせられる姿はたまりません 

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